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case.11 聖城へ

今夜も綺麗ですね



「―――さて、と。そろそろ魔界に戻るとするか。ルシファルナも待ってるだろうしな」



 この国についてから、すぐアスモフィと戦闘に入ったから正直もう疲れたのだ。

 帰ってぐったりしたい。


 なーんて思っていたのだが……。



「ダメです! ダメですよ!」



 アスモフィに思っきり叱られてしまった。



「一応理由を聞かせてくれ…………何でだ?」


「戦う前にも話したでしょ! 魔族を無理矢理利用しているハゲオヤジをどうにかしないと! ……って!」



 あぁ……そうか。そんな話してたな。

 えっと……確か“皇帝エスペル”、だったか。



「もういっそのこと、この国ごとぶっ壊そうぜ」



 どうせ魔族の事を粗雑に扱う、勇斗達ゴミみたいなやつらと同じってことだ。それならぶっ壊しても問題ないだろう。



「いやいやいや! ダメだよ!? そしたら全勢力を以て魔界が襲われちゃうよ!?」



 む……ダメか。



「じゃあどうするんだ」


「ふふふ、おねえちゃんには考えがあるのです!」


「考え?」


「はい! 魔王様の力で国のお偉いさん全員を『支配』しちゃってください!」



 ええ……。

 俺も人の事言えた口じゃないが、何ともまあ適当な作戦だこと。



「なあ、それならぶっ壊すのも大して変わらないんじゃ―――」


「ダメです! ……と思いましたけど…………もうしょうがないですね。それならお偉いさんだけにしてくださいね!」



 それはいいのかよ。

 むしろ偉い方は殺さないほうがいいような気もするけど……。


 まあ、命令するのが面倒なだけで、別に『支配』自体が嫌ってわけじゃ無いんだけどな。



「まあ要するに、お偉いさんをどうにかしてしまえばいいのですよ!」



 なるほど。

 それなら、そいつらだけ消すか。

 それか“支配”するか。



 どっちにしろ、さっきのアスモフィ&マノン戦でかなり体力とかを持ってかれたから、正直もう働きたくないのだ。

 早速信念が曲がる感じで申し訳ないが、今回は適当にやりたい……気が強い。



 まあ、それでもだ。

 アスモフィの話が正しければ……というか今更疑ってなどいないが、とにかく魔族が悪利用されてるらしいからな。


 俺が動くのには十分過ぎる理由だ。

 適当だろうが真剣だろうが、助けるもんは助ける。

 そして根っこから改善させるんだ。



 その為に、俺はこの『支配』の力を持っているのだと信じているから。




「それじゃあせっかくだし、先に見ておきましょ? 敵の本拠地を」


「ん? ああ、そうだな。……了解だ。ルイン、マノン、お前ら二人はどうする?」



 俺は、暇そうに話を聞いていた2人に声をかける。


 するとマノンは、



「オレは行くぜ! どうせドカンとやるんだろ?!」



 と乗り気に答え、対してルインは、



「わ、私も行きます! 主様をアスモフィ様と一緒にさせておくと、何かと危ないですからね!」



 と、俺の腕にしがみつきながら言ってきた。


 ちょ……こんな不純な事考えたかないが、むにゅって……むにゅって……当たってるよぉぉぉぉぉぉ!?

 理性が、理性が…………落ち着け俺。落ち着け。


 俺は石像俺は石像俺は石像俺は石像俺は石像俺は石像俺は石像俺は石像俺は石像俺は石像―――



「……分かった。それじゃあ行くぞ」



 何とか、理性を保ったまま答えることが出来た。

 


「はい! じゃあおねえちゃんについてきてください!」



 そう言ってアスモフィは俺たちを引っ張って、とある場所へと向かうのだった。




(何とか……石像に…………なれ……たな)




 俺は密かに、ホッと胸を撫でおろしていたのは内緒だ。








「ここは……?」



 目の前には城。城があった。

 もちろん、街の外観を損なわない、白い城。



「はい到着☆ ここが聖城です!」


「せいじょう……」


「はい、確かに近くに居るだけで何か身体がピリピリします……」



 ああ、確かに言われてみれば。

 ルインの言うとおり、ピリピリと身体が痛い感覚がする。



「これは聖属性の魔法で、“結界”っていう厄介なやつなのよ。まあいわゆる“魔除け”ね」



 つくづく魔族を嫌う国だな。

 やはり生かしてはおけない。



「さて、ここまで来たはいいが、どうやって中に?」


「はい、そこ! いい質問です! それでは面倒なんで早速答えをお見せしましょう! ―――隠☆蔽!」



 アスモフィは指をパチン!と鳴らした。

 するとみんなの姿が見えなくなっていく。



「えっと……アスモフィ、解説求む」


「お任せあれ〜! これは、隠蔽系魔法の初歩的な魔法、“隠蔽ハイド”ですっ!☆」



 ……どうやら効果を聞くと、『視覚的に他人から見えないようになる』魔法とのこと。

 いわゆる、ただの透明化魔法らしい。


 ただしこの魔法は、同様に透明化している相手からは見えてしまうし、しかも魔術師のような魔力に長けた者からは見えてしまうとの事だったので、メリットがデカければ、その分デメリットも大きい物なのだと分からされた。


 十分に警戒した上での、潜入ミッションとなる訳だな。



「―――それじゃあ〜…………潜入開始ですっ☆」



 アスモフィのその言葉を合図に、俺たちは聖城の中へと入っていったのだった。






◆ ◇ ◆





「―――この国にネズミが紛れ込んでるようだな?」


「ええ……不覚にも侵入を許してしまいました」



 ハゲ頭のオッサン、皇帝エスペルは自らの私兵である“聖騎士団”の団長、リガーテに言った。



「はあ……侵入されてしまったモノは仕方が無い。リガーテ君、そのネズミを始末してくれ」


「はっ。仰せのままに」




 リガーテは動く。

 いくら憎いとはいえ、皇帝エスペルの頼みだ。

 やらなければこちらが“殺”られてしまう。


 だから動く。



 魔族ネズミを始末する為に。




(父さんの、為に。)

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