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黄金比の女〜統計学を制するものは確率を制する〜  作者: 幸田遥


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めぐりあい佳子

「あら、どうしたの? 涙なんか流して。負けたの?」


 真琴が目に涙を浮かべていると、後ろから声をかけられた。

 真琴の後ろに立っていたのは高村佳子である。一人で競馬場に来ているOL風のお姉さんである。


「いや、一応勝ったんですけど。なんだか、寂しくなって」

 真琴は涙をぬぐいながら、佳子の方に振り向く。


「あら、そうなの、何かあったの? 話くらい聞くわよ。私今、三連単が当たってすんごく機嫌がいいから」

 佳子は右手にある馬券をフリフリしながら言う。3−4−6の三連単の勝ち馬券である。



 真琴は佳子に色々とあったことを話した。


「そう、大変ね。だいたいアホな男子は困るわよね。失敗した時にどうなるかとか考えないのかしら」

 佳子は言う。

「そうですよね。私は友達としてここで一緒に競馬をしているのが楽しかったんですけど」と、真琴は悲しげに呟く。


「でも、いいじゃん。もてるだけ。私なんか最近、浮いた話なんてなーんにもないもの。だからこうして一人で競馬場に来ているのよ」

「そうなんですか」

「そうそう。ちなみに大学生?」

「はい」と真琴は頷く。


「何学部?」

「数学部の数学科です」


「あ、数学科なんだ。私と一緒だね。私も数学が好きで数学科に入ったけどね。大学時代はずっと勉強ばかりやっていたしね。今の職場も、堅苦しい男ばかり」


「あの、佳子さんは、何をしてらっしゃるんですか」と真琴が聞く。


「私は、今は税理士をやっているけど。アクチュアリーの資格も持っているわよ。あなたも数学科にいるんだったらとっておいて損はない資格よ。競馬よりもはるかに役に立つわよ」


「あはは、そうですか」

 真琴は苦笑いをする。将来は競馬で稼ごうとしていた自分の甘い計画を正論で論破された。

高村佳子さんをご存知ない方は、ぜひ、『ビッグデータを扱う数学者だった我輩は、気がつけば猫になっていた〜身につけた数学の知識は猫になっても役にたつ〜』をご覧ください。リンクはこちらです(https://book1.adouzi.eu.org/n2778ge/)。

猫ちゃんもついにランキング10位から落ちました。夢のような幸せな1ヶ月でした。


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