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イケメンチェックが止まらない

BL要素&下品注意(笑)

 料理研究家である私、板倉ひろみは、教え子であるイノシシ娘(猪突猛進ゆえ命名)と超イイ男であるお兄さんの結婚式に来ている。


 最初は嫌だったのよ。堅苦しい席ってニガテだし。


 でも私の数少ない教え子だし、いろいろ相談にも乗ってあげたから祝ってあげたいって気持ちはあるのよ。


 それにね、イケメンがたぁっくさ~ん出席するって聞いたら、行かないわけにはいかないじゃない?


 ダーリン、ごめんね。ダーリンが一番だけど、ちょっとだけ浮気、許してね? もちろん、後ろの穴は死守するわ。だってそこはあなただけのものだもん。




 式はまぁまぁよかったと思うわ。イノシシ娘は馬子にも衣装って感じで、一応見られたわ。


 お兄さんはもう超、超カッコイイ。あの子にやるのが惜しいわ。どうしてお兄さん、私を選んでくれなかったの!?



 披露宴に移り、私は席順表を眺めながらイケメンを探す。まずは新郎側ね。



 ……あら、いい男。お兄さんと同年代ね。

 飄々としているところは、少しダーリンに似ているわ。結構ガッシリして、いいカラダ。抱きしめられたら窒息しちゃう! 


 でも既婚者はパス。それに今は抱かれたい男じゃなくて、抱きたい男を探しているのよねん。


 ここにもイケメン……というより、ダンディなお・じ・さ・ま。

 ……ふむふむ、お兄さんの上司ね。素敵だわぁ。危険な香りがするわ。でもそれが女を引き寄せるのよねぇ。


 ――――駄目よ、ひろみ。また間違えているわ。気を付けて!


 かわいい男の子、はっけ~ん。どうやらお兄さんの部下ね。

 やだ、メガネがキュートだわ。人懐っこそうな雰囲気。真っ赤になって恥じらう、メガネ君の服を一枚一枚剥いていって……。いやぁ~ん、いいわ。この子、チェック!


 あ、あそこはお兄さんの親族ね。

 まぁ、お兄さんによく似ているわ。お父様もお兄様もレベル高~い。どっちもタイプ~。

 で、ちびっこもいるのね。でも私はそこまで幼いのは興味ないわ。十年後に会いましょう。


 ヤダ、かわいい~。お兄さんの甥っ子ね。擦れてなさそうだわ。仕込み甲斐がありそうね。

 嫌がる少年に快楽を植え付けて、私から離れられないように……。

 いやぁ~ん、そそるわ。この子もチェック!




 次は新婦側だわ。


 ああ、あれが理系男子か。いい男、揃っているじゃない。一人はガテン系、一人はインテリ系ね。どっちもオーケーよ。チェック!


 あら、ギャル男系だわ。あの子の友人には珍しいタイプ。笑顔がかわいいじゃない。

 ……でも既婚者ね。指輪しているわ。……残念。もう少し早く出会いたかったわね。


 あら、あの子、ブーケを取った子じゃない。獣みたいな女どもに揉まれながらキャッチしたのには脱帽だわ。そのブーケ、私にちょうだ~い。チェック!


 次は親族席だわ。


 あら、素敵な笑顔の下にどす黒いものが見えるわ。せっかくいい男なのに、私の直感が近寄るなって言っているわ。


 でもその隣はいいわよ。ちょっと軽そうで頼りなさそうだけど、遊びならちょうどいい男の子かも。チェック!


 あら、イノシシ娘の義理の兄? ……どっかで見たことある子ね。どこだったかしら? うーん、思い出せないわ。でも既婚者だからパス。


 まぁ、イノシシ父。無表情だけど、イイお・と・こ。あの無表情さを崩したくなるのよねぇ。




 披露宴が終わり、いよいよ二次会。さぁ、チェックしたイケメンにアタック開始よ!









 ひろみは気づかない。


 自分がイケメンをチェックしていたように、自分も独身女性にチェックされていたことを。


 ひろみはまだ知らない。

 

 二次会でひろみをお持ち帰りしようとしている肉食女子が、舌なめずりをしていることを。

 








 二次会開始、五分後。




「ちょっと、離しなさい。近寄らないで。私は女なんかに興味はないのよ――――!!」





誰が誰だか、わかりました?

多分一番難しいのは鮫島の部下と理系男子ですかね。

全員名前、出てきてますよ。

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