表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした  作者: 葉柚


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/164

48



エドワード様は多少ふらつきながらも、先ほどよりもしっかりとした足取りで前へ前へと進んでいった。


私はそれを足手まといにならないように小走りで追いかける。


「・・・マコト・・・具合は・・・・・・・・・・・・バカなっ!!」


歩きながら誰かと念話でもしているのか、時折エドワード様の小声が聞こえてくる。


そして、最後には感情を抑えきれないような大きな叫び声を発した。


ビクッとしてエドワード様を見つめる。


エドワード様の足取りは次第にゆっくりとなり、終いにはその場に座り込んでしまった。


「エドワード様、どうしたのですか?」


エドワード様の真横に座り込み、顔を覗き込む。


「君には関係のないことだ・・・。」


関係ないと告げるエドワード様の瞳には深い悲しみの色が浮かんでいた。


「悲しいことがあったのならば、泣くといいですよ。泣くとすっきりいたしますよ。」


エドワード様は何も言わず、ただ一筋の涙だけを流した。


いったい何があったのだろうか。


でも、深い悲しみの縁にいるエドワード様には、それ以上は声をかけることもできなかった。










しばらくして、エドワード様はふらふらと立ち上がった。


その顔はまだ悲しみから抜け出せていないようであったが、しっかりと前を見据えていた。


「行かれるのですか?」


「・・・。」


エドワード様は答えずに歩き始める。


一歩一歩確実に。


私はその後を逸れないようにしっかりと追いかける。


「・・・着いてこないでくれ。一人にしてくれ。」


「!!」


しばらくエドワード様の後を追いかけて歩いていると、こちらも見ずにエドワード様はポツリと呟いた。


その声音に驚いて歩みが止まる。


エドワード様の声にはこれまでとは違い、明らかな拒絶が含まれていたから。


このままエドワード様を一人にしていいのかわからない。


だけれども、このまま無視してついて行くことも許さないような声音だった。


立ち止まって動けなくなってしまった私を気にすることもなく、エドワード様は歩いて行ってしまった。


呆然と立ち尽したまま、私はエドワード様が去っていくのをいつまでもいつまでも見つめていた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ