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転生しまして、現在は侍女でございます。  作者: 玉響なつめ


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 あれから数日後――ハンスさんは自由になったからちょっぴりはっちゃけて、ついつい自分と同じ名前の少年に情を見せた結果、奔走しているようです。


(……人がいいのも、考えものねえ)


 もしかして自分もあんな風に見えているから、いつもヒゲ殿下とかに心配されていたんでしょうか?

 私はあそこまで優しくないと思いますけど!?


 それに、ハンスさんがハンスくんに甘いのってのには、やはり事情があると思うんですよ。


 ハンス(・・・)って名前は、実は珍しくありません。

 

 何故ならばあっちのハンスもこっちのハンスも三男坊以降につけられる、ぶっちゃけ〝よくある〟名前なのだ。

 無難って言うか、なんていうか……まあ、そんな感じですね。


 では何故、三番目以降に多いのか?

 それは継承権によるものなのです!


 だからこそ、一番目の名前……対外的に使われるその名前を父親が名付けする際はいろいろと派閥、同年代にどこの子供がいるのか、王族は被っていないか……そうしたことを事細かに調べ、願いを込めるのです。

 二番目の名前は母親がつけるのもありますが、こちらの方が自由度が高いんですよね。


 なので、長男・次男はわりとしっかり考えられるのに対して、継ぐものがない三男以降というのはかなりシビアな立ち位置です。

 そのため野に下った後でどこでも(・・・・)違和感のない名前がつけられる……という話を聞いたことがあります。


 ハンスって名前はこの国の男性名で言えば、貴族や富裕層で多めの名前って感じですのでね。

 爵位なしの貴族、文官、なんだったら裕福な商人などでよくお見かけする名前なんですよ。


 まあそういう理由もあってハンスさんは〝ハンスくん〟にどこかで同情しているのでしょう。


 現状、聞けば聞くほど……ハンスくんって、あまり才能豊かな少年ではないよう、なので……。


「ハンスが甘い顔をしてやる理由はないんだ。親が決めることだろう?」


「それはそうなのだけれど」


 その点、アルダールはドライだよね!

 まあ、アルダールからしたらハンスくんは見知らぬ子なわけだし、当然と言えば当然。

 しかも王城内で騒ぎを起こしたって聞いて、いい印象を持てないのも当然のこと。


 ただまあ、それでぐったりした様子を見せられて心配しているってわけです。


「で、結局どうなったの?」


「……その次男と三男の間で特に喧嘩になることはなかったようだけど、今後ハンスに泣きついたあの少年は領地の方で領軍に入り一から鍛え直すことになったそうだ。それも、次男が」


「へえ。まあお兄さんが多少思うところがあって厳しくしたとしても、自業自得と諦めるしかないわね」


 もしバルトチェッラ侯爵家の次男くんが何事もなくお見合いできていたら、そこそこの人事は得られたに違いありません。


 次期王女宮筆頭、いずれは王女殿下の輿入れにもついていく才媛を妻にした男となればそれ相応のポストをバウム家としても用意するでしょうし、バルトチェッラ侯爵家だって持参金を持たせて送り出したことでしょう。


 そこには子どもの幸せを願う親の気持ちと同時に、王室への繋がりや宮中伯という特別な立ち位置にあるバウム家と縁づける、大きな一手でもありましたから。


 それらが全部、スカーレットを口説く前にパアですからね!


 いや、本当にそう考えるとバルトチェッラ侯爵は不憫ですよ。

 スカーレットにアプローチかけさせる前に終わっちゃったんですもの。

 侯爵家同士で顔見知りだし、どうかな~って話す前段階でしたものね……。


「まあハンスはハンスで、よその家庭の問題に首を突っ込んだってことでレムレッド侯爵に随分と絞られたみたいだ」


「あらあら」


 そっちも妥当っちゃ妥当ですね!

 いやあ本当に貴族社会って大変……。


「……そういう意味でうちは平和でありがたいなあ」


「ああ、でもレムレッド侯爵がそのうちユリアに接触するかもね。ハンスの件でお詫びを言ってくる感じで」


「え! 要らないけど!?」


 心の底から要りませんけど!?

主人公、ハンスを通して「人がいいと周りに逆に心配される」を見てしまうの図。

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……なんとか次男くんに救済を……不便すぎ(/_;) でもそれを三男の救済にして欲しくもないけど…… 悩みます……って読者が悩んでも意味ないけど^^;
そろそろスカーレットの親御さんがまともに登場してきてピジョット家もからんでユリアさんがまたどうしましょうになるのではとわくわくしてしまう。 なかなか結婚までいかないがすでに熟年夫婦みたいになってる二人…
そりゃまあ、そうしなきゃいけないよなってトコではありますけど ハンスさんもこの年齢で父親から絞られるっていうのは、なんとも言えないものありますね ドンマイ
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