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case.8 【色欲】の大罪アスモフィ(2)

よ!よ……よ!よ!!




「それじゃあ―――勝負開始ゲームスタート……!☆」



 アスモフィによる開始宣言で、俺たちの戦いが幕を開けた。



 もう一度おさらいしておくと、この戦いの目的はアスモフィを魔王軍なかまに引き入れること。

 別に敵対しているわけではないのだが、何故かアスモフィ本人の提案で戦うことになってしまった流れだ。



「オラオラァ! とりあえず開幕祝いだァ! “爆発炎魔エクスプロージョン”ッ!」



 ―――チュドーン!

 闘技場バトルフィールドをマノンの爆発魔法が襲った。


 どうやら魔法を俺たちに当てる気は無かったようで、ただ黒煙が辺りを埋め尽くしただけだった。



「……ゴホッ、ゴホッ! ルイン、無事かッ!」


「はい! 大丈夫です!」


「よし、それじゃあ作戦通り頼んだ!」


「了解しました!」



 俺の指示で、ルインは黒煙の中へと飛び込んで行った。

 ルインが狙うのはマノンだ。



「ヘッ! ルインはオレんとこに来るってわけかッ! いいぜ、かかってきなァッ!」


「全力で行かせてもらいます……ッ!」



 そうして、マノンとルインの戦いは始まった。

 残されたアスモフィは、俺の方を見ると、舌をチラッと見せて笑う。



「ふぅん……わたしの相手は貴方なのね?」


「ああ、アスモフィ。俺の力、とくと味わってもらうぞ!」


「ウフフ、期待しちゃうわ!」



 クソ……口調はゆるふわなのに、コイツを前にするとすげぇ萎縮してしまう……。


 なんていうか、威圧感というか……

 とにかく、そんな物が目の前に広がっているのだ。



「―――“電撃ライティング”!!!」



 俺の先制だ。

 雷魔法の“電撃ライティング”による攻撃。


 だが、


「はいはい! おねえちゃんにはそんな攻撃効きません!」


 アスモフィは手に持つ杖でちょん、と魔法に触れた。

 するとたちまち魔法は消えてしまったのだ。



「クソ! ならこれでどうだ! “炎天えんてん”!!!」


 さらに追撃。

 天から降り注ぐ炎の弾丸。


 しかしこれも……



「無駄でーす!☆ 消えちゃえ〜!」



 今度は触らずに、魔法を消してしまった。



(……魔法が、通用しない……?)



 そんな訳、あるはずが無い。

 そう思って俺はさらに魔法で仕掛けた。



「“雷光サンダー”!!」


「無☆駄」



 しかし、どんな魔法を撃っても消されてしまう。



(……ならやはり魔法を打ち消す能力が……? それともあの杖に何か秘密が?)



 原理は分からない。

 だが、分かっているのは魔法が通じない相手だと言う事。



(それなら……ッ!)



 思考を一転して切り替えた俺は、意識を集中力させて、魔力の剣を生み出した。

 どうやらこれは簡単に出すことか可能ならしく、ひとまず“魔刃”同様、“魔剣”と名付ける事にした。


 魔(力で構成された)剣、だな。

 決して伝説とかに出てくるようなアレではない。



「あら、今度は剣なのね」


「ああ、魔法が駄目なら物理で近接戦だ! ―――“飛剣ひけん”ッ!」



 そう叫んで、俺は飛び出した。


 “飛剣”とは、跳び上がってから高速で相手の前後を斬りつける技だ。

 縮地との併用で、高速化が可能となっているのだ。



「魔法が聞かないなら物理で……って、単純な発想ね。―――ま、全部無駄なんだけど」


「フッ……!」


 一閃。

 俺の剣はしっかりとアスモフィの……




 ―――杖を凪いでいた。




「きゃっ……、ま、まさか杖を……?」


「コイツを喰らうといい! ―――“招雷しょうらい”!!!」



 杖を失い、態勢を崩したアスモフィに、俺はすかさず魔法を撃ち放った。



 招雷とは、以前使った“壁雷”とは逆の効果を持つ魔法である。

 自分以外の、一定範囲内の内側に、まんべんなく雷を降らす魔法。


 もちろん、その範囲の中にアスモフィは居た。


 

「キャァァァッ!!」



 魔法が直撃し、アスモフィはダメージを負っている様子だった。

 と言うことはつまり、魔法を消していたのはあの杖―――



「―――なーんてね☆」


「え…………っ?」



 アスモフィは何語も無かったかのように、自らの服をぱぱっと払い、杖を拾った。



「……はぁ、つまらない。つまらないわよ」



(……? 何だ、アスモフィの雰囲気が……)



 声色が変わったというか、オーラが変わったというか……。

 一体、どうし―――



「―――貴方さっきから無駄だって言ってるのに魔法、魔法、魔法……ッ! 無駄だって言ってるでしょうがッ!」


「……ッ!」



 一気に、態度が豹変した……?

 どうやら、こっちが本性らしい。



「もういいわ、呆れた。貴方に私は倒せない。いいこと? これが魔帝八皇の力よ! ―――“死歌トゥルー”!」



 彼女は魔法を唱えた。

 しかし、何も起こらない。


 魔法は、失敗したのだろうか。



「うふふふ……」



 しかし、俺の考えとは裏腹に、彼女には余裕が見られる。

 ということは―――



(何か……来るッ!)

 


「そろそろ……ね」



 俺が身構えようとした、その時。

 アスモフィがそう呟いた、瞬間だった。



「―――グアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!」



 痛ッ……い……!?

 身体の内側から、蝕まれていくような痛み……!



「貴方にそれを、回復する手段はあるかしらねぇ?! それ、放置してたら死ぬわよ?」


「な……ッ!?」


「まあ素直に負けを認めて、私の下僕になるなら回復してあげるけど……」


 ペロリと舌なめずりをして、笑みを浮かべるアスモフィ。



(クソ……このまま負けてたまるか……ッ! 何か……何かないか!?)



 焦った俺はステータスを咄嗟に開いた。

 こういう時、何故か俺はステータスを開いてしまう。



(何か……スキルは…………って、これは!?)



▶レベルが1上がりました。

▶新たなスキルを習得可能です。選択してください。


 ⇒『腐化アンデッドモード

 ⇒『侵蝕アシッド

 ⇒『病治癒ヒーリング



(……また、新しいスキルかよ……!)



 だが、見た感じこの並び……使えそうなスキルしか無いぞ……!

 問題はどれを選ぶか……だが……!



「う……ッぐ………ァァ……」 



 痛みがもう……限界だ……!

 早く……選ばないと……!



 冷静に考えれば、一番下の『病治癒』が一番良さそうに見える。

 だが、もしこの痛みが状態異常とかでは無くて、スキルで回復できない系の物だとしたら…………


 そう考えると、今度は一番上の『腐化』が良さそうに見える。

 しかしこれはどんな代償があるかも分からないし、自分がどうなるかも分からない。

 いわば諸刃の剣、賭けみたいな物だ。



 そうなると俺が選ぶべきなのは―――





 



「さて、アスモフィ」


「あら……? 痛みは?」


「フッ……もう消えたよ」



 痛みは、綺麗さっぱり取り除くことができた。

 さあ、ここから反撃と行こうか。



「もうその技の対策は出来た。後は、俺が反撃するだけだッ!」


「言ってくれるじゃないの……! いいわ、受けて立つ! 貴方が私たち魔帝八皇に敵わないってこと、その身を以て思い知らせてあげる!」





▶スキル『侵蝕アシッド』を習得しました。

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