表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩歌集

煙草の匂い

掲載日:2023/06/04



 ふわり。


 眠っていると、微かな冷たい風と煙草の匂いがして。


 瞼をゆっくりと開き、ベッドの上で寝返りを打つ。


 すると、隣で寝ていたはずの彼が居ないことに気づいて。


 もそもそと体を起こし、ベランダの方を見る。


 ゆるやかに靡く白いレースのカーテンの向こう。


 ベランダに浮かぶ、シルエット。


 彼だ。


 ベランダの手摺壁に凭れながら、煙草を吸っているようだ。


 煙草の匂いが、ベランダからふわりふわりと漂ってくる。


 私は昔から、煙草の臭いが苦手。


 でも、彼の煙草の匂いだけは許せる。


 彼が煙草を吸うたび、彼がそこにいるって気づけるから。


 ベッドから降りて彼のところに行こうかなと思った…けど。


 ゆるやかに靡く白いレースのカーテンの向こう。


 月明かりに浮かぶ、彼のシルエット。


 ベッドの上でアヒル座りをしながら。


 私は静かに、煙草を吸う彼の後ろ姿を見つめていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 彼の煙草の匂いなら許せる。というところに共感しました。自分も煙草を吸う人間なので、彼女はどう見えているのか、どう感じているのかなんてことを考えながら読みました。とてもいい作品を、ありがとう…
[一言] たばこ、私は吸いませんが何となくわかる気がします 知らない人のタバコの臭いは嫌いなんですけどね…
[良い点] 彼の煙草は、存在確認できる安心剤なのですね。 私も煙草が苦手なのですが、この煙草ならゆるせるかもしれません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ