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Universe Create Online  作者: 星長晶人
第三章

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闘技場

生産パート、いつ入るんでしょうか

戦闘パートが続きすぎるのでここらで切る予定なんですけど

 メンバー達の活躍もあってリザードマンの群れは半分にまで減っていた。なので俺はメロとリオを変え、紫と緑を構える。……この四挺は普通の銃と形が違うので入り切らず中途半端な形になってしまう。新たにこれら用のホルスターを作成しなければならないだろう。


『あたしはホロだ』


『あ、あの、チイって言います』


 先程の話を聞いていたのか紫と緑は俺が装備するとすぐに名乗った。


「……そうか。では頼む」


 俺は簡潔に言って二挺に魔力を込める。二人の半透明だった身体が『実体化』し、俺のMPがかなり持っていかれる。

 メロとリオが戻って全快した俺のMPだが、再び激減してしまう。


「食い散らかしますよ!」


 直前まで気弱そうな雰囲気だったチイが、ニヤリと笑って体勢を低く構える。……ルインと同じ匂いを感じた。


「あんま鮫っぽく振る舞わないで欲しいんだけどな」


 活発なイメージを受けた一番鮫に近い印象のホロが気落ちした様子で言いながら、しかし容赦なくリザードマン達を切り裂いていく。……確かホロは頬白鮫だったな。鼬鮫のチイの方が危険な性格だったということか。頬白鮫は確かに映画の影響で怖いと言う印象が強いだろうが、危険度一位は確か鼬鮫の方だったと思われる。

 チイは貪欲に獰猛な本能のまま、リザードマンに襲いかかり食い散らかしていく。最も力があるメロや特殊な攻撃があるリオ、総合的に能力が高いホロだが、チイが一番獰猛で攻撃と素早さが高いのだろう。敵を蹴散らす速度は一番である。


「……」


 更に言えば俺が引き金を引くと放たれる鮫も頬白鮫が紫色をしており、鼬鮫が緑色をしていた。おそらく銃が持つ属性なのだろう。ホロが紫電、チイが樹木の属性を持っている。残る二人は水属性だ。それは当たり前だろう、鮫は水の中にいる生物だ。これは推測だが絶滅種である二体の鮫に対抗するため、普通の鮫には特殊な能力をつけ足したのだろう。あながち間違ってはいないと思う。

 検証結果、四体も四挺も強い。それも俺が持つ武器ではかなり強い。というより今ある武器でもかなり強い部類に入ると思われる。


「……ふむ。それで、お前達専用のホルスターだがどう作れば良いのだろうか」


 俺は四人に聞いてみる。……本人に聞くのが一番だと思ってのことなのだが。


『いや、私達に聞かれても。ただ両側にヒレがついてるから普通のホルスターじゃダメよね』


 するとリオが呆れたような口調で言った。


「……俺もそうは思う。だがそれではホルスターとして提げられないのではないかと思うのだが」


 俺はしかし、リオの意見を聞いたが実行出来るとは思えない。何故なら側面と上にヒレがあるからだ。ヒレがあると普通のホルスターでは対応出来ない。と言うことは特殊なホルスターを作るか一々アイテムバッグから取り出すかの二択しかないのだが、流石にアイテムバッグから取り出して戦うのは『早撃ち』が出来ない。俺の戦闘手段が一つ消えることになるのは、かなりの痛手だ。


「……りょう、おうちかえる」


 俺が四人の『実体化』を解いて銃として戦うと、弾丸として放たれる鮫に意識があるようで放たれたそのまま周囲の敵を倒すことが出来る。だからすぐに倒してリザードマンの群れを殲滅すると、クーアがぷくっと頬を膨らませて不満そうに言ってきた。


「……ああ」


 俺は内心で苦笑してクーアを抱え、四挺を適当にホルスターに収めると全員でギルドホームへ戻っていった。


「……まうまうなの?」


 ギルドホームに戻った俺達だが、しっかり構ってやった上機嫌のクーアがこてんと首を傾げて聞いてきたが、全く何を言っているか分からない。


「……さあ、どうだろうな」


 だから俺は当たり障りのない答えを返したのだが。


「……かたら、りょうがまうまうしないって」


 クーアは俺の腕から抜け出してカタラに泣きついた。……何故だ。と言うか「まうまう」とは何なのだろうか。


「……そう。酷い人ね、まうまうしないなんて」


 カタラは理解のある微笑みを小さく浮かべてクーアの頭を撫でていた。……いや、「まうまう」とは何だ。カタラは知っているのか。


「そう言えばリョウさん、遂に闘技場(コロシアム)が解禁されるようですよ。イベントではないですが、自由参加のトーナメントが開催される予定らしいです。トーナメントのルールは二つ。両方共個人戦ですが、武器と戦闘スキルなしと全戦力を使った何でもありのルールになります」


 リアナが話題を見つけたのか元々話そうと思っていたのか、そう言った。


「……つまりリアナは出場したい訳だな」


「はい」


 俺がそう言うとリアナは恥ずかしそうに頬を染めて頷いた。……個人戦のトーナメント。しかも何でもありのルールと武器禁止と戦闘スキル使用禁止がある変則ルール。いや、変則ルールではなくこの場合はガチンコバトルと言った方が良いのかもしれないな。確かに面白そうではある。というか、素手ならリアナが優勝する可能性はある。


「……確かに面白そうだな。優勝したら何かが貰えるのか?」


「はい。闘技場(コロシアム)では開催者が出場料を貰う代わりに賞品、賞金を出す。……ああ、逆ですね。代わりに出場料を取る。そうやって自由に開催することが出来るんです。もちろん参加者が集まらないとダメなので賞品がそれなりに豪華だったりするんですけど」


 つまりリアナが参加したいと思う程には賞品か賞金が良いと言うことだろう。


「それでリョウさんに相談したいんですけど、私と一緒に大会に出てくれませんか? ……その、一人だと少し心細いと言うか」


 リアナは少し照れたように頬を掻いて言った。……俺が、か。どちらでも良い代わりにどちらでも優勝は出来なさそうだが。


「……分かった。俺は両方に出場しよう。他に出場したい者がいれば参加しても良いぞ。だが、やるからには優勝を目指す」


 俺は頷き、しかしメンバーを見渡して言った。


「…………それで本題なんですが、大会まで少し時間があるのでそれまでに私を鍛えてくれませんか? 闘技場(コロシアム)は大会を開催してる時以外訓練場としても使えますし」


 リアナ以外のメンバーが真剣な表情で頷いた後、リアナが少し気まずそうな顔でそう言った。……それは早く言って欲しかったな、リアナよ。俺にも恥というモノは存在するのだぞ、顔には出ないが。

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