Ch2.1 エルフの願いごと(2)
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キュイーン、と亀の無数の砲身が光りだす。甲羅のふちに沿うように無数の砲身が展開されているため、地上に逃げ場がない。
ていうか周りのエルフたちは大丈夫なのか。あたりを見るといつの間にか、ご丁寧に青白いバリアが僕たちと亀を取り囲んでいることに気づいた。
……さいですか。余裕そうに高みの見物を決め込むエルフたち。
「ケイさん。スキルは」
「変身魔法と戦闘能力向上」
「じゃあ、せーので一緒に飛び移ろう」
ラジャー、と確認の声は聞こえた。砲身の光は増していく。既に先端までその光は届こうとしている。「――せーのっ!」
前方に、力強く跳躍する。スーツの加減なんて掴めてないので、適当だ。
それと同時に、白く鮮やかな光線が発射された。光線といっても、スピードは目でかろうじて追える程度に遅い。2秒ほど発射した後、溶けるように消えていく。
予備動作も見えていたため、跳躍のタイミングとしては完璧だ。あとは着地だが……。
「――ちょっと、飛び過ぎたかな」
このままではバリアの壁にぶつかる。
「ケイさんは、そのまま、お願い!」 後方を見ると、あちらは調整が完璧の様子。
そのまま足で、空中からバリアに衝突する。
――バリッ。……あり? 意外と脆い? 衝突する瞬間、足に力場を発生させて、僕へのダメージは気持ちやわらげた。その影響もあってか、バリアにひびが入る。
強度的には、ガラス戸くらい? ひび割れた視界の奥で、エルフたちが若干おののいているのが見える。あー、ごめんね! びびらせてしまった。先ほどの光線は防げてたみたいだから、物理攻撃には弱い感じなのかな?
ドゴォン! と後方で轟音がなる。見やると亀が半壊した様子でこの空間から溶けるように消えていっている。
「任務、完了」 強化した拳で亀を物言わぬ残骸にした様子。
銀髪をたなびかせて、虚空を見つめる転入生。
――おいかっけえなこの人。惚れてまうやろ。
それと同時に、バリアも砂のように崩れ消えていく。
「――素晴らしい! やはり我が目に狂いはなかった! あなた様方こそ、真の勇者ですわ!」
おいおい。このエルフの姫さま(?)、とんでもなく調子がいいな……。もの頼むってレベルじゃねーぞ!




