case.1 魔界へ
よ!一日ぶり?
俺の名前は、ルミナス。
元は三雲翔一って名前があるけど、この世界では俺は“魔王”ルミナスだ。
そんな俺はなんやかんやあって、今現在、俺の隣を歩いている少女、ルインと出会う。
そしてさらになんやかんやあって、ルインと共に、この世界を『魔族が虐げられない世界』にすることになった。
魔族が虐げられない、と言っても俺は魔族を詳しく知らない。
だから、色々あって今は《魔界》なる場所に向かっている訳だ。
ちなみに、ルインに今の魔界について話を聞いてみると、分かったことはこんな感じだ。
一つ、魔界へ行くには、魔族の力が必要である。
二つ、今魔界を治めているのは、『魔帝八皇』と呼ばれる各職業のトップに君臨する者達であること。
ちなみにおさらいしとくと、この世界大きく分けては8つの職業が存在している。
・戦士
・騎士
・魔法使い
・弓使い
・僧侶
・呪術師
・言霊師
・暗殺者
というこの8つである。
それぞれのトップクラスの実力を誇る8人が今の魔界を支配しているらしい。
それが、『魔帝八皇』なる存在なんだとか。
ああ、ちなみに。
俺が『支配』していたあの転生勇者たちだが、アイツらは始まりの洞窟に捨ててきた。
そして、俺の消されたスキルについてだが……。
流石に、攻撃手段が“魔刃”のみというのはやはり心細く、いざという時にルインが守れないのは困るので、再びミミや真奈美に指導してもらって、何とか再習得する事が出来た。
一度消えた『魔道』のスキルだが、まさかすぐに帰ってくるとは思わなかった。
まあ、結果オーライだな。
やっぱりこの世界、何かとガバガバと言うか、都合がいいと言うか……なんともまあ、チョロい世界だ。
「あ、そろそろ大丈夫ですかね」
と、そこで突然ルインは立ち止まって、そう言った。
しかしそこは、何もない森の中。
洞窟を抜け出て、ずっと森の深い方へと進んで行っていたので、流石に俺も疑問を浮かべた。
「なぁルイン。本当にここなのか?」
「はい! ちょっとお待ちくださいね!」
そう言ってルインは、何か呪文のようなものを口ずさむ。
何だろう、俺には聞き取れなかったけど……
「―――開け、“魔界之門”!」
すると目の前に現れたのは、黒い扉。
……が開いていて、中が紫色の渦みたいになっている、よくあるワープ扉みたいなやつだった。
「これをくぐれば、魔界に行けますよ!」
「これを…………分かった」
初めての、ワープか。
ちょっと緊張するけど―――
と、俺がソワソワドキドキしていると、ルインが躊躇いなく扉をくぐった。
ルインが行ったんだ。
俺も腹をくくって行かねば……!
そう覚悟を決めて、勢いよく扉をくぐった。
すると―――
「―――曲者だ! 曲者だ! 殺せ! 殺せ!」
「ッ!?」
まさか攻撃が飛んでくるなんて、思ってなかった。
背後からの奇襲。
数は2人。
武器種は剣のみだ。
落ち着け、冷静に考えろ。
これくらい、対処してみせるさ。
俺は自分自身にそう言い聞かせると、手をかざして魔法を放つ準備をした。
そしてそのまま魔法を放つ。
「―――“壁雷”」
これは自分を中心に、雷の膜を張る魔法だ。
簡単に言えば、これは属性のバリアだ。
炎や水、風や闇なんかにもこの技はあるみたいだな。
と、そんな俺の張った壁に襲撃者はぶつかった。
「うわあああっ!!」
「痛い! 痛い! 助けて! 助けて!」
そこで俺はようやく襲撃者の顔を確認する。
するとそれは、小さな悪魔たちだった。
見た目は……まあ何というか、ゲームによくいるような見た目をしているな。うん。
人型で、小さな羽と尻尾があって―――
って、そんな事よりだ。
「おいお前ら、どうして急に襲いかかってきたんだ」
「うるせぇ! 部外者は黙ってろ!」
「助けて! 助けて!」
まったく教育がなってないな。話を聞くことすらできないのか?
そう思い、悪魔たちに近づこうとした瞬間だった。
「―――“鷲獅子”よ」
『GRYAAAAAAAAAAAAA!!!』
「……ッ! またかよッ!」
再び奇襲だ。
「クソ! “炎壁”!」
今度は魔法で炎の壁を作った俺は、突如背後から迫ってきた、文字通りグリフォンの突進攻撃を何とか防いだ。
「“閃光”!」
さらに俺は間髪入れず魔法を行使する。
閃光……これは単なる目くらましの魔法だ。
と、そこで俺のもとにルインがやって来た。
「大丈夫ですか、主様!」
「ああ、何とかな。それにしても魔界の連中は皆こんな好戦的なのか……?」
「いえ、そんなはずはないのですが……」
一体、何なんだ。
突然、襲われて、襲われて……。
魔界恐怖症になりそうなんだが。
すると突然、俺は声をかけられた。
「―――貴様は、何者だ。敵か? 味方か?」
声のする方を見ると、目の前から一人の男が歩いて来る。
見た目はイケメン、高身長、金の長髪。
まあつまりイケメンだ。イケメン。
「……そう言うお前は誰なんだ?」
強気にも俺はそう返した。
すると、
「私か? 私は―――
《七つの大罪》。その内の一つ、【傲慢】の大罪を受け継ぎし“言霊師”の頂点に君臨する《魔帝八皇》が一人、名をルシファルナという。
さあ、次は私の質問に答えてもらうぞ。不審者―――」
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