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case.3 【傲慢】の大罪ルシファルナ(2)

忘れてないですよ?



「“炎天えんてん”!」



 開幕早々、俺は早速魔法を放った。


 “炎天”は名前の通り、“そら”から“炎”を降らす魔法だ。

 “○壁”シリーズと一緒で、この魔法も“○天”といった具合に属性ごとに魔法が存在している。


 ちなみに、こういう知識はスキル『魔道マジック』の効果の一つで得ることが出来ている。

 魔法が使えるのも、知識を手に入れられたのも、スキルのお陰だ。



「さて、どれほどの物か―――」



 ルシファルナは俺の放った魔法を、一身に受け始めた。

 多分俺の魔法が弱いと思って、受けきれると考えたのだろう。


 ……まあ、実際に弱いのだが。



「なるほど……威力は確かに―――」



 近接戦に持ち込まれると面倒だ。

 俺には近接用の技や武器が一切無いからな。



「ですが、やはりその程度の実力では魔王とは認められないですよ……ッ!」



 距離を詰めてきた……!

 ここは、目くらましを……



「―――“閃光”!」


「効きませんよッ!」



 俺の放った“閃光”は、辺りを一瞬だけ光らせて目くらましをする魔法。

 なのだが、ルシファルナはそれをもろともせず、光の中を突っ切ってきた。



「―――喰らい尽くせ、鷲獅子グリフォンよ!」


『GRYAAAAAAAAAAAAA!!!』



 チッ……またコイツか!

 翼を持つライオンのような獣。


 よく見るようなグリフォンが現れて、俺に襲いかかって来る。



「“電撃ライティング”ッ!」



 俺は咄嗟に電撃を撃ち放ち、何とかグリフォンを消し飛ばした。

 どうやらルシファルナの呼び出す……(あれは幻なのか分からないから仮に幻獣としとくが)……その幻獣はわりかし脆いようだった。



(飛行タイプに電気タイプは効果抜群、ってね)



「フン、それなら次は―――獅子よ!」


『―――グルルルル…………』



 今度はライオン……か。

 コイツはあれか? 召喚獣で戦う感じなのか?


 一応、幻獣と仮称しておくが……。



『ガァァァァァッ!』



 って……呑気に考え事してる場合じゃないか……!



「“炎弾ファイアバレット”!」



 俺は迫りくるそのライオンに対して、前方に勢いよく炎の魔力弾を撃ち込む魔法、“炎弾”を使った。


 やはり幻獣は脆いようで、すぐに消えてしまったのだが―――



「―――風よ切り裂け……“風刃エアスラッシュ”ッ!」



 幻獣を目くらましに、今度はルシファルナ本人が魔法を放ってきた。



「んな……ッ!」



 幾つかの目視できる魔法の刃。

 それが俺の目の前まで迫ってきている。


(ただで、やられてたまるか……ッ!)



「―――“魔刃”ッ!」 



 刃が当たる直前、俺は何とか気合いで“魔刃”を撃ち放ち、それを相殺させる事に成功した。


 と、その瞬間だった。




▶レベルが1上がりました。

▶新たにスキルを習得可能です。選択してください。


 ⇒『剣術』

 ⇒『格闘術』

 ⇒『弓術』

 ⇒『魔術』



(レベルが上がった……!?)



 突然現れたステータス画面に驚きながらも、俺はその現れた画面を覗き込んだ。


 そこにはレベルか上がった事と、そして新たなスキルを習得出来ることが書かれていた。



「戦闘中に、よそ見をするとは……ッ! ―――風よ撃ち抜け、“風弾エアバレット”!」 


「クッ……! “炎弾ファイアバレット”!」



 しかしルシファルナが俺のステータス確認を邪魔して来た。

 すぐに思考を切り替えた俺は、奴の放った魔法を、先程同様、同種の魔法で打ち消した。



「フム……魔法の技量は流石魔王と言ったところでしょうか」


「ああ、お褒めに預かり光栄だよ」


「しかし、それでは魔法が封じられたら―――どうでしょうかね?」



(……ん?魔法が、封じられたら……?)



 良くない気配がする……。

 早い所、スキルを選択して習得しないと!



「“言霊師”の本領、見せて差し上げましょう」



 どうするよ……俺!

 『剣術』に『格闘術』、『弓術』に『魔術』だろ……?


 『魔道マジック』のスキルは持ってるから、『弓術』と『魔術』のスキルは除外するとして……



「―――“【言霊】魔法封印”」


「え……?」



▶スキル『魔道』が、状態“封印”になりました。



 ―――状態“封印”……スキルが使用できない。




 おいおいマジで魔法を封じられたのか……!

 クソ、もう悩んでる時間も無さそうだ!


 こうなったら直感で―――



(『剣術』を選択する!)



▶スキル『剣術』を獲得しました。



 おお、そんなにあっさりと…………



「フッ、これで貴方は魔法が使えなくなったと思いますよ」


「ああ、どうやら……本当にそうみたいだな」


「これで、ようやく近接戦に持ち込めます。それでは―――行きますよッ!」



 ルシファルナが駆け出した。

 あれ……これヤバくね?



「―――“魔刃”!!」



 俺は危機感を感じながらも、その手からは“魔刃”を放つことしか出来ない。



「フッ、その技はもう見切りましたよ!」



 そう言いながらルシファルナは華麗に俺の放つ“魔刃”を避けていく。


 だんだんと距離が詰まる俺とルシファルナ。



(クソ……折角『剣術』のスキルを覚えたのに、肝心の剣が無いんじゃ、どうしようも……)



「―――これで、チェックメイトです」



 ルシファルナは一振りの剣を引き抜き、それを構えた。

 直後、高く飛び上がったルシファルナは、そのまま刃を俺に向けて振り下ろす。



(……ッ! こんなあっさりと負けちまうのかよ……俺!)



 ただ、顔を腕で覆い、守ることしか出来なかった。

 死の恐怖と、敗北の悔しさ、そして恥。


 色んな感情が、一瞬で俺の頭の中を渦巻いた。



「ハァァァァァァッ!」



 もうじき、刃が当たる。



(俺に、剣を準備しておく周到さがあれば―――)



 ―――ガキイィィィィン…………!




 剣が当たり、俺の負けが確定したと思われた、その瞬間だった。


 辺りに、金属の打ち合うような、斬撃音が響いたのは。



「何……だと?!」



 俺は、恐る恐る腕をどける。

 すると、何かを手に握っている感触があった。


 これは―――



「魔力で出来た、剣だと……!?」



(魔力の、剣……?)



「ふ、フン。ですが、剣の技量では私の方が上のはず。それならば―――」



 な、何だか分からないが……助かった、んだよな?

 それなら……このチャンス、有効活用させてもらうぜ……ッ!



「来い、孔雀よ!」



 と、ルシファルナはまた別の幻獣を呼び出して来た。

 孔雀……それもかなり大きい個体だ。



 さあ、新たに獲得したこの『剣術』スキルで、その孔雀を屠ってやろうじゃないか。




 ―――不思議と剣に対する恐怖感は無い。

 何故なら、俺は完全に中二病を拗らせていた中学2年生の頃、剣に憧れて剣道部に所属していたから。


 ……それに、模造刀だって買っていたから。


 今思い返すと、恥ずかしい思い出だが、それでもこうして今に役立っているのだから、後悔はしていない。



「切り裂いてやるッ!」



 俺は右手に握っていた、その紫色の魔力で出来た剣を、そのまま横に振るう。

 そして、突っ込んできた孔雀を切り裂いた。



「剣も……出来るのですか……ッ?!」


「驚くのはまだ早いぞ」



 速攻だ。

 悪即斬だ。



 距離を詰めて、一気に勝利を狙う!

 この勝機、逃してたまるかッ!



「なっ……!」



 俺は、『剣術』スキルの基礎技能である“縮地”を獲得していた。

 これは、地上にいる時のみ使える技術で、高速で相手との距離を詰めたり離したりする事のできる技なのだ。



 そして今、その“縮地”を使って、ルシファルナとの距離を詰めることに成功した。



「“強斬パワースラッシュ”ッ!」



 そのまま俺は、ルシファルナの眼前で剣を横に振るった。



「グッ!」



 技をまともに喰らってしまったルシファルナはその場に膝をついてしまう。



「ようやく、隙を見せたな……ッ!」



 俺はそのまま、左手をルシファルナにかざしながらそう言った。



「これが、俺の答えだ」



 さあ、終わらせよう。

 俺が、魔王であることの、証明の戦いを。



 ―――俺が魔王であることを証明する、このスキルで。




「―――さあ、お前も我が傀儡くぐつとなれ!」



▶スキル『支配ルール』を発動します。




ブクマと高評価で喜ぶ単純な男です♂

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