Ch3.1 イッツァファンタジーワールド(2)
「火の世界、風の世界、土の世界、そして水の世界、なんて言えば単純すぎる説明だけど……。ステージにはそれぞれ特殊なルールがある、ということだけは伝えておくわ。あとの詳細はイベント開始当日に、ね。
……ところであなたたち、腕は落としてないでしょうね? 今日はまず本戦に向けてのモンスター討伐のテストプレイをしてもらおうと思うの!」
ウシシと挑発的な視線はかわいらしいアデルバード所長。
カケルとエミリは程度の差こそあれ意気込みが感じられる。
カケルは獰猛な笑みを、そしてエミリもフンス、と気合を入れている。
カケルはともかく、そんなキャラだっけエッちゃんよ?
……うーん。モンスター討伐、ねえ。
僕としては正直気が進まない。
まるでコロン姫みたいなことを……、と頭の片隅で思う。そういえば所長と彼女はどことなく性格が似ている気がする。
意外と開発陣の性格のモデルとかがキャラクターに使われているのだろうか。もしかしたら親父そっくりな性格のキャラもこれから出るのだろうか。
「――じゃあ、移動しましょう。……そうね。草原エリアにでも行きましょうか」
――っとと。なんか転移に近いが違う感覚に襲われる。
広々とした草原のエリアが文字通り視界に広がっている。
よくゲームのチュートリアルやら第一ステージに使われるような舞台だ。気持ちのいい風が草花の間を吹き抜けていく。見ているとどこか懐かしい感覚を味わえるのは色々なゲームで同じような光景を見てきたからだろうか。
「相変わらず平和で凡々なエリアね。……本来ならボスデータも抽出してエネミーやら色々危険存在も出るはずなのだけど、……なぜかこのエリアだけ出てこないのよねぇ」
危険も何もない自然が広がっているだけなんて、……本当に不思議ねぇ、などと所長が口をこぼす。
「……独り言は終わり。手始めに、そうね、――サモン/コール:
……。ゴーレム、とかかしら?」




