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武器マニア! ピーターの武器辞典 ~人類の始まりから幻想まで~  作者: ピーター


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○ 攻城戦の道具? 中華攻城戦!

 今回は番外編、主に中国で使われていた城を攻めるための道具というか、設備をとりあげていきます。


 武器じゃないじゃんって思うでしょう、事実ピーターもそう思っているんです。

 ですが、城を攻略するためには必須と言えるものばかり、有利なはずの防衛側を敗北に追い込むためにはこうした道具類が欠かせません。


 武器が揃っていても、深い掘、高い壁、飛び道具の雨、これらを攻略するのは用意ではありません。

 要するに、武器を活躍させるための土台を見てみようというのが今回の主旨でございます。


 それでは、レッツ攻城戦。

 攻め落としていきましょう!



◇◇◇


~エレベーター!?~

巣車(そうしゃ)


 現代のように空を飛ぶ乗り物がなかった、そんな紀元前のお話し。

 城壁があるだけで、その向こうは何も見えなくなってしまいます。


 もちろん、山に登るなどすれば見えるでしょうが、あまりにも遠すぎて、味方に得た情報を伝えるのも大変です。

 なら、簡単、上からみてやればいいんです。


 車輪をつけた大きな土台に、長い柱2本をとりつけます。

 そこに、牛の生皮を張り付けて補強した、小さな小屋を柱の間に配置して丈夫な縄で引き上げられるようにします。

 この小屋に小柄で視力が良い兵士を乗せて、みんなでヨイショと引き上げて使います。


 牛の皮はかなり丈夫な上、柔軟性もあるので、矢や石が飛んできても大丈夫。

 乗っている兵士は高い所から見下ろして、敵の動きや城壁の向こう側の構造を仲間に伝えて、攻略のための戦略をより効果的なものへと変更させていくわけです。


 攻城戦だけでなく、平たい場所での戦況を見渡すためにも使われていたそうです。



~木造マンション?~

衝車(しょうしゃ)


 破城槌の事を指す用語にもっているようですが、今回とりあげるのは違うものです。


 8個の車輪をつけた4~5層にもなる巨大な木造の台車です。

 木の骨組みと各層の足場で構成されており、表面は水で濡らした皮革(ひかく)で覆われているばかりか、火計対策のための水を詰めた皮袋までセットされていました。


 濡れた物を垂れ下げておくと、飛び道具を柔らかく受け止めつつ、重量で払い落してくれますから、見た目以上の防御力を発揮しますので、防御力はなかなかのものです。

 もちろん、様子をみたり、攻撃をするための小さい窓も設置されています。


 見た目は古い木造アパートみたいな感じだったことでしょう、でもこれ、動くんだぜ。


 衝車の第1層は動力部で床はありません、もろに地面です

 車輪の間には丈夫な丸太が渡されているので、これを押して前進します。体格が大きく力強い人達が配置されていたことでしょう。


 第2層以上は攻撃のための兵士が乗り込みます。

 前方に作られた隙間から槍を突き出し、火器や弓を撃ち出しながら前進させる訳です。


 敵の攻撃を防ぎつつ、城壁の上にいる敵兵や防衛設備の撃破を狙いますが、それだけではありません。

 衝車本体が城壁にたどり着いたら、各層にいる兵士達が乗り込みやすい高さの所から、一気に城内になだれ込むことがメインです。


 衝車1台が城壁に辿りついただけで、その城壁には侵入口ができるばかりでなく、その周囲の防衛設備が機能しなくなるため、一気に戦況が有利になりますね。



~堀の突破、摺疊橋(しゅうじょうきょう)塡壕車(てんごうしゃ)

 

 大きな城の回りには、(ほり)が巡らされていることがよくあります。

 壕と書いたりすることもあり、これを突破するための道具が摺疊橋と塡壕車です。


 中には水が入って侵入できなくなっているものもありますが、空掘だったとしても、降りたり登ったりは大変ですし、登っている途中に攻撃されてしまいます。

 それに1人2人が乗り越えた程度なら、中で各個撃破されてしまいます。


 ただ掘ってあるだけなのに、城の守りとしてはかなりの強靭さを誇る堀、こいつを突破するのが摺疊橋と塡壕車です。


 摺疊橋は掘に橋をかけるものとなります。

 「∠」の形に板を配置し、横棒部分に車輪を付けた設備です。

 上の斜めの部分が可動式になっていて、この板を延ばすと一本の橋となるように作られています。

 イメージするなら、180度まで可動する梯子車(はしごしゃ)ですね。


 まず、堀の淵までこの台車を押して行きましょう。

 当然、敵さんも攻撃をしてくることでしょうが、上の板部分が屋根替わりになるので攻撃も多少防いでくれますから、安心して手早く押していきましょう。


 堀の淵まで行ったら、上の板を稼働させて伸ばし、堀を越えた対岸に引っかけます。

 即席の橋が完成しましたので、後続の部隊に堀をとっとと超えて乗り込んでもらえるようになりましたね。

 さて、摺疊橋を押していった貴方は丸腰です、攻撃を防いでくれていた板は橋となって足元に伸びていますので、攻撃は仲間に任せて逃げるといたしましょう。


 続いて塡壕車ですが、これは堀を埋めるものです。

 こちらは「L」の形をしておりまして、摺疊橋と同じように横棒部分に車輪がつけられておりますが、縦棒部分は可動せず固定されており、完全な盾としてつかわれます。


 下の車輪が付いている台車部分には穴があけられており、土嚢のようなものを積み込んで準備完了です。

 摺疊橋よりはるかに重いのですが、頑張って堀の淵まで押して行きましょう。敵の攻撃は気にする必要はありません、縦棒部分の強力な盾が全て防いでくれます。


 到着したら敵の攻撃は無視して、下の穴からポイポイと乗せていた土嚢のような充填剤を堀に投げ込みましょう。

 1台ではダメかもしれませんが、数回繰り返せば、堀は埋め立てられて簡単に渡れるようになっています。


 後列の重装備の部隊に埋め立てられた堀を渡ってもらい、直接攻撃をしかけてもらえば難関であった堀の攻略が完了となりますね。



◇◇◇



 他にも、屋根付きの台車をみんなで押して、敵の城壁の近くまで迫れるようなものがあったり、破城槌も屋根付きで攻撃を防ぎながら攻撃できるようにしたり、防御しながら城壁や城門を突破する仕掛けが山盛りそんざいしています。


 どれだけ強力な装備があっても、集団対集団になる攻城戦では、1人が乗り込んでも意味がありませんね、敵の集団に囲まれて瞬殺されることでしょう。

 皆で一緒に突破するためには、こうした道具や設備が欠かせません。


 もちろん単身で城壁を乗り越えるような武器や道具も存在していますので、これらも組み合わせて、あの手この手で城を攻略していくわけです。

 籠城していれば、守りながら理想的なポジションで攻撃し放題になりますからね。


 攻撃側の立場では城を攻め落とすっていうのは、ものすごい大変なことなんですよ。

 もう、キャンプ場レベルの城壁だったとしても、攻める側はやりにくいったらありゃしない。

 石を転がすだけでも、死人がでるほどの攻撃になっちゃいますからね。


 守り側でも、攻められていると補給が滞ることになりますから、事前に城内に備蓄しておくことを求められます。

 食料だけじゃなく、武器に物資に人材に、お給料もばっちり支払えるようにしなければなりませんが、戦争中では収入も激減しているので、貯金はすごい勢いで減っていくでしょう。


 ……攻城戦ってのは攻めでも、守りでも、金がかかって仕方ねぇですな。

 守るも攻めるも、設備や武器を大量投入となるわけです。

ディ~フェンス! オ~フェンス!


 超デカイ堀なら、衝車を落としてやれば一発で埋まるんじゃないかな。

 とか思っているピーターです。


 こうした攻城戦の設備やアイテムは、武器ではなく兵器のように思ってしまう。

 直接攻撃するトラップでもないので、やっぱり番外編になっちゃう。


 次回はクリスマスまでに書く!

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― 新着の感想 ―
攻める側は、相手側の数倍の兵員が必要ですものね。今回のお話にあったような台車系の装置を使ったとしても、それを動かすのにかなりの人員が必要ですし、守る側も攻める側も大変です(゜A゜;)ゴクリ
車輪を付けてたから動くと言っても、現代の車のような サスペンションのような機構は当然付いてないだろうし、 地面もアスファルトのようなフラットでは無いだろうから 振動が凄かっただろう&スムーズに進まなか…
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