Ch2.05 ダブルデート事件(1)
あ……ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
僕はお寿司屋さんで楽しく食事をしていると思ったら いつのまにか銃口を頭に突き付けられていた。
な……何を言っているのかわからねーと思うが、僕も何をされたのかわからなかった……。
頭がどうにかなりそうだった……。
いやいやいやていうか今現在進行形だよ!ちゃんとチャチな偽物じゃ断じてなくて本当に重厚で極太なピストルだよ!
最高に恐ろしいものの片鱗を今味わってるよ! 助けてぇ!
――5分前。
「ケイさん、お寿司は食べたことある?」
「うん。……でもこれが本場のお寿司。感動してる」
もっきゅもっきゅとものすごい勢いでお寿司を食べていく転入生。高い皿や安い皿、どちらも残さずきれいに空にしていっている。
全品目食べてみたいと、店に着いた途端片っ端からすべてのメニューを注文していったのだ。
「きゃー! ギャップ萌えね!」 食べる転入生の隣で、はしゃぐエミリさん。なるほど、美形であればなにやっても許されるのか。
「……そんなに頼んでお金とか大丈夫かな」
まだ日本にきて浅いだろうから、金銭感覚がずれているかもしれない。
「大丈夫、問題ない。みんなの分も、払ってあげる」
付き合ってくれてるお礼に、と食事の合間に僕らと話していくスタイルのケイさん。……マイペースでイイデスネ。
まあいざとなったら僕のへそくりで払おう。
「それに……ごくん。今日はもしかしたら、お店の食べ放題日かも」
……。そんな日このお店にあっただろうか。……もしや食い逃げでもするつもりかキサマ。
この転入生、全くもって読めない。いきなり僕のことを遊びに誘ってきたかと思えば、その遊びの当日は僕たちをそっちのけで楽しんでいる。
……まあまだ日本に来たばっかだし、今日の予定も始まったばかりだから、人となりを判断するには早計か。
はあ、とため息をひとつこぼす。僕にも頼んでいた炙りとろサーモンが届いた。お、やったね。
箸でつかみ、しょうゆをつけ口に運ぼうとしたその時――。
日本では絶対に聞かないような銃声が店内に響き渡った。
「オラァ! 金出せコラァ!」
そんな今日日流行らないような、銀行強盗のように覆面マスクをかぶった暴漢たちが、店内に押し入ってきたのだ。




