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エドワード様はにっこりと笑っている。でも、目が笑っていない。
「誰がそんなことを言ったのかな?」
「私、知ってるんだから!ゲームでのエドワードの行動を見ててピンッと来たんだからね!」
「ユキ!もうやめて!言いすぎだから!」
「マコト!・・・うぅ・・・もがもが」
なおも言いつのろうとするユキの口をマコトが強引に両手で塞ぐ。
「皇太子殿下。たいへん失礼いたしました。」
ユキを拘束したまま、マコトが最敬礼をする。その間ユキはマコトの手から逃れようともがいていた。
エドワード様。ユキ様が言った言葉、否定はしないのですか?
エドワード様はユキ様に誰がそのようなことを言っていたか確認はしたが、否定の言葉は発しなかった。
ほんとうに私を陥れるために婚約を結んだの?あんなに愛していると言ってくれたのは、婚約破棄したときに私を絶望させるため?
「マコト。その手を離しなさい。ユキは面白いことを言うね。別室で詳しく話を聞かせてもらおうか。マコトもおいで」
エドワード様はこちらを見ずにユキとマコトに有無を言わせないように告げる。
マコトは「はい」と素直に頷いてユキを引きずりながらエドワード様についていった。
ユキは憮然とした表情をしながらも、マコトに引きずられながら歩いていく。
後に残されたのは私と侍女だけ。
急に室内が静かになってしまい、妙な寂しさを覚える。
エドワード様がこちらを見なかったということは、やはりユキ様の言ったことは確信をついていたのだろうか。
この子も私を絶望させるため・・・?
私はまだ膨らみもみせないお腹に手をあてる。
先ほどまで愛していると抱き締めながら囁いてくれていたのは全て演技だったのだろうか。
でも、私はエドワード様を信じたい。
この部屋を出ていく時に一瞬でも私に視線を合わせてくれていたら、なんの迷いもなくエドワード様を信じられたのに。
今は、信じていいのか迷っている私がいる。
だって、ユキ様が言っていた内容は私が夢で聞いた会話と酷似していた。
私はここにいてもいいのだろうか・・・。
いっそ、絶望を味わう前にこの子と一緒にここから逃げ出した方がいいのだろうか・・・。




