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case.17 『復讐』

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 ―――何で……何で何で……何でッ!?



「嘘……ですよね……?」



(主様が身代わりに……? 私がマノン様にしたと思ったことは全部主様が……?)



 ―――嫌……嫌だよ……。



(また、私は一人になるの? 一人ぼっちは、もう……嫌だよ……) 



 怖い。怖い。

 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。




「チッ……仕方ねぇ……か」



 何かを呟いたマノン様。

 しかし、そんな呟き、今の私に聞こえる筈も無く。



「オレの目的はな。―――そこの、魔王もどきを殺すことだったんだよ。最初っからなッ!!」



(え……? そんな……嘘……でしょ?)



 そんな事が、あっていいのか。

 嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ。



「あー……いいか? 今までオレは自分の事を話したことなんて無かっただろ?」



 ……確かに、この人はいつもバカみたいに叫んでるだけで……



「ずっと……あー、ずっとこの時を待っていたんだ。オレのスキルを誰かに話したのはこれが初めてだぜ? 言っておくが、これは・・・本当の事だ・・・・・ぜ?」


「一体……主様に……どんな……恨みが」



 そんな事をするのには、何か動機があるはずなのだ。

 震える声で、私はそれを聞いた。



「理由? 理由なんかねぇよ。たまたまってか…………あー、そうだな……」



 どう、したのだろうか。

 何故そこで悩むのだろうか。


 と思ったら、マノン様は続けた。



「あー……ただ魔王ってだけでムカつくからよぉ。どいつもこいつも偉そうにしやがって。オレを超える力を持つものだけが、オレを従えろってんだ」




 ……ムカつくから? 理由は無い?




 ああ、駄目だ。この人が何を言っているのか、本当に分からない。


 今まで、信じていたのに。


 でも、それももう、今この時をもって終わりだ。



 私は……。

 いや、私“も”隠していたスキルを、そして今まで使ってこなかったスキルを使おう。


 そうじゃないと、きっとこの人には―――




(勝てない……いや、殺せかてないから)






「―――『復讐リベンジ』」





 ―――グラッ……と、地面が揺れる。

 それに合わせて空も黒くなる。


 暗雲が立ち込めたこの空の下で、私は。




「へっ……ようやく見せやがったな……」




 またも“マノン”は、何かを呟く。

 だが当然これも私の耳には届かない。


 もう、何も、届かない。




「来いよ……ッ! “電光石火ライトニングビート獣式ビーストモード”!」



 マノンは超高速で突っ込んでくる。

 だが……



「邪魔。消えて」



 私は手を横にはらった。

 たったそれだけだ。




「グルァァァァァァァァァァァァァァッ!」




 それだけで、勢いよく横に吹っ飛ぶマノン。


 


 ―――スキル『復讐リベンジ』。

 己の能力より能力が高い者と戦う場合に、自身の能力を限界以上に引き上げるスキル。


 一発一発の威力を、災厄級の物に引き上げるスキル。




 これが、私の『復讐』だ。




「ガハッ……。テメェ……オレにスキル『身代わり』があるって分かっててやったのか……?」


「―――煩い。スキル発動―――『悪夢ナイトメア』」



 スキル『悪夢ナイトメア』。

 その名の通り、相手にとっての悪夢を引き起こすスキル。


 これは、相手が“恐怖”を感じているときにしか発動できない。

 つまり、マノンは何かに対して恐怖を感じているのだ。


 その証拠に……



「おい……嘘だろ……? 何で……何でテメェが生きてる! 

 ―――“魔王”ッ!」



 “幻覚”……か。

 殺したはずの主様の幻覚が、今見えているのだろう。



「主様……もう、私を一人にしないでください……っ!」



 私の思いは通じることはない。

 幻覚は幻覚なのだから。


 現実には、目の前に倒れた主がいるのだから。



「マノン。貴女だけは許しません。貴女に本当の『悪夢』を見せてあげましょう……」



 心はもう、闇に……血に染まりきっていた。

 自分でも、もう引き返せないところまで来ていることは分かっていた。

 だったら、行けるとこまで行ってやる。



「アアアアアアア! クソガッ! 殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す! “電光石火ライトニングビート獣弐式デュアルビースト”!」



 技が進化してるみたいだけど。

 ……遅すぎて話にならない。



 もちろん動体視力も限界まで上がっている為、マノンがどれだけ速く動こうが、全く関係ないのだ。



 それに……



「戦いにおいて、焦りと油断は禁物ですよ」



 腕でマノンの突進を止めながら言った。

 そう。焦りと油断は、自分に隙を作ってしまうから。

 『悪夢』はそれを強制的に誘い出すスキルでもあるのだ。



「うるせぇ……! うるせェうるせェッ!! オレに指図をするなァァァァァァァ! ―――“咆哮雷ほうこうらい”ッ! ウルァァァァァァァアッ!」



 マノンがそう叫ぶと、ワタシの周りには雷が落ちる。僅かだが、電磁力も発生しているようだ。


 だが、そんな物。



「―――だから、無駄なんですって。“氷柱つらら五月雨さみだれ”ッ!」



 魔法を放つ。

 いくら『復讐』によって底上げされた能力値でも、獣化したマノンにダメージを与えることは出来ないと、分かってはいた。


 だから、目的はそれじゃない。

 魔法を使う理由は、最初っからただ一つ。



「それこそ無駄だって言ってんだろォッ!?」



 空から氷柱が降り注ぐ。“氷天”と似た技だが、少し違う。氷柱の形状や、威力……この技は、小さな威力で、大量に……という数で攻める技だ。




(目くらましには……ピッタリでしょう?)




「チッ……クソがッ! 前が見えねぇ……!」



 狙いはただ一点。

 マノンが怯んでいる間に、私は“それ”を抱え、壁の方まで走った。


 それは……



「主様……!」



 我が主、魔王ルミナス。



 だが主様は目を開けない。

 でも……でも、近くに来て、ようやく分かった。




 ―――主様は、生きている!




 息を、していたのだ!

 目の前に光が広がる。


 ああ、どうしてだろう。主様が生きていると分かっただけで、こんなにも世界が広がるのか。




 私は主様を地面に寝かせ、マノンを見据えながら言った。




「主様……待っていて下さい。あの化獣ばけものを今すぐ排除してきますから」




 私は誓ったのだ。

 主様の隣に居ると。

 主様を守ると。




 だから、絶対に負けない。


 もう、躊躇もいらない。


 主様みたいになるんだ。


 慈悲を、殺せ。



 対象を始末するのが、私のシゴト。




「初めての対象ターゲットは、貴女です。―――マノン」




▶ルインが職業“暗殺者アサシン”になりました。

▶職業固有スキル『変幻』を獲得しました。

▶スキル『死霊』を獲得しました。

さあ、復讐を始めよう。

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