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四十三作目・映画「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」 (Joker: Folie à Deux)

※ジョーカー前作は第三十一作目に投稿済みです。


https://syosetu.com/usernoveldatamanage/top/ncode/623555/noveldataid/13206400/



 前作のジョーカーは大ヒットしたので、続編は必ず出るだろうと思っていました。だけど、まさかレディー・ガガが出るとは思わなくて知った時からもう指折り数えて公開を待っていました。

 ただ、わたしは聴力に問題があって、たとえレディー・ガガであろうが、その歌の本質的な素晴らしさが理解できない。だけど、彼女の容姿と思い切ったパフォーマンスが好きで動画視聴は良くしていました。


 まさか、まさかジョーカーの続編に出るなんて~!! うれしいわ~!!


 彼女が出る映画もすべて見ていませんがわたしは「ハウス・オブ・グッチ」 は大好きでした。嫌いになった夫の殺人依頼をするシーンや、夫の死後にライバルだった愛人を追い出すところとかね。

 ガガが、それをするとなぜかとても似合う。悪役向きの女優なんだなあって思います。でも表の顔は慈善事業もされている素晴らしい人です。

 まだ38歳。まだまだ大きくなる女優さんです。


レディー・ガガ - Wikipedia  → ja.wikipedia.org



 さて、本作は本拠地のアメリカでは酷評されています。なぜなら前作のジョーカーなればこその暴力表現が弱めで、ミュージカルぽくなっているからです。

 しかし、わたしは本作は、ジョーカーの前進を描いた前作をさらに踏み込んだアーサーの物語としてみました。そういう意味では「ジョーカーに扮したアーサーの物語」 といっても過言でない。

 だけど、今回はガガが出ている。ガガが出ている以上は彼女の歌手としての起用も兼ねているだろうから脚本もガガの良さを生かしてしまうのは仕方がないかもしれません。ミュージカルぽくても許せる造りになっています。

 


 子どもと一緒に鑑賞したのですが、子どもの評価は辛かった。「また歌か~も~うんざり」 と思ったそうです。

 わたしはガガの踊りも見れたしよかったと思っています。ガガもジョーカーと楽しそうに歌いつつも、急にジョーカーがアーサーぽくなると、表情を変えて銃を向けるのだもの、これでガガが演じる「リー」 はアーサーが好きなのではなくて、なんでも破壊しようとするジョーカーが好きなのだとわかる。

 そして法廷劇。

 昔の同僚のパドルスの涙ながらの証言を聞いて、アーサーに心境の変化が起こります。両者とも見事な演技で、夢中で観ました。

 彼は、最後のシーンでジョーカーとしてではなく、アーサーとして発言しようとする。それを悟ったとたんに恋人のはずの「リー」 は、冷たい表情になる。

 このリーは、とてもしたたかな女性。ジョーカーに会いたい一心で嘘をついてまで、刑務所近くの精神科の病棟に入り込み、まんまと接触してジョーカーと恋仲になる。リーはジョーカーの熱烈なファンだった。

 積極が過ぎて、アーサーの独房に入り込んで性的な接触までして、おまけに妊娠も告げる。歌うんだよね~すごいなあ。

 一方ジョーカーも悩む。

 ジョーカーとしてでなく、アーサーとしての弱い自分も見てほしいがどうも違うようだ、と苦悩する。

 やっぱり男性より女性の方が強いよね~……法廷爆破後にアーサーは無傷で逃げ出すことができる。そして、リーの居場所を見つけ出すがリーはアーサーには興味はないので、「グッバイ」 といって背中を向ける。

 いや、リー、勝手すぎるよ。

 打撃をうけて、みじめなアーサーはまたおかしくなる。

 その後の展開は衝撃で、やはりアーサーはジョーカーではないなあと思った。危害を加えた男が、次のジョーカーになるのではと思うようなラスト。

 そう、ジョーカー3もありえるラストだった。多分アーサーは死んでいない。刺した男もジョーカーになるって展開にしたら面白いよね~と思いました。


 リーはある意味、著名な男性に寄り添って売名をしたい女に徹している。だからアーサーでなく、ジョーカーを愛した。でもアーサーは、リーからジョーカーとしてでなく、アーサーとして愛してほしかった。

 根本的なすれ違いがうまく映画になっている。

 リーは有名人としか付き合わないプロ彼女といってもいい。アーサーの母親を知っていた女性の証言はアーサーのジョーカーになりうる貴重なものだったが、それを聞いて苦悩するアーサーと、リーの邪悪な表情の対比が良かったなあ。二人とも違う意味で聞きたくないものね。

 ジョーカー:フォリ・ア・ドゥに出てくる一番の悪人は、リーがトップです。アーサーは負けています。でも二人で狂ってるのでフォリ・ア・ドゥで題名は全然間違ってない。


 演技では小人症のパドルス役が一番よかった。アーサーを怖がりつつ、アーサーのせいで不眠になったと愚痴も言いつつ、アーサーを案じて涙する。とても素晴らしかった。

 その後のアーサーの表情も微妙に変わってましたよね。きっと心に響くものがあったのでしょう。そのあたりの呼吸というか、これぞ映画の見どころだと思います。爆破などの派手なシーンも多いけれど、わたしはこういう心理劇みたいなものが刺さります。


 あと疑問ですが、刑務所の監視役の刑務官はどの映画でも肥満気味なのはなぜだろう……収監者の方が本来悪人のはずなのに、映画中では彼らの方がめちゃくちゃ悪役ぽいですよね。あれも演技なら素晴らしいな。

 というわけで本作はわたしは酷評しないです。素晴らしい映画だったと思います。続編も今から期待しております。



こちらの方は画像付き、動画付きです。(NOTEと連動しています)


https://note.com/1fujitagourako1/n/ne5556848dd4e

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