表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生しまして、現在は侍女でございます。  作者: 玉響なつめ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

620/648

617

 さて……あれからフレーバーウォーターの進捗はと申しますと、非常に好評でおしゃれだと話題になりまして。

 まあある程度フルーツのカットの仕方とか、よりおしゃれ感を出すには……? みたいな工夫も重ねたんですけどね!


 なんせ主流は紅茶ですもの。

 つまり器が問題なのです。


 庶民なら空き瓶に入れたものを直接……でもいいでしょうが、さすがに高貴な方にお勧めするならグラスになるわけですよ。

 まあ料理やワインといったお酒用のグラスは存在しますので、そちらを用いれば良いことは事実。

 フルーツジュースなどでグラスも使いますしね!


 ただそちらの場合は細身のものが多く、ならフレーバーがついた水だけ入れてかといってじゃあレディーたちに供するのにお酒用のグラスを真っ昼間からというのも優雅さに欠けるのでは?

 それに飾り用のフルーツも美しく見せたいよね!


(それにしても喜ばれたのは嬉しいけど、果物についてはどうしようかしら)


 私がいくつかのフルーツをちょうどいい感じに凍らせて、氷代わりに使ったのがとてもウケたんですよね……。

 でもあれって私の弱ーい魔力のおかげで食べられる程度にちょうどよくフルーツが凍るだけで、他の人がやると氷の中に果物が閉じ込められるだけだから……。

 むしろ氷のサイズがとんでもないことになる場合もありえますからね!


 こういう小技を使う時にはやっぱり魔力があまり強くなくてよかったなと思います。


 だって凍らせた苺を口にして嬉しそうなプリメラさまのお顔を見られるのは私の特権ですものね!!

 とはいえ他に代用方法がないかとビアンカさまにも聞かれていますし、氷……氷ねえ。


(園遊会でも出したらどうかって王太后さまも仰ってくださったけれど)


 あんな大規模な会の分、フルーツを凍らせるのはどう考えても無理です。

 それに私は筆頭侍女としての仕事もありますし、かといって料理人たちはどうかっていうとアイスでさえ今のところ上手くやれる人はあまりいないって状態で……。


 いや私の魔力どんだけ弱いの!? って膝から崩れ落ちそうになったのは内緒ですよ!!


「ユリアさま、園遊会の参加者名簿はこれで確定だそうですわ!」


「ありがとう、スカーレット。……今年もそうそうたる顔ぶれね」


 国内外の有力貴族、豪商と言われる人々。

 その中には見覚えのある名前がいくつもあります。


(……リジル商会は、会頭夫妻。まあそりゃそうよね)


 ミュリエッタさんと顔を合わせずに済むとわかって、少しだけホッとしてしまいました。

 いえ、彼女もわざわざ私に絡んでくることもないでしょうが……あの日記を読んだ後に彼女の姿を見たら、なんとも言えない気持ちになってしまいそうでしょう?


「さすがに今年はモンスター騒ぎとかはないですよね……?」


「あってたまるもんですか!」


 メイナが震えながらそんなことを言えば、スカーレットがムッとした表情を見せました。

 ああ、昨年は大変だったものねえ……と私も思わず遠い目をしてしまいましたよ。


 去年は隣国も含めた思惑の中で大騒動が起きましたが、さすがに今年は厄介ごとは起きなそうだと王太后さまから事前に伺っております。

 さすがにそのことをこの子たちには語れませんが……っていうか王太后さま、どこからどこまで情報を掴んでおいでで……?


「まあ、あんなことはそうあるものではないわ。それに昨年のことだから、今年は警備態勢もより考えられているはずよ。だから貴女たちは給仕に専念することだけを考えて。いいわね?」


「はい!」


「承知いたしましたわ!」


 後輩二人の笑顔に私も思わずにっこりですが、ふと手元の招待客の中に厄介な人の名前を見つけて眉間に皺が寄るのを感じました。


 それはシャグラン王国のバルムンク公爵――そう、つまり、脳筋公爵の名前ですよ!

 いやいてもおかしくはないっていうか、あって当たり前の名前ではあるんですけどね!!


(……待って、バルムンク公爵夫妻ってあるわ)


 ってことはあの脳筋公爵の奥さまが!?

 本当に存在したんだ!?

 いやいるのは知っていましたが……あの人が以前言っていたような、愛人を迎えても許してくれる心の広い女性って……。

 

 そんな女神みたいな人、本当に実在するんですかね……?

現在新作の『主人公の義兄がヤンデレになるとか聞いてないんですけど!?』も更新しておりますので、よろしくお願いしまぁぁぁす!!°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

https://book1.adouzi.eu.org/n7443kl/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらもよろしくお願いします!

魔法使いの名付け親完結済
天涯孤独になったと思ったら、名付け親だと名乗る魔法使いが現れた。
魔法使いに吸血鬼、果てには片思いの彼まで実はあやかしで……!?

悪役令嬢、拾いました!~しかも可愛いので、妹として大事にしたいと思います~完結済
転生者である主人公が拾ったのは、前世見た漫画の『悪役令嬢』だった……!?
しかし、その悪役令嬢はまったくもって可愛くって仕方がないので、全力で甘やかしたいと思います!

あなたと、恋がしたいです。完結済
現代恋愛、高校生男児のちょっと不思議な恋模様。
優しい気持ちになれる作品を目指しております!

ゴブリンさんは助けて欲しい!完結済

最弱モンスターがまさかの男前!? 濃ゆいキャラが当たり前!?
ファンタジーコメディです。
― 新着の感想 ―
某ダ○ヤさんの話でしたか、貴族の正妻が、〈第×夫人に来ないか〉と勧誘してくるという、庶民感覚だとホラースレスレな出来事が有りましたっけか。 そう言う事が発生したらウザいですね。 いや、もし割り切れたな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ