新一とカオスとゴッドと競馬場(1)
久しぶりの賑やかな競馬場である。真琴は喜びを隠せない。
新一とカオスと一緒に来る競馬場である。今回はゴッドも加わり、4人である。
「よし、じゃあいつも通り、私はナリタブラリアーンに賭けるわよ」
真琴は言う。
「あれ、確か僕は、ディーポインパクトっていう馬でしたっけ?」
「そうそう、ディーポ・カオスとか言っていたもんね」
新一がカオスに相槌を打つ。
「いやでも、僕が何に賭けていたか忘れちゃったなぁ。何か数学者の名前だったような気がするけど。まぁ、いいや。当たらなかったことだけは覚えているから、別の馬にしよう」と新一が言う。
「みんな、馬を選んで賭けているんだね。じゃあ、僕は、っと」
ゴッドは真琴の持ってきた競馬新聞を読む。
「じゃあさ、ゴッド。このゴッドカメハメハとかいいんじゃない? あんたにぴったりの馬だよ」
新聞の裏から、真琴が言う。トップページでニュースになっている馬だ。
「あーぁ、いいですね。すごい名前ですね。じゃあ僕、こいつに賭けます」
ゴッドは笑顔で頷いた。
「あとは、新一ね」
真琴は、新一の方に目をやる。
「じゃあ僕は、今度はこのピタガロアにします。こいつもなんか数学者みたいですよね」と新一が言う。
「大丈夫なの?」と疑いの目を向ける真琴に、「大丈夫です」と新一は大きく頷いた。




