8話 もうすぐ二学期
詩さんのスキルです
→はレベル1にしないとダメ。
〔闇明りのランタン〕
〖薄明〗
半パッシブ。
ランタン専用。
白く光る。
徐々にHP回復(大)。
身体強化(中)
手に持ってしばらく掲げると〖闇明〗に変化し、黒いローブをまとう。
セットしていれば、ゾンビ・スケルトン召喚可能。
浸食耐性(大)。
属性耐性(中)。
ベルトにもどしても、一定秒間は照らされた自分と味方に効果つづく。
照らしている間だけ、自分と味方のMP徐々に回復(大)。
〖スケルトン〗
ランタン専用。
最大数2(固定)。最初は2体で、改良のたびに1ずつ増える。
物理・属性強度が武具と本体にあり。
戦士か魔法使いを任意で選択可能→現状不可。
鎧剣盾 物理強度(大)・属性強度(小)。
杖ローブ 物理強度(小)・属性強度(大)→現状不可。
攻撃に浸食付属。
一体ごとにMP消費(中)。
〖ゾンビ〗
最大数6(固定)。最初は2体で、改良のたびに1ずつ増える。
攻撃に憎悪と浸食付属。
非物理。
スコップで攻撃すると〖爆発〗して、一定範囲の敵にHPダメ。
一体ごとにMP消費(中)
〔墓守のスコップ〕
〖生命のスコップ〗
振るたびにHP回復(大)。
受け止める、または構えるとMP回復(大)。
ゾンビを爆発させることにより、〖巨大な大鎌〗のエフェクトをまとう。HPダメ(大)。
振るうと消滅。
一定秒間、身体強化(中)→なくなる。
鎌に触れると他のゾンビも爆発→爆発した個体ごとに身体強化(中)追加。
〖掘る〗
スコップ専用。
水のエフェクトが湧き、それに触れている間はHPMP回復(大)。
固い地面の場合は相応の身体強化が必要→先端を勢いよく当てるだけで発動可能となる。
守り3種強化(大)
水から離れても10秒間は効果残り、味方も使えるようになる→現状不可
〔自分〕
〖会話〗
ゾンビとスケルトンに指示できる。
応援をすることでスケルトンの性能強化(中)。
冷却30秒。
1体に声を掛けろば効果(極大)→現状不可。
3体だと(大)→現状不可。
全員だと(中)
謝罪することでゾンビ爆発時の威力が上がる。
以下略。
姉と三好さんから得た情報をグループで皆に伝える。
『京都の吹雪って姉ちゃんのスキルだったんだ』
『彼女は青いエフェクトで再現されていたから、確かに水属性か。あとは氷と時もあるんだったかな』
今の京都は難度がマイナス20くらいになっており、敵も氷や青いエフェクトの特殊なものに変化しているとのこと。
『三好兄弟って、すごい人と知り合いだったんだね浦部くん』
驚きのスタンプ。
『ドローン関係のアプリだかプログラムの会社でしたっけね』
『そうです。だから会社だけじゃなくて、試験場みたいなのも保有してるそうですよ』
美玖ちゃん調べてくれてたんだな。
『まったく関係のない分野だから、ちょっと話題にもなっていたか。インタビューによると自身の病気が切欠だって弟さん言ってたな』
精神を患う人が減っている。実際は病んだ者は迷い人になって映世へと誘われてしまう。
ただこれって多分だけど、運営がやってることだよね。
『汚染された魂が精神の消耗でそのまま表に出ると、良くないことが起るから隔離してんすよね』
腕を組んで悩むキモ可愛いキャラが貼られたのち。
『問題のない人に伝染しちゃうとか、そんな感じでしょうか』
『あくまでも推測になるんだが、浄化そのものは輪廻の渦でしかできない。だから俺たちの役目はそれを押しとどめる』
なるほどねぇ。
『確かに影や迷い人を倒しても、気分を楽にさせてるだけで、問題の解決ができてないとまた出現してるっすね』
『それで救われることもあるんだし、無駄じゃないよきっと』
委員長も自力でなんとかできたから、スッキリさせるだけでも効果はある。
『あの、浦部さんのお姉さんって何時までいるんですか。出来れば一度会いたいなって』
『アタシも会いたいかな』
それなんだけどね。
『冬休みの件があるじゃないっすか。姉ちゃんそれを気にしてるみたいでして、強い繋がりは持たない方が良いんじゃないかって』
しょんぼりスタンプが連投され。
『私は乗り気なんだけどなぁ。でも絶対にいけるって決まった訳じゃないし』
『そうですか、ちょっと残念です』
『確かに深い面識もっちゃえば参加って流れに傾くかもね。ケンジくんも会ってないの?』
『詩さんとは昔からの付き合いだから、挨拶はしましたよ』
一番危険なのは救出後だとも伝えてある。
『とりあえず姉からの伝言でして』
続けて言われた内容を張り付ける。
『皆さん弟がお世話になってます。アホなところもあると思いますが、これからも面倒をみてもらえると嬉しく思います』
『冬休みですが強制ではありません。実際に危険も多く、彼女がいなければ私たちも脱出は難しかったかと予想しています。今は当時よりも攻略が楽になるアイテムが販売されるなど、多くの対策は立てておりますが、絶対に安全という保証はない状況です』
『もし参加してくださる場合は三好さんが同行しますので、ご両親の許可をもらうことになるかと思います』
最近精神病む人が減っている現象から初めて、現世で俺らが使うスキルを見せて。
巻島さんや神崎さんの両親にはポーションのこと。宮内兄妹には彼が気力を持ち直した理由。
『うちのバカ(本当は超可愛い)と健司君が、少しでも強化が進む手助けをしてくれるだけで、本当に感謝しておりますので、よく考えてお決めください 浦部詩』
一言一句違えずに打ち込めたな。まあコピーと貼りつけなんだけど。
『ちょっと浦部、改ざんすんな』
『きっと本心じゃそう考えてますよ、ねっ 兄ちゃん』
『ノーコメントで頼む』
俺と美玖ちゃんが同列とは思えないんだけどね。
『あの、浦部さん。文化祭のこと、私がお礼言ってたと伝えてください』
『わかりました、姉に言っておきますね』
よろしくお願いしますと返信があった。
『でも親に言わなきゃかぁ。危ないことしてって怒られちゃうかな?』
『無許可で参加ってのは流石に難しいと思います』
『なにがあるかわからんか』
『京都となると、運営の干渉が届かないとかあったりすれば、アタシは正直怖いよ』
連中が敵か味方かなんてわからんし、こんな両極端な単語で表せるものでもないかも知れん。
『もし失敗だとしても、俺らは続けますんで。だから今回は見送るとかでも良いっすからね、ガチで強制じゃありませんから』
『自分の責任は自分で持てるようになってから。それも選択のうちか』
少なくとも手鏡には、京都が大昔だって説明文は表示されてなかった。
そうだ、もう一つ伝えとくべきことがあった。
『あと東京遠征の修理費ですけど、三好さんが許可証やらのお礼で出してくれるそうっす』
『本当か、それは助かるな。正直、色々と出ていく要素が多くて困ってたところだ』
泣きながら感謝などのスタンプが連投される。
『ところで皆さん、ビー玉の入れ替えはどうっすか』
『それがさぁ、効果(大)のランダム合成とかめっちゃ高いじゃん。アタシ契約のナイフもうちょっとだから、先にそっちだね』
『俺も同じだ』
やっぱそうか。比較的に効果1つだけのビー玉も多かったんで、必ず成功するっちゃするんだけどね。
『私バットのも含めて上手くいったぁ』
神崎さんにしては珍しい。
『一点突破の槍を買いたいんですけど、合成しちゃうとお金なくなっちゃいます』
これも運で〖衝撃波〗に属性デバフが付与されたりするらしい。そんなランダム要素があるせいか、価格は17万くらいだね。
『皆さん宝玉のお土産、本当にありがとうございました』
『良いってことよぉ、厳選したんだぜぇ』
『鱗粉を使う時は声にだすんだよ〗
『夏休み終わるとあまり活動も出来なくなるからな』
『兄ちゃんのだけじゃなく、たまには私のも使ってね』
美玖ちゃんのスキルは〖避雷針〗と〖蓄電鞘〗だったかな。鞘はエフェクトになってるし、雷光剣の挿入機能はないけど、利用するなら彼女に分鏡を2つセットしてもらった方が良いか。
ケンちゃんは明日、俺とさっそく活動すっからな。
・・
・・
姉はお盆から少し日をずらして京都へ戻るらしい。けっきょく先輩来なかったな。
「ここに来るのも久しぶりね」
「やっぱ一年前もここ使ってたんすか」
姉の運転で訪れたのはいつものショッピングモール。
「そうよ。だってここの社って、すごい便利じゃない」
映世への移動を終えると、ベルトの収納に手鏡をしまう。
「あれ、誕生日にあげたの使ってないん?」
「これが壊れたら使う予定です」
「ギン兄がプレゼントしたんだっけ」
まだ夏休み中ということもあり、ケンちゃんの強化も追い込み段階に入っている。
「そうそう」
「せっかくの贈り物なんだから、もし壊れたら悲しくないですか」
「……まあそうね。じゃあプライベートで使うことにしよ」
どっちでも良いけどさ。
「大切にしてくれるなら、それはそれで感謝っつうこんで」
ふんっと姉にそっぽを向かれた。
ケンちゃんは周囲を見渡して。
「始めてだから緊張する。詩さん、足手まといになったらごめんね。ギン兄もよろしく」
「宮内君と槙島さんで良かったのよね。人のを使えるって、また便利なスキルじゃない」
今回は〖浮剣〗と〖鱗粉〗を使用可能。
「ちょっと器用貧乏感があるんだけどさ。ギン兄のも滑車破壊と巻き取りは宝玉だし」
《滑車破壊、蓄積1使用可能》《巻き取り使用可能》
2色の鎖をセットしてても、ビー玉がソケットについてる方でないと使えない。
俺たちは三階の広い通路を歩いていた。なるべく店舗には入らないよう注意している。
普通に商品も置いてあるけど、現世に持ち帰ることは出来ない仕組みだ。
「あと厄介なのは、スキル玉をセットしてもらわないとダメなんだ。活動してないメンバーにお願いしなきゃでさ」
現世の方で冷房が利いてるので、涼しくて助かる。
「ケンちゃん雫さんのスキルが普通に優秀だしよ、それだけでも戦えるんじゃね?」
「でも借り物ばっかで、あんま嬉しくないよ」
「手鏡の機能は今のところ唯一無二じゃない」
普段は京都以外でも上級で活動してるから、俺よりその有用性は理解してんだろうな。
しばらくすると姉が足を止めたので、俺らもそれに習う。
「さっそくお出ましね」
「後ろからか」
「前にも出たよ」
囲み打ちか。
前二体。後ろ三体。
「こっちの人数に対して多いな」
「私がいるからかも」
レベル差か。
「健司君、弓の射出台をお願い」
「わかった」
〖自動射出台〗 5秒ごとに青いエフェクトの矢を撃ち込み、HPダメ(小)。
「これも久しぶりに見たわ」
雫さんの得物は打刀と弓だったらしい。だからエフェクトの射出台に、実物の〔弓〕を固定させる感じだったんかな。
まだ敵は完全に具現化していないが、ケンちゃんは〖射出台〗の設置を完了する。
「狙いは3体のほう」
弓を固定している棒が回転して、鏃がそちらを向く。
「2体は私が受け持つから、あんたは健司君と協力なさい」
姉はベルトに装着されていた〔ランタン〕を外し、それを左腕で掲げれば闇が蠢くと、足もとから黒い人型のエフェクトが3体這い出る。
「スケルトンじゃなくてゾンビの方か」
「違います。ただの墓守仲間です」
動作が完全にアレなんすけど、姉ちゃんは自分の前世が死霊使いだと認めたくないらしい。
そのまま〖ランタン〗を掲げ続けて数秒が経過すれば、姉は黒いローブをまとう。属性耐性と浸食耐性。
「さあ皆さん、足止めをよろしくお願いします」
3体の〖ゾンビ〗は姉の命令に従い、ゆっくりと動きだす。
選択スキルはゾンビがスケルトンらしく、改良するほど増えていくそうだ。
姉は〖ランタン〗をベルトに戻したが、黒い光は白に変化して、未だにうすく腰元を照らしていた。
得物のスコップを両手で握り絞め。
「ギンちゃん、鎖寄こしな」
「へい」
〖赤と白の鎖〗を射出。
「健司君、あの銃持ちが〖弓〗を狙うかもだから気をつけて」
「わかった」
近未来兵。
以前、神崎さんやマキマキと一緒に戦った相手と似た装備だ。
「じゃあ頼んだよ」
「へい」
姉は斧をもった木こり風の大男に向けて走り出す。
健司には〖白と青〗を放つ。
俺も行かんと。
「ケンちゃんは弓の護衛を頼む、あと雫さんも呼んでくれ」
「わかった」
健司の選択スキルは姉の召喚か、自分の細剣にそのスキルを宿すかの2択。
・・
・・
〖雪の打刀・細剣〗 1分間〖一点突破・無断・黒刃・空刃斬・残刃〗のどれか2つ(固定)を選んで使えるようになる。
〖空刃斬〗斬撃を飛ばしHPダメ(小)。黒刃と合わせることも可能。冷却5秒。MP消費(中)
〖残刃〗 攻撃を盾や武器で防がれると、弱体化した空刃斬が発生してHPダメ(極小)。黒刃と合わせることも可能。冷却5秒。MP消費(小)
・・
・・
姉の予想どおり、近未来の兵が銃を撃ってきたが、ケンちゃんは〖青い浮剣〗の《膜》でそれを防ぐ。
俺も〖法衣の渦〗を展開させるが、前にでると効果範囲から外れちまうかもな。
ただ敵が迫って来るので、前に出ざるを得ないか。
舌の長い2足歩行の化け物。
短剣を構えるゴブさん。
杖を持つ老人。
この場に〖無色の滑車〗を残し、後衛の魔法使いらしき敵に向け、左手の脇差から〖一点突破〗で急接近する。
「先手必勝」
切先は老人の腹部に命中。あえて〖衝撃波〗には続けず、引き抜きながら右腕の〖メイス〗で追撃を仕掛けようとしたが、2足歩行の化け物が【長い舌】を伸ばし、俺の得物に巻き付けてきやがった。
そのまま奪おうとしてきたため、耐えようとした所為で上半身を起こされる。
老人は一歩さがり、杖で俺に殴りかかってきた。
メイスを手放し、脇差で杖を振り払う。
装備タイプの変更で再度、俺の手にメイスが出現。
しかしゴブリンが側面から迫ってきたので、仕方なくそちらへの対処に移る。
「ナイス」
接触の瞬間に矢が命中し、ゴブさんの足が《凍り》付いていた。ここぞとばかりに〖メイス〗を振り下ろすも、青く光る【短剣】で受け止められた。
「杖のサポートか」
ゴブさんの身体が【赤く】光っている。不気味に笑うものだから、〖黒刃〗で足に切断線を刻む。
姿勢が崩れたから、メイスで追撃をと思ったけど、魔法使いがこちらへ杖を向けていた。
【炎の玉】が発生し、それがゴブさんごと俺に放たれた。
「無視だ無視」
〖法衣〗の属性耐性を信じ、そのままゴブリンへ〖メイス〗を打ちつける。
HPが0になったか。
背後に〖白の滑車〗を発動させれば、魔法の直後で硬直している老人に〖鎖〗を打ち込む。
「〖鱗粉の風!〗」
こういった単発系の回復スキルは、なるべく声に出すようお願いしていた。
俺の鎖も時間を延長させておくか。
〖巻き取り〗で魔法使いを引き寄せ、振り向きざまに〖無断〗で相手の脇を打つ。
「状術も使うんだな」
姿勢を崩されながらも、相手は杖を差し込み直撃を免れていた。けれど装備の劣化は避けられず、脇にもHP減少の光は発生している。
ゴブリンが俺に斬りかかってきたので、メイスの柄で受け止めてから、脇差の鍔で短剣を引っかけて腕ごと持ち上げる。
「おらっ」
ガラ空きとなった胴に〖メイス〗を叩き込んだ。
魔法使いが杖で俺に殴りかかるが、〖一点突破〗が脇下に突き刺さり、続けて発生した〖衝撃波〗が老体を吹き飛ばす。
「感謝です」
〖雫さん〗がそこに立っていた。
舌の長い化け物は彼女が始末してくれたらしい。魔法使いはHPが0になったようだ。
脇差を構え、〖一点突破〗で止めをさす。
姉の方を見ると、すでに木こりは倒したようだ。【ゾンビ】の攻撃にはヘイト効果もあるようで、銃持ちは後退しながらそっちを狙う。
その背後より姉は迫るも、ゾンビには物理判定がないようで、銃弾がそちらへと届く。
「スコップは武器としても優秀だって誰か言ってたな」
面の部分を盾がわりにして、弾き落しながら姉は駆ける。何発かは命中しているけど、HPがあるのでたぶん問題はない。
もっとも撃たれた衝撃はあるから、走る速度は当たるたびに落ちていく。
「姉ちゃんけっこう無茶すんな」
腰のランタンが白く光り、HPも回復させているようだ。浸食でスキルの性能は低下しているけど、〖白鎖〗は未だ発動中。
「ちょっと兵隊さん。誤射に気を付けなさいよ、さっきから市民に当たってるじゃない」
どう見ても一般人に見えんよ。
「〖ごめんなさいね〗」
姉が殴りつけたのは銃持ちではなく〖ゾンビ〗であり、スコップが通過すると〖爆発〗した。
近未来兵のHP0
「やっぱ、どう見てもネクロマンサーじゃん」
ゾンビを爆発させることにより、スコップは巨大な〖黒鎌〗のエフェクトをまとう。
報酬の回収をしたのち。
「次はケンちゃん前でるか、俺サポートに回るよ」
「じゃあ私も健司君のお供に友人をつけましょう」
どうも近接向きがゾンビみたいだから、スケルトンを召喚するつもりらしい。
「いつも姉に任せてるから、接近戦はちょっと緊張するや」
ショッピングモールも今回で終わりかな。2学期になりゃ大鳥居の数値を調整できるようになるし。
・・
・・
姉は翌日、京都へと帰っていった。
去年まではいるのが当たり前だったけど、なかなか寂しいものですな。
俺も高校卒業したら、地元を離れるのだろうか。
就職先を考えると、ここら辺じゃ厳しいものがあり、県内でも一人暮らしは必要になってくるんかね。
夏休み残り数日となった。
俺は自分が卒業した中学校の校庭に来ていた。
「浦部くん、もう高校生なのに相変わらずねぇ」
「まだまだ若いってこんすよ先生」
担任だった妙齢の女教師は苦笑いを浮かべている。今日は学校に来てたようで、挨拶に伺ったらちょうど居たのだ。
「おい浦部ぇ、準備できたぞぉ」
3つのペットボトルロケットが並んでいた。
「そんじゃ先生、審査員を頼んますよ」
「しょうがない、引き受けましょうとも」
俺は2人のもとに駆け寄ると、コード付きのスイッチを渡される。
「ではカウントダウンで発射しますぞ、よろしいですな」
「おう任せろ」
「お菓子は俺のもんだ」
ダイエットは何処いったよ太志君。
「10・9・8・7」
夏の空は輝いていた。
「3・2・1・発射っ!」
水しぶきと共にロケットが飛んでいく。
太志のは誤作動で発射しませんでした。
ここまで読んでくれた読者の皆様に感謝です。
お休みと書きため期間に入ります。のんびり進めていく予定ですので、何時頃になるかは自分にもわかりません。
とりあえず章ごとかな。9月10月11月12月で別けますので、たぶんあと4章くらいでしょうか。
時間のある時にでも覗いてもらえますと嬉しいです。




