閑話1 災厄降りし聖皇国
クソ短い閑話
『えー先日、魔王の襲来により聖城ラーゼが爆破されるという事件が発生しました。
今回の襲来により、発生した犠牲は数知れず、死亡者の中には我が国の重鎮ら30名以上が確認されており――――――』
拡声魔法や投影魔法による魔法技術の発達によって、この国《聖皇国ラーゼ》にも、現実世界における現代社会で、一家庭に一台以上は必ずや存在する、“テレビ”のような物が出回っていた。
値段は高いが、それでもただのラジオより映像がついている分、娯楽要素も多々に含まれており、値段以上の価値があると多くが取引されていた。
そんなテレビから、いわゆる“ニュース”が流れていたのだ。
それは、先日の大事件。
新たに誕生した魔王の襲来によって、数多くの政治の中心人物が殺されてしまった事。
これだけ聞けば、もちろん人殺しだ。
良くないこととして完結してしまうだろう。
しかし、この国では少し反応が違ったのだ。
「えー、私が当選した暁には―――」
「数々の悪事を成してきた国のウイルスは居なくなったッ! 今こそ我ら聖族の威厳を取り戻す時だッ!」
等という新たな選挙活動が始まりつつ、今までこの国で行われてきた様々な悪事が暴かれ始めていたのだ。
それは、魔王ルミナスが目指す理想の世界を築く為にも必要な情報の開示も含めて。
「聞きました? 奥さん」
「ええ、あの人たちも酷いことするわねぇ」
「そうですわね」
「「おほほほほほほほ!」」
こうした井戸端会議も開かれる始末。
では、何が暴かれ始めているのか、というとだ。
―――この国で行われていた悪事……それは、“魔族”を利用した『魔界の支配』、及び天使と悪魔の融合体を生み出す事。
主に世間を騒がせていたのはこの二つのニュースだった。
そしてその情報は、少しずつ国中に広まっていき、いつしか魔王はこう呼ばれるようになったのだ。
―――救世主様、と。
彼が忘れていた《聖皇国ラーゼ》の支配は、彼が気づかぬ間に完了していたのだ。
彼がそれを知るのは、またもう少し先の事になるのだが。
もしかしたらまだ増えるかも




