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Ch2.1 エルフの願いごと(3)

「――素晴らしい! やはり我が目に狂いはなかった! あなた様方こそ、真の勇者ですわ!」



「……」 なんかうさんくさいんだよなあコイツ。いやいきなり魔物?をけしかけられているから、当然そう思うわけで。


 ――テレパシーで探ってみるか。


 距離が少し離れているので、意識を彼女に飛ばすイメージで。ひょいっとな。


「――あれ?」 読めない。なんか、彼女の()()()()()()()()



「……あらやだ勇者さま。いきなり()()をかけてこようだなんて。どんな魔法かわかりませんが、やめてくださる?」


 ……魔法?


「え? ああいやごめんなさい。あなたの考えてることを理解しようと……。……え魔法ってどういうことですか?」


「――あらまあ、勇者さま。ホホホ、ご冗談を。いままさに使ったではありませんか」



 …………え。テレパシー(これ)魔法だったの?


 僕にとって驚きの事実が発覚した。



「――コホン。では改めまして自己紹介をさせてください勇者さま」

 

 エルフの姫様が居住まいを正して、こちらに話しかけてくる。僕も慌てて思考を切り替える。


「我が名はコロン。偉大なる祖アロンの直系の子孫にして、この土地を治めるものなり。この度は召喚に応じてくださり、誠に感謝しています。その実力、我ら一同感服いたしました」


 手のひらをこちらに見せるように、両腕を開き、胸をはるポーズをするコロン姫。他のエルフたちもそれに倣って胸を大きく開く。……エルフたちの敬意を示すポーズなのだろうか。


「そして下段にいますは我が末妹、マロン。今回の案内役を務めさせます」


 紹介され、少し慌てて立ち上がる中高生くらいの年代に見える少女エルフ。「――よろしくお願いします」 こちらも例にもれず胸をがんばって大きく張っている。


「さきほど勇者さまが気になされたように、我らにはあなた様方を召喚したやむにやまれぬ理由(ワケ)があるのです」


 悲しげな表情で顔を下げるお姫様。ていうか別にお姫様じゃないのか。紹介通りだと統治者? 為政者? ……まあもうお姫様でいいや。


「それこそこの我らの土地をのさぼる醜き魔族ども、ピグモン族とその女神、()()()()()()の存在です」


 女神(ウンディーネ)。親父が言っていた通り、同一存在が今回のチャプターでもいるらしい。

 気づくと歯をきしませてる音に気づいた。……おっとっと。どー、どー、僕。まずは話に集中しよう。


「彼らはこの土地に許可なく住みだし、異常な早さで都市を建設してしまいました。しかしその繁栄もその悪しき女神の魔力があってこそ。彼女の恩恵がなくなれば、彼らは一夜にして滅びるでしょう」


 きっ、と顔をあげ、こちらを力強く見つめてくるお姫様。


「それこそ我らの願い。この地から女神を消し去り、この地の統治を復権することなのです。どうか勇者さまがた、非力な我らの代わりに、悪しき女神を討伐してはいただけないでしょうか?」


 お姫様は震える声でそんなことを頼んできたのであった。

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