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そこに居たはずの誰かへ  作者: 作者でしゅ
六章 楽しい夏休み後編
46/83

8話 もうすぐ二学期

 詩さんのスキルです

 →はレベル1にしないとダメ。



〔闇明りのランタン〕


〖薄明〗

 半パッシブ。

 ランタン専用。

 白く光る。

 徐々にHP回復(大)。

 身体強化(中)


 手に持ってしばらく掲げると〖闇明〗に変化し、黒いローブをまとう。

 セットしていれば、ゾンビ・スケルトン召喚可能。

 浸食耐性(大)。

 属性耐性(中)。


 ベルトにもどしても、一定秒間は照らされた自分と味方に効果つづく。

 照らしている間だけ、自分と味方のMP徐々に回復(大)。


 


〖スケルトン〗

 ランタン専用。

 最大数2(固定)。最初は2体で、改良のたびに1ずつ増える。

 物理・属性強度が武具と本体にあり。

 戦士か魔法使いを任意で選択可能→現状不可。


 鎧剣盾 物理強度(大)・属性強度(小)。

 杖ローブ 物理強度(小)・属性強度(大)→現状不可。

 攻撃に浸食付属。

 一体ごとにMP消費(中)。


〖ゾンビ〗

 最大数6(固定)。最初は2体で、改良のたびに1ずつ増える。

 攻撃に憎悪と浸食付属。

 非物理。

 スコップで攻撃すると〖爆発〗して、一定範囲の敵にHPダメ。

 一体ごとにMP消費(中)



〔墓守のスコップ〕


〖生命のスコップ〗

 振るたびにHP回復(大)。

 受け止める、または構えるとMP回復(大)。


 ゾンビを爆発させることにより、〖巨大な大鎌〗のエフェクトをまとう。HPダメ(大)。

 振るうと消滅。

 一定秒間、身体強化(中)→なくなる。

 鎌に触れると他のゾンビも爆発→爆発した個体ごとに身体強化(中)追加。


 〖掘る〗

 スコップ専用。

 水のエフェクトが湧き、それに触れている間はHPMP回復(大)。

 固い地面の場合は相応の身体強化が必要→先端を勢いよく当てるだけで発動可能となる。

 守り3種強化(大)

 水から離れても10秒間は効果残り、味方も使えるようになる→現状不可


〔自分〕


 〖会話〗

 ゾンビとスケルトンに指示できる。


 応援をすることでスケルトンの性能強化(中)。

 冷却30秒。

 1体に声を掛けろば効果(極大)→現状不可。

 3体だと(大)→現状不可。

 全員だと(中)


 謝罪することでゾンビ爆発時の威力が上がる。

 以下略。

 姉と三好さんから得た情報をグループで皆に伝える。


『京都の吹雪って姉ちゃんのスキルだったんだ』


『彼女は青いエフェクトで再現されていたから、確かに水属性か。あとは氷と時もあるんだったかな』


 今の京都は難度がマイナス20くらいになっており、敵も氷や青いエフェクトの特殊なものに変化しているとのこと。


『三好兄弟って、すごい人と知り合いだったんだね浦部くん』


 驚きのスタンプ。


『ドローン関係のアプリだかプログラムの会社でしたっけね』


『そうです。だから会社だけじゃなくて、試験場みたいなのも保有してるそうですよ』


 美玖ちゃん調べてくれてたんだな。


『まったく関係のない分野だから、ちょっと話題にもなっていたか。インタビューによると自身の病気が切欠だって弟さん言ってたな』


 精神を患う人が減っている。実際は病んだ者は迷い人になって映世へと誘われてしまう。

 ただこれって多分だけど、運営がやってることだよね。


『汚染された魂が精神の消耗でそのまま表に出ると、良くないことが起るから隔離してんすよね』


 腕を組んで悩むキモ可愛いキャラが貼られたのち。


『問題のない人に伝染しちゃうとか、そんな感じでしょうか』


『あくまでも推測になるんだが、浄化そのものは輪廻の渦でしかできない。だから俺たちの役目はそれを押しとどめる』


 なるほどねぇ。


『確かに影や迷い人を倒しても、気分を楽にさせてるだけで、問題の解決ができてないとまた出現してるっすね』


『それで救われることもあるんだし、無駄じゃないよきっと』


 委員長も自力でなんとかできたから、スッキリさせるだけでも効果はある。


『あの、浦部さんのお姉さんって何時までいるんですか。出来れば一度会いたいなって』


『アタシも会いたいかな』


 それなんだけどね。


『冬休みの件があるじゃないっすか。姉ちゃんそれを気にしてるみたいでして、強い繋がりは持たない方が良いんじゃないかって』


 しょんぼりスタンプが連投され。


『私は乗り気なんだけどなぁ。でも絶対にいけるって決まった訳じゃないし』


『そうですか、ちょっと残念です』


『確かに深い面識もっちゃえば参加って流れに傾くかもね。ケンジくんも会ってないの?』


『詩さんとは昔からの付き合いだから、挨拶はしましたよ』


 一番危険なのは救出後だとも伝えてある。


『とりあえず姉からの伝言でして』


 続けて言われた内容を張り付ける。


『皆さん弟がお世話になってます。アホなところもあると思いますが、これからも面倒をみてもらえると嬉しく思います』


『冬休みですが強制ではありません。実際に危険も多く、彼女がいなければ私たちも脱出は難しかったかと予想しています。今は当時よりも攻略が楽になるアイテムが販売されるなど、多くの対策は立てておりますが、絶対に安全という保証はない状況です』


『もし参加してくださる場合は三好さんが同行しますので、ご両親の許可をもらうことになるかと思います』


 最近精神病む人が減っている現象から初めて、現世で俺らが使うスキルを見せて。

 巻島さんや神崎さんの両親にはポーションのこと。宮内兄妹には彼が気力を持ち直した理由。


『うちのバカ(本当は超可愛い)と健司君が、少しでも強化が進む手助けをしてくれるだけで、本当に感謝しておりますので、よく考えてお決めください 浦部詩』


 一言一句違えずに打ち込めたな。まあコピーと貼りつけなんだけど。


『ちょっと浦部、改ざんすんな』


『きっと本心じゃそう考えてますよ、ねっ 兄ちゃん』


『ノーコメントで頼む』


 俺と美玖ちゃんが同列とは思えないんだけどね。


『あの、浦部さん。文化祭のこと、私がお礼言ってたと伝えてください』


『わかりました、姉に言っておきますね』


 よろしくお願いしますと返信があった。


『でも親に言わなきゃかぁ。危ないことしてって怒られちゃうかな?』


『無許可で参加ってのは流石に難しいと思います』


『なにがあるかわからんか』


『京都となると、運営の干渉が届かないとかあったりすれば、アタシは正直怖いよ』


 連中が敵か味方かなんてわからんし、こんな両極端な単語で表せるものでもないかも知れん。


『もし失敗だとしても、俺らは続けますんで。だから今回は見送るとかでも良いっすからね、ガチで強制じゃありませんから』


『自分の責任は自分で持てるようになってから。それも選択のうちか』


 少なくとも手鏡には、京都が大昔だって説明文は表示されてなかった。


 そうだ、もう一つ伝えとくべきことがあった。


『あと東京遠征の修理費ですけど、三好さんが許可証やらのお礼で出してくれるそうっす』


『本当か、それは助かるな。正直、色々と出ていく要素が多くて困ってたところだ』


 泣きながら感謝などのスタンプが連投される。


『ところで皆さん、ビー玉の入れ替えはどうっすか』


『それがさぁ、効果(大)のランダム合成とかめっちゃ高いじゃん。アタシ契約のナイフもうちょっとだから、先にそっちだね』


『俺も同じだ』


 やっぱそうか。比較的に効果1つだけのビー玉も多かったんで、必ず成功するっちゃするんだけどね。


『私バットのも含めて上手くいったぁ』


 神崎さんにしては珍しい。


『一点突破の槍を買いたいんですけど、合成しちゃうとお金なくなっちゃいます』


 これも運で〖衝撃波〗に属性デバフが付与されたりするらしい。そんなランダム要素があるせいか、価格は17万くらいだね。


『皆さん宝玉のお土産、本当にありがとうございました』


『良いってことよぉ、厳選したんだぜぇ』


『鱗粉を使う時は声にだすんだよ〗


『夏休み終わるとあまり活動も出来なくなるからな』


『兄ちゃんのだけじゃなく、たまには私のも使ってね』


 美玖ちゃんのスキルは〖避雷針〗と〖蓄電鞘〗だったかな。鞘はエフェクトになってるし、雷光剣の挿入機能はないけど、利用するなら彼女に分鏡を2つセットしてもらった方が良いか。


 ケンちゃんは明日、俺とさっそく活動すっからな。


・・

・・


 姉はお盆から少し日をずらして京都へ戻るらしい。けっきょく先輩来なかったな。


「ここに来るのも久しぶりね」


「やっぱ一年前もここ使ってたんすか」


 姉の運転で訪れたのはいつものショッピングモール。


「そうよ。だってここの社って、すごい便利じゃない」


 映世への移動を終えると、ベルトの収納に手鏡をしまう。


「あれ、誕生日にあげたの使ってないん?」


「これが壊れたら使う予定です」


「ギン兄がプレゼントしたんだっけ」


 まだ夏休み中ということもあり、ケンちゃんの強化も追い込み段階に入っている。


「そうそう」


「せっかくの贈り物なんだから、もし壊れたら悲しくないですか」


「……まあそうね。じゃあプライベートで使うことにしよ」


 どっちでも良いけどさ。


「大切にしてくれるなら、それはそれで感謝っつうこんで」


 ふんっと姉にそっぽを向かれた。


 ケンちゃんは周囲を見渡して。


「始めてだから緊張する。詩さん、足手まといになったらごめんね。ギン兄もよろしく」


「宮内君と槙島さんで良かったのよね。人のを使えるって、また便利なスキルじゃない」


 今回は〖浮剣〗と〖鱗粉〗を使用可能。


「ちょっと器用貧乏感があるんだけどさ。ギン兄のも滑車破壊と巻き取りは宝玉だし」


 《滑車破壊、蓄積1使用可能》《巻き取り使用可能》

 2色の鎖をセットしてても、ビー玉がソケットについてる方でないと使えない。


 俺たちは三階の広い通路を歩いていた。なるべく店舗には入らないよう注意している。

 普通に商品も置いてあるけど、現世に持ち帰ることは出来ない仕組みだ。


「あと厄介なのは、スキル玉をセットしてもらわないとダメなんだ。活動してないメンバーにお願いしなきゃでさ」


 現世の方で冷房が利いてるので、涼しくて助かる。


「ケンちゃん雫さんのスキルが普通に優秀だしよ、それだけでも戦えるんじゃね?」


「でも借り物ばっかで、あんま嬉しくないよ」


「手鏡の機能は今のところ唯一無二じゃない」


 普段は京都以外でも上級で活動してるから、俺よりその有用性は理解してんだろうな。



 しばらくすると姉が足を止めたので、俺らもそれに習う。


「さっそくお出ましね」


「後ろからか」


「前にも出たよ」


 囲み打ちか。



 前二体。後ろ三体。


「こっちの人数に対して多いな」


「私がいるからかも」


 レベル差か。


「健司君、弓の射出台をお願い」


「わかった」


 〖自動射出台〗 5秒ごとに青いエフェクトの矢を撃ち込み、HPダメ(小)。


「これも久しぶりに見たわ」


 雫さんの得物は打刀と弓だったらしい。だからエフェクトの射出台に、実物の〔弓〕を固定させる感じだったんかな。


 まだ敵は完全に具現化していないが、ケンちゃんは〖射出台〗の設置を完了する。


「狙いは3体のほう」


 弓を固定している棒が回転して、(やじり)がそちらを向く。


「2体は私が受け持つから、あんたは健司君と協力なさい」


 姉はベルトに装着されていた〔ランタン〕を外し、それを左腕で掲げれば闇が蠢くと、足もとから黒い人型のエフェクトが3体這い出る。


「スケルトンじゃなくてゾンビの方か」


「違います。ただの墓守仲間です」


 動作が完全にアレなんすけど、姉ちゃんは自分の前世が死霊使いだと認めたくないらしい。


 そのまま〖ランタン〗を掲げ続けて数秒が経過すれば、姉は黒いローブをまとう。属性耐性と浸食耐性。


「さあ皆さん、足止めをよろしくお願いします」


 3体の〖ゾンビ〗は姉の命令に従い、ゆっくりと動きだす。

 選択スキルはゾンビがスケルトンらしく、改良するほど増えていくそうだ。


 姉は〖ランタン〗をベルトに戻したが、黒い光は白に変化して、未だにうすく腰元を照らしていた。

 得物のスコップを両手で握り絞め。


「ギンちゃん、鎖寄こしな」


「へい」


 〖赤と白の鎖〗を射出。


「健司君、あの銃持ちが〖弓〗を狙うかもだから気をつけて」


「わかった」


 近未来兵。

 以前、神崎さんやマキマキと一緒に戦った相手と似た装備だ。


「じゃあ頼んだよ」


「へい」


 姉は斧をもった木こり風の大男に向けて走り出す。


 健司には〖白と青〗を放つ。


 俺も行かんと。


「ケンちゃんは弓の護衛を頼む、あと雫さんも呼んでくれ」


「わかった」


 健司の選択スキルは姉の召喚か、自分の細剣にそのスキルを宿すかの2択。


・・

・・


 〖雪の打刀・細剣〗 1分間〖一点突破・無断・黒刃・空刃斬・残刃〗のどれか2つ(固定)を選んで使えるようになる。


 〖空刃斬〗斬撃を飛ばしHPダメ(小)。黒刃と合わせることも可能。冷却5秒。MP消費(中)


 〖残刃〗 攻撃を盾や武器で防がれると、弱体化した空刃斬が発生してHPダメ(極小)。黒刃と合わせることも可能。冷却5秒。MP消費(小)


・・

・・


 姉の予想どおり、近未来の兵が銃を撃ってきたが、ケンちゃんは〖青い浮剣〗の《膜》でそれを防ぐ。


 俺も〖法衣の渦〗を展開させるが、前にでると効果範囲から外れちまうかもな。

 ただ敵が迫って来るので、前に出ざるを得ないか。


 舌の長い2足歩行の化け物。

 短剣を構えるゴブさん。

 杖を持つ老人。


 この場に〖無色の滑車〗を残し、後衛の魔法使いらしき敵に向け、左手の脇差から〖一点突破〗で急接近する。


「先手必勝」


 切先は老人の腹部に命中。あえて〖衝撃波〗には続けず、引き抜きながら右腕の〖メイス〗で追撃を仕掛けようとしたが、2足歩行の化け物が【長い舌】を伸ばし、俺の得物に巻き付けてきやがった。


 そのまま奪おうとしてきたため、耐えようとした所為で上半身を起こされる。

 老人は一歩さがり、杖で俺に殴りかかってきた。


 メイスを手放し、脇差で杖を振り払う。

 装備タイプの変更で再度、俺の手にメイスが出現。


 しかしゴブリンが側面から迫ってきたので、仕方なくそちらへの対処に移る。


「ナイス」


 接触の瞬間に矢が命中し、ゴブさんの足が《凍り》付いていた。ここぞとばかりに〖メイス〗を振り下ろすも、青く光る【短剣】で受け止められた。


「杖のサポートか」


 ゴブさんの身体が【赤く】光っている。不気味に笑うものだから、〖黒刃〗で足に切断線を刻む。

 姿勢が崩れたから、メイスで追撃をと思ったけど、魔法使いがこちらへ杖を向けていた。


 【炎の玉】が発生し、それがゴブさんごと俺に放たれた。


「無視だ無視」


 〖法衣〗の属性耐性を信じ、そのままゴブリンへ〖メイス〗を打ちつける。

 HPが0になったか。


 背後に〖白の滑車〗を発動させれば、魔法の直後で硬直している老人に〖鎖〗を打ち込む。


「〖鱗粉の風!〗」


 こういった単発系の回復スキルは、なるべく声に出すようお願いしていた。


 俺の鎖も時間を延長させておくか。

 〖巻き取り〗で魔法使いを引き寄せ、振り向きざまに〖無断〗で相手の脇を打つ。


「状術も使うんだな」


 姿勢を崩されながらも、相手は杖を差し込み直撃を免れていた。けれど装備の劣化は避けられず、脇にもHP減少の光は発生している。


 ゴブリンが俺に斬りかかってきたので、メイスの柄で受け止めてから、脇差の鍔で短剣を引っかけて腕ごと持ち上げる。


「おらっ」


 ガラ空きとなった胴に〖メイス〗を叩き込んだ。



 魔法使いが杖で俺に殴りかかるが、〖一点突破〗が脇下に突き刺さり、続けて発生した〖衝撃波〗が老体を吹き飛ばす。


「感謝です」


 〖雫さん〗がそこに立っていた。

 舌の長い化け物は彼女が始末してくれたらしい。魔法使いはHPが0になったようだ。


 脇差を構え、〖一点突破〗で止めをさす。



 姉の方を見ると、すでに木こりは倒したようだ。【ゾンビ】の攻撃にはヘイト効果もあるようで、銃持ちは後退しながらそっちを狙う。


 その背後より姉は迫るも、ゾンビには物理判定がないようで、銃弾がそちらへと届く。


「スコップは武器としても優秀だって誰か言ってたな」


 面の部分を盾がわりにして、弾き落しながら姉は駆ける。何発かは命中しているけど、HPがあるのでたぶん問題はない。

 もっとも撃たれた衝撃はあるから、走る速度は当たるたびに落ちていく。


「姉ちゃんけっこう無茶すんな」


 腰のランタンが白く光り、HPも回復させているようだ。浸食でスキルの性能は低下しているけど、〖白鎖〗は未だ発動中。


「ちょっと兵隊さん。誤射に気を付けなさいよ、さっきから市民に当たってるじゃない」


 どう見ても一般人に見えんよ。


「〖ごめんなさいね〗」


 姉が殴りつけたのは銃持ちではなく〖ゾンビ〗であり、スコップが通過すると〖爆発〗した。

 近未来兵のHP0


「やっぱ、どう見てもネクロマンサーじゃん」


 ゾンビを爆発させることにより、スコップは巨大な〖黒鎌〗のエフェクトをまとう。


 報酬の回収をしたのち。


「次はケンちゃん前でるか、俺サポートに回るよ」


「じゃあ私も健司君のお供に友人をつけましょう」


 どうも近接向きがゾンビみたいだから、スケルトンを召喚するつもりらしい。


「いつも姉に任せてるから、接近戦はちょっと緊張するや」


 ショッピングモールも今回で終わりかな。2学期になりゃ大鳥居の数値を調整できるようになるし。


・・

・・


 姉は翌日、京都へと帰っていった。


 去年まではいるのが当たり前だったけど、なかなか寂しいものですな。

 俺も高校卒業したら、地元を離れるのだろうか。


 就職先を考えると、ここら辺じゃ厳しいものがあり、県内でも一人暮らしは必要になってくるんかね。


 夏休み残り数日となった。


 俺は自分が卒業した中学校の校庭に来ていた。


「浦部くん、もう高校生なのに相変わらずねぇ」


「まだまだ若いってこんすよ先生」


 担任だった妙齢の女教師は苦笑いを浮かべている。今日は学校に来てたようで、挨拶に伺ったらちょうど居たのだ。


「おい浦部ぇ、準備できたぞぉ」


 3つのペットボトルロケットが並んでいた。


「そんじゃ先生、審査員を頼んますよ」


「しょうがない、引き受けましょうとも」


 俺は2人のもとに駆け寄ると、コード付きのスイッチを渡される。


「ではカウントダウンで発射しますぞ、よろしいですな」


「おう任せろ」


「お菓子は俺のもんだ」


 ダイエットは何処いったよ太志君。


「10・9・8・7」


 夏の空は輝いていた。


「3・2・1・発射っ!」


 水しぶきと共にロケットが飛んでいく。








 太志のは誤作動で発射しませんでした。






ここまで読んでくれた読者の皆様に感謝です。

お休みと書きため期間に入ります。のんびり進めていく予定ですので、何時頃になるかは自分にもわかりません。

とりあえず章ごとかな。9月10月11月12月で別けますので、たぶんあと4章くらいでしょうか。

時間のある時にでも覗いてもらえますと嬉しいです。


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