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80話

「コラボカフェっていうから期待してなかったけど、けっこうおいしかったね」


「うん、うれしい誤算だね」


「俺達はアルカナパパさんの食べっぷりでそういうの吹っ飛んだけどな……」


 楽しいカフェでお昼ご飯の時間が終わり、会計も済ませて秘ちゃんと感想を言っているとシリウスさんにツッコまれた。

まあ見慣れてる僕でも毎回圧倒されるし、初見のみんなにとってはマンガに出てくるような時間操作系能力を使ったようにしか見えないだろう。


「まあこれはこれで珍しいものが見れたってことで!それより予定してたランチは終わったけど、これで自由解散?」


 ルピナスさんがそう尋ねると、MEIさんがこくりとうなずいてから答える。


「そうですね。とはいえみなさんもう帰るわけじゃなくこれからもファン感謝祭を見て回るでしょうし、予定が合って保護者の方の許可ももらえたなら一緒に見て回ってもいいのでは?」


「りょうかーい。ボク達は企画エリアに行って遊ぶつもりだよ!玉入れとか射的とかしたら限定グッズが手に入るんだ」


 ルピナスさんがまず提案し、続いてリンさんも予定を発表する。


「わたしはもうすぐ中央のステージで始まる小早川ぶらすちゃんとフレンドリーファイアさんのトークショー観に行こうと思ってます!」


 小早川ぶらすちゃんは人気の女子高生アイドルで、フレンドリーファイアさんは売れっ子のお笑い芸人コンビだ。

どちらもDFOにドハマりしていることで有名で、これまで公式ラジオに出演したこともあると事前に今回のDFOファン感謝祭について調べたときに紹介されていた。

ルピナスさんの提案に乗るのも楽しそうだが、事前に調べたとき秘ちゃんが小早川ぶらすちゃんの登壇の方に興味を示していたので僕としてはリンさんの提案の方が魅力的だった。

というわけで、保護者組とも相談した結果ルピナスさん・シリウスさん・兄ナスさん・MEIさん達は企画エリアに遊びに行き、僕達を含めた残りのメンバーはトークショーを観に行くということになった。


「じゃあ一旦ここで解散だね。今日は会えてうれしかったよ、これからもDFOでよろしくね!」


「俺も楽しかったよ。次はログインして会おうな」


「それではみなさんファン感謝祭を目一杯楽しんで下さい」


「はい!みなさん、今日はありがとうございました!!」


 こんな感じにルピナスさん達と別れて、僕達は中央のステージへと向かった。

今回は予約など出来ないので後ろの方で遠く小さなステージを見ることになるが、現地でこういうイベントを観れるというのはそれでもうきうきするものだ。

僕達はどんな話をするのかな、などと雑談しながらトークショーの開始を待つ。

すっかり仲直りした秘ちゃんとリンさんは小早川ぶらすちゃんの話題で熱く盛り上がっていた。

僕はあまり興味がなかっただが、女子中高生にカリスマ的人気を持つという噂は本当だったらしい。

これを機に僕も彼女について勉強して秘ちゃんと共通の話題を増やすか……と思っている内に間もなくトークショーが始まるという会場アナウンスが入る。

一気にステージ周辺の観客の声が静まったあと、始まる陽気なBGM。


「DFOファン感謝祭にお越しのみなさーん!こんにちは、小早川ぶらすです!!」


「はいこんにちはー!フレンドリーファイアの友道と!」


「弓崎でございます!みなさんDFOは楽しんでいらっしゃいますか!?」


 BGMに合わせて主役の3人も登場し、ステージ周辺は拍手に包まれる。

もちろんDFOを楽しんでいるかという質問には声を合わせてはーい!!と答えた。

その後始まったトークショーでの最初の話題は現時点での最新コンテンツを3人がどう楽しんでいるかというもの。

ステージ中央のスクリーンに彼らの実際のプレイ動画が表示され、あそこは難しかった、あの報酬はうれしかったと赤裸々な感想が語られていく。

フレンドリーファイアのお2人はかなりディープなプレイヤーらしく高難易度にも挑んでいたし、小早川ぶらすちゃんもライト層なりにエンジョイしている様子がうかがえる。

同じゲームが好きとなると今まであまり興味のなかった芸能人でも好感度上がっちゃうな……


「アルカナ、小早川ぶらすちゃんってけっこうDFOハマってるんだね」


「うん!ライト層だけど攻略情報きちんと調べてから挑戦する堅実派のプレイヤーでね、《ヴァンガード》で公開してる攻略情報もチェックしてたりしてくれないかなーって夢見てる!」


「メイン職業はアルカナさんと同じ魔法剣士(マジックナイト)らしいしあり得ると思います!ほら、今も動画でぶらすちゃんのキャラが魔法剣士で攻略してる!!」


 秘ちゃんとリンさんは大興奮でそう語った。

なるほど、確かにスクリーン上にはヒューマンの女性キャラクター――(れい)という名前の魔法剣士がダンジョンを攻略する姿が映っていた。

アルカナのようにもう1人でいいんじゃないかな……レベルの活躍ではないが、攻撃・補助・妨害・回復とマルチに役割をこなす戦いっぷりはなかなかのものだ。


「ぶらすちゃんドワーフやブラウニーは選ばなかったんですね?」


「そのへんは可愛いけど性能尖ってますからね、なんでもそつなくこなすヒューマンが鉄板です」


「おー、ゲーマー思考!!」


 そんな感じにトークショーは続き、次の話題。

今注目しているコンテンツの話題になり、小早川ぶらすちゃんはこんなことを言った。


「実は最近闘技場の試合動画もチェックしてるんです」


「闘技場!?ディープなところ行きましたね……注目のプレイヤーはやっぱり?」


「はい、”絶対王者”のクウさんです!」


 そこで会場は大きく盛り上がり、僕のテンションも高まる。

クウさんいいよね!えー、小早川ぶらすちゃん目の付け所がいい、これから応援しようかな。


「他にもすごい選手がたくさんいて……この前終わったばかりの前シーズンのまとめ動画も熱かったです」


 小早川ぶらすちゃんがそう言うと、スクリーンで闘技場のまとめ動画が再生され始める。

先月の動画と同じく一番目立っていたのはクウさんで、最高ランク・エトワールでの無双っぷりが大画面で繰り広げられる。

他にもエトワールの注目選手の1人としてぽぷらさんが登場し、あの人本当にすごい人だったんだなぁと思っていると動画内のBGMが切り替わり、どん、とテロップが入った。


『闘技場史上2人目の快挙・期待の新星ついにエトワールへ!』


 そして映ったのは中級者ランク・プルミエの試合――僕とミロさんの試合動画だった。

えっ、こんな大画面で自分が闘ってるところ映るのすっごい恥ずかしい!!


「えっ、クウとそっくりなプレイヤーがおる!」


「そうなんですよ!人間離れした操作もクウそっくりで、初挑戦した前前シーズンからストレート昇格でエトワールに昇格しちゃったんです」


「へえ!何者か気になるね!!」


 トークショーの話題もなんか僕のことになってる!

あたふたして秘ちゃんの方を見るとなんか満足げに後方腕組彼女面していた。

まあ彼女面じゃなくて彼女だから全く問題ないんだけども!!

ふり返って見てみれば兼光くんも全開の憧れオーラで僕の方を見ている。

その後トークショーの話題は別のことに映ったもののなんだかいたたまれない気持ちで過ごすことになったのだった。


 その後ちょっとドキドキした気持ちのまま会場内をぐるっと見て回り、リンさん達とも別れて帰宅することになった。

きちんと挨拶してから解散し、密おじさんが運転手を呼び寄せて来たときと同じく高級車でゆったりと帰路につく。

ちょっとびっくりしたけれど、初めてのオフ会&リアルイベント、目一杯楽しめたな!

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