■ キャラ紹介と用語解説⑧ ■
主に第39章から第43章までのキャラ紹介です。
年齢と民族の隣に、初登場回もしくは名前の初出回を記載しています。
◆ショーンが出会った人々◆
【ロビー・マーム】 29歳 土栗鼠族 第40章
僕に感謝してくださいね。ゴーイングマイウェイなサウザス役人。オーガスタス町長に気に入られ、銀行員だったところを役場職員にスカウトされた。両親は酒場ラタ・タッタで太鼓隊として活動しており、たまに聴きに訪れている。ああ、なんて親孝行な息子だろう。
【フェアニスリーリーリッチ】 21歳 蒼鷲族 第39章
ふぅーん、しごできなんだ? 生意気で自由な女の子。エミリアとラン・ブッシュとは警察学校の友人で、寮が同室だった。退学処分になったあとは、職を転々とクビになっている。ルオーヌ州出身で、クロスボウの腕前は州で2位の実力の持ち主。一人称は「フェアニス」。飛べる。
【ノア】 24歳 銀片吟族 第40章
そんな法律は知らねえな。仕事熱心な掃除人。冷たく虚ろなノア地区で、明るく元気に生きるペンギン。遠く離れた故郷から、自分と同じ名前の土地に来たようだ。高いところと水辺が好きで、人の名前と顔を覚えるのが苦手。飛べない。
◆ノア大富豪の関係者◆
【キアーヌシュ・ラフマニー】 77歳 腰猿族 第32章
時計塔に住まう謎の大富豪。若い頃はシュタット州で質屋を営んでいた。ソフラバー3兄弟を長年支援し、気づけばルドモンド大陸屈指の大富豪に。時計塔の『守り人』として、17年前にノアに移住してきた。ノア地区の大工事の発起人でもある。
【キューイ・キューカンバー】 38歳 九官鳥族 第43章
はぁーい、秘書でぇーっす♡ 大富豪キアーヌシュの唯一の秘書で、唯一顔パスで時計塔に出入りできる人物。都市長秘書オーレリアンとは、良き友人でライバル。全身黒ずくめの服を好んでいるが、下着の色はド派手らしい。飛べる。
【ソフラバー兄弟】 照衾鼠族 第42章
彼らは止まらない夢を追い続けている。手先が器用で人あたりのいい長男カーヴィン、発明家で没頭気質な次男カヤン、勉強家でアイディアマンな三男カディールの3兄弟。シュタット州の小さな馬車修理店から、三輪式軽自動車ギャリバーを発明した。彼らが設立した『株式会社キンバリー』は、いまやルドモンド大陸一の大企業へ。飛べない。
◆ノア都市長の関係者◆
【ゲアハルト・シュナイダー】 55歳 洞穴熊族 第42章
彼はノアに不幸が訪れるたび、隈の涙を流すらしい。ノア都市を治める、厳格な地区長。夜行性民族ながら都市長として活躍している。5人のお子さんと5人の秘書がいる。サウザス病院長ヴィクトルとは旧友の仲。目の下の黒涙のような隈は年々伸びているようだ。
【ジークハルト・シュナイダー】 19歳 洞穴熊族 第42章
ただ数式を解くのは数学マニヤ……学者ではない。都市長ゲアハルトの次男で、ベルゼコワの兄。この間の帝都の数学コンテストで金賞をとった。数学者を目指しているが、研究対象が見つからず苦悩中。類稀なる言語の使い手。たまに父から経済計算をまかされている。無職。
【ベルゼコワ(ペトラ・シュナイダー)】 17歳 洞穴熊族 第42章
次元を超越せし超異物者。都市長ゲアハルトの3番目の子で、ジークハルトの妹。猛暑でも酷寒でも常にゴシックドレスを着こんでいる。本名はペトラだが、冥府王ベルゼブブの妻を名乗っている。公衆衛生学をまなんでおり、将来活かしたいと思っている。無職。
【オーレリアン・エップボーン】 37歳 伽藍鳥族 第42章
はーい、秘ー書でーす。都市長ゲアハルトの昼の秘書を務めている、大柄で華やかな男性。秘書室は彼の趣味でピンク色に塗り替えられており、他の秘書は誰も近づきたがらない。自宅の猫脚バスタブで、泡風呂に浸かるのが趣味。正論と愚痴を言いがち。飛べる。
◆ノア銀行の関係者◆
【エドウィン・リバレッヂ】 29歳 朱犬族 第41章
ノア銀行の営業。ロビー・マームとは同期で良き友人。爽やかなスポーツマンで、つるんとした涼果を好む。熾烈な競争ノルマがあるノア銀行員の中でも、優秀な成績をおさめており、なぜか未亡人の顧客が多いようだ。独身。
【イヴァーン・ペトロヴィッッチ】 52歳 雪虎族 第41章
いやあ、いけませんなあ! ノア銀行のでっぷり太った広報部長。ゴマスリと根回しを得意とし、特に同胞である雪虎族の財政状況には詳しい。両親はオックス州出身だが、すっかりノア都市の空気が気にいっており、帰る気はないようだ。
【花火】 70歳 雪虎族 第41章
古き良き時代の大女優。オックス州出身、貧困家庭に育ちながらも、その美貌によりスカウト。過激な濡れ場も演じきり、帝都にて大女優の地位を築いた。代表作は『帝都の花びら』『夕陽の射景』。40代で女優業を引退し、5度目の離婚を機にノアに移住。現在は『峯月楼』というファンロン風レストランのオーナー。
◆トレモロの人々◆
【デヴォラ・カルバーロ】 33歳 土栗鼠族 第39章
ただ真実を知りたいのです。サウザス病院の医師ロナルド・メンデスの元妻で、看護師。ハシバミ色の肌を持つ体格のいい女性。トレモロの木工所出身で、現在は娘イザベラをつれて故郷に戻り、木工職人と再婚している。庭リンゴを片手で握りつぶすのが得意だ。
◆クレイトの人々◆
【ジル・ジーナ】 年齢非公開 猫狼族 第40章
夜の猫とオオカミはお好き? 猫狼族が集うパブ『ペイルムンド』のマダム。元クレイト劇場の歌姫で、大スター、ブルネッラ・ヴァアルチェローナの教え子。一線を引いた今は、自分のパブで次の歌姫を育成している。『エイブ・ディ・カレッド社』のCMソングを勤めている。
【ヴァレンティーナ・ヴィッキ】 23歳 猫狼族 第40章
ファンはこの時期が一番推しがいがある。マダム・ジル・ジーナの下で、クレイト劇場の歌姫を目指して下積み中。歌姫候補のなかではすでにファンも多く、次の四色奏になれるのではと期待されている。実家は家具職人で、昼は家具の販売員をしており、彼女目当ての客が絶えない。
◆有名なアルバ◆
【マダム・ミッキー】 昔の人 桃白豚族 第3章
アルバたるもの、彼女の呪文の世話にならない日はない。はじめて家事呪文というジャンルを作った呪術師。屋敷の料理人であり、独学でアルバとなった異色の経歴をもつ。時の編纂者メイラード・エクセルシアによって、その功績を認められた。彼女のつくった家事呪文が、現在のアルバの中でもっとも使用頻度が高い。
【メディゴダイバ】 昔の人 荒針鼠族 第27章
あの方がたったひと撫でするだけで、傷も心も癒えるのだ。偉大な医術師であり治癒師。治癒呪文をはじめて区分し、体系化した人物でもある。彼女がつくった「10の治癒呪文」をすべて会得するには、スーアルバほどの実力がないと難しい。戦場では敵味方問わず治療にまわり、矢に射抜かれて亡くなった。
【パーシアス・ミケネ】 昔の人 森栗鼠族 第7章
偉大なる小さな冒険家。帝国調査隊という職業をはじめて作ったアルバ。騎士として戦場を巡り、ルドモンド全土を駆け、地域ごとの動乱調査を行い、大陸の治安維持に貢献した。大富豪の家の生まれだが、財産を彼の代ですべて使い果たし、晩年は、信じられないほど粗野な掘立て小屋に住み、雑草をかじりながら生涯を終えた。
●用語解説●
【ノア地区】
金と歯車と台形の都市。巨大なノア岩盤の上に形成されている。州都クレイトの東隣に位置し、工業と軍事を担っている。夜行性民族が多く住み、近年では金持ちが多く移住してきている。古くは防衛都市として機能し、州の独立と勝利に貢献した。昔は「箱と歯車と台形の都市」と呼ばれた時代もあった。大富豪キアーヌシュ主導のもと、近々大工事があるようだ。
【ファンロン州のバッコウ山】
その山肌には、この世のすべての色が塗られてる。ショーンが愛するお茶の生まれた地。ファンロン州の北にある山脈で、数々の品種の茶葉が植えられ、極彩色の山肌をしている。ファンロンで一番観光客が訪れる土地だが、山の侵入と居住に関しては、州で厳密に管理されている。
【株式会社キンバリー】 第2章
さあ、冒険のはじまりだ。シュタット州のソフラバー三兄弟が、三輪式軽自動車ギャリバーを製造販売するために設立した株式会社。32年前からギャリバーを売りはじめ、現在ではルドモンド大陸一の大企業になった。近年、CMソングにアイドルデュオ・デッカーを採用してから、ますます好調になった。
【エイブ・ディ・カレッド社】 第40章
エイブ・ディ・エブリディ♪ トランシーバーの製造販売をしており、帝都に本社を持つ。本来は電信機のメーカーなのだが、ライバル社に押されてしまい、副業のトランシーバーのほうが好調である。CMソングにクレイトの歌姫マダム・ジル・ジーナを採用している。
【籠列車 カラーカ・ヴァゴン】 第41章
カラーカ・ヴァゴンはただの輸送手段じゃないの、ロマンスが生まれるところなの。ノア都市を周回している籠列車。カラーカと呼ばれる赤銅色のワゴンで、線路上に100台ほど走行している。少ない燃料で動くはずだが、なぜか料金は非常に高い。たまに風巻の物売りがやってくる。
【トランシーバー エルク・ムース】 第41章
ショーンと紅葉の新たな仲間。『エイブ・ディ・カレッド社』で購入した、ともに中距離用のトランシーバー。エルクのほうがラジオ付き。警察幹部でもないかぎり、一般人は短距離用のトランシーバーを使用している。せっかく中距離用を買ったのだから、さぞかし役に立つだろう。




