第185回 手杖剣 中国式仕込み杖
手杖剣
手杖劍
みんな大好き仕込み杖。
やっぱりあったよ中国式、と見つけて小躍りしている筆者ピーターです。
いやぁ、こういうの見つけると嬉しいですよね。
お前、武器マニアのクセに、これ知らんかったんか?
スミマセン、知りませんでした。
自分の知らない武器みるとニヤニヤしちゃいますね、調べたりするのスゲー、楽しかった。
解説するまでもなく、杖の手に持つ所を柄として、杖の中に刃を隠しておける隠し武器です。
武器を持って入っちゃだめだというところでも『これは杖じゃよ』と簡単に持ち込めますし、街中でも長旅をしているとか、足を引きずるような動きをしていれば杖をもっていても違和感はありません。
まさか堂々と武器を持ち歩いているなんて誰も思わないですからね。
しかも登場してきたのは中国は漢の時代だそうですが、前・後どっち?
紀元前202年~西暦220年という幅の広さ、う~んさすが中国、歴史が深いですねぇ。
では今回は、この手杖剣をみていきましょう!
◇◇◇
~やっぱりこれこれ!~
資料として残っているものでは、杖の頭は鳩のモチーフになっていたそうです。
年長者を敬う意味も込められているようで、杖を必要とする年代ともバッチリあっていますね。
柄の部分は木製だったそうですが、回りには金属で装飾が施されていることもあり、柄の部分も金属で出来ていたりするそうです。
鳩のモチーフも金属製なら、ここでぶっ叩くでも十分威力がありそうです。
握りとなる柄の部分があるので、普通に杖として使っていれば勝手に抜け出してばれちゃいますが、そんなことは無いように鞘部分は留め具が付けられています。
さすが、中国! ここの留め具の仕込みが見事なんです。
ボタン式になっており、ここをポチりと押すと、鞘部分が外れるようになっています。
みんな、豪華な装飾や細工に目が行くので、こうした仕掛けがあるなんて思いません、使っている人の年齢が高ければ、豪華な杖を持っていることも十分ありえますからね。
まぁ、こんな武器を持ち歩かないといけないなんて、高貴な方に違いありませんから、見た目といい、機能といい納得の作りです。
お値段も高かったことでしょうから、庶民が持ち歩けば違和感が強い強い。
タイプによってはバネが仕込まれており、鞘が勢いよく飛んで抜刀ができるようになっています。
なんて、ロマンあふれる機構なんでしょう。
柄の部分が飛んできても驚かす程度の効果しかありませんが、不意打ちの一手目としては十分。
顔面に飛んで来れば思わず目をつぶったり、避けたりする動作が入るので、抜刀済の手杖剣でスパッと、てなもんです。
変わったタイプとしては、杖の握り部分に短い刃が仕込まれているものもあります。
これは留め具を外すと、柄の部分がとれて、棒の部分を丸ごと握りにする単槍として扱うことができます。
体術や棍術と組み合わせると、剣とは違ったタイプの攻撃を繰り出すことができますね。
◇◇◇
~戦法、手杖剣~
バネがなくて、留め具の仕組みだけ入っているもので出来る戦法です。
まず、逃げましょう。
え? っと思うかもしれませんがいいんですよ。
もちろん敵が追ってきますよね、杖をついて逃げられる訳がないのにと思わせながら、かっこ悪く逃げればいいんです、こちらは体力や筋力が衰えて、杖がないと動けない哀れな存在と思い込ませましょう。
ほら、あっという間に追いつかれます。
こちらは杖がないと歩けないので、相手は足を止めるために杖を掴むことでしょう。相手が掴みやすい所へ杖を差し出してやってください。
はい! そこぉ!!
相手が杖を掴もうとしたときに、仕込みのボタンをポチりと押します。
杖が掴まれましたが、なんと相手が杖を引っ張って抜刀してくれたではありませんか!
なんて親切なんでしょう、相手はあまりにも軽い鞘の部分だけを思いっきり引っ張ったので、お相撲さんのはたき込みを喰らったかのように『おっとっと』とつんのめってくれました。
いやぁ、いいんですか? 切っちゃいますぜ?
体勢を崩して、抜刀までしてくれた、そんな親切な相手を切るなんて罪悪感があるかもしれませんが気にしなくて結構。
か弱い存在の頼りの杖を奪うような極悪人はですね、手杖剣の餌食になるのが、お似合いってなもんです。
だましたな!
いや、あの、そういう武器なんで……
多分、書いている時のピーターは超絶気色悪かったと思います、ニヤニヤしながら書いてました。
やっべぇ、楽しかった。
これを書いているのは12月
年末侵攻、防衛戦はすでに破られております。
頼りの仲間は…… 死ぬな! 生きろ!




