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Universe Create Online  作者: 星長晶人
第二章

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59/88

全員と~大浴場で~

タイトル通りです


若干リョウがキャラブレしないでもないです

あと、不快だなと思ってしまう方、すみません


ストーリー的に一緒に風呂入った程度で覚えていただければ

 ログアウトしても子供の俺は自由に行動するので作業を中断して食事を摂るためにログアウトする必要がなく、楽ではあった。……ただ、俺の見ていないところで何かやらかしていないかは心配だったのだが。

 そうしてイベントでレヴィとティアーノとペアを組んで知り合いとは全てイベントに参加してしまい、残るはビーチバレー大会だけとなったので生産と戦闘に勤しんでいる子供の俺と仲間達を見ながら運営の依頼について考えていた。


 そんなある日のこと。無事四回戦を突破しベスト(エイト)まで勝ち上がった《ラグナスフィア》は、子供姿の俺を見つけてテンションが上がっているユイと共にギルドホームでのんびりしていた。と言っても片手間に生産を行っている。

 ユイの「テーアちゃん、クーアちゃん、リョウ君の順に並んで写真撮ろうよ!」という一言から始まった撮影会を経て疲れたらしい子供の俺は少し元気がないように見える。そんな子供の俺を見てクーアが心配そうにうろちょろしていた。

 ……ユイもなかなか良い提案をする、と俺は思った。実際テーアをクーアが抱えクーアを子供の俺が抱えると言う並び方をすると可愛い。その後しばらく三人での撮影が多かったのだが、メンバー達が参加し始めユイの提案から身長の低い順で並び、前の人を抱えて家族写真を撮るなどして充分にメンバー達が癒されていた。俺も密かに癒されていた。ティアーノやウィネやレヴィの膝に座らされて胸が頭の上に乗っていたからではないぞ? 可愛いクーアとテーアに癒されたのだ。


「……」


 遂に、子供の俺がウトウトし始めた。……疲れたのなら寝ると良いのだが。


「……りょう、ねむねむ?」


 クーアが眠そうな子供の俺に声をかける。


「うん。だけど、僕、皆でお風呂入りたいな」


 クーアに声をかけられて目を擦った子供の俺は、無邪気な笑みを浮かべて言った。


(((可愛い、けど、流石にお風呂に一緒に入るのはちょっと……)))


 だが子供の俺の可愛さでも、メンバー達が躊躇する申し出だった。


「ダメ?」


 瞳を潤ませてからの上目遣い。


「「「分かった(わ)。一緒にお風呂入ろう(りましょう)」」」


 ショタコン開発されているメンバーは一発で堕ちた。キリッと真剣な表情をして提案に乗ってしまった。……お前達、しっかりしろ。仮にも俺だぞ。

 俺はそう告げたかったが、届くハズもない。……まあ良いか。俺は脱衣所かその外で待機していれば良いだけの話だからな。入ったとしても天井を見ていれば大丈夫だろう。

 俺はそう思って諦める。……子供の行動に一々ツッコんでいたらキリがない。


「ありがとっ、お姉ちゃん達♪ 大好きだよ♪」


 子供の俺はパァ、と笑顔を輝かせて無邪気に言う。


(((……っ! わ、私(オレ)も大好きだ(よ)!!!)))


 メンバー全員が漏れなく悶絶させられる程の破壊力であった。


 ということで十三人はギルドコアで拡張した銭湯並みの大浴場にして風呂に向かう。クーアも「……おふろ、おふろ」とテンションが上がっている。……ゲーム内で風呂に入ることなどあまりないからな。俺も温泉にしてこちらで温泉を味わうというのも良いかと思っている。


 ……それより俺はどこまでついていくのだろうか。


 背後霊と化した俺は遂に、脱衣所まで来てしまっていた。……出ようとしても出られない。背後霊生活も長いので分かったことが色々とあるのだが、子供姿の俺と違う部屋には行くことができないということは分かっている。まさかここでも適応されるとは思わなかったが。


「警告:ここから先は年齢制限がかかります。十五歳以上ですか? はい。いいえ」


 不意にそんな表示が現れた。……メンバー達が服を脱いでいる。十五禁なら全裸までは見せて良いのだったか。俺は十五歳以上だが「いいえ」を選択した。「はい」なら否応なく浴場に入れられそうだったからだ。


「いいえ、あなたは十五歳以上ですね? はい」


 ……ふざけているのだろうか、ここの運営は。「いいえ」を選択したら逃げられなくなってしまったぞ。選択肢が「はい」しかないとはどういうことだろうか。

 俺が逡巡している間にもメンバーは脱衣を進めていく。しばらく悩んでいると、


「これは期待以上に依頼を果たして下さったリョウ様へのご褒美です。拒否は不可能となっております」


 という新たな表示がなされた。……これが褒美? 運営よ、お前達は何を考えているのか。十代男子に若い女性の裸体を見せるなど間違いが起こっても仕方がない状況だぞ。俺でなければ元の身体に戻った瞬間どうなるか分かったモノではない。俺は比較的耐性がある方なので問題ないが。

 俺は仕方なく、「はい」を選択した。すでにメンバー達が服を脱ぎ裸体になっていっているのでここでも危うい。……できるだけ見ないようにはしているのだが。


「……おふろー」


「走ると危ないよ、クーア」


 真っ先に全裸のクーアが元気良く扉を開け放って浴場に突撃していき、それを子供の俺が嗜めながらゆっくり入っていく。それに続いてメンバー達も浴場へ。……何故かアカリは風呂に入るというのにまだ晒を巻いている。どれだけ胸元を見せるのが嫌なのだろうか。だが腰にタオルを巻いていることについては「……グッジョブ」と言いたくなる。他のメンバーは紛うことなき全裸だからだ。それにしてもアカリは本当に線が細いな。腰もキュッと括れて女性のようだ。


 俺も子供の俺が入ってしまったので後に続いて浴場に入っていく。すると新たな表示がなされた。


「ここでは以下の行動が禁止となります。瞬き。天井を見上げる。壁を見つめる。目を瞑る。視界を遮る。子供より先に出る」


 ……おい。何が何でも俺にメンバーの裸体を見ろと言うのか? 良いだろう、それなら見てやろうではないか。「美」つく女性プレイヤーが多く存在している《ラグナスフィア》メンバーの他の男性が羨む裸体を。脳内保存し写真に収めてパソコンに移し、子供だと言うことに託けてスキンシップをしまくろうではないか。

 ……流石にそれはやりすぎか。脳内に永久保存で留めておこう。


 しっかりと煩悩を果たす辺り、俺も十代男子の精神らしかった。


 カッと目を見開いて上からメンバー全員の裸体を眺めた俺は、思わず凝視してしまった。アニメでよくある白い光や湯気などで隠されることもなく、剥き出し丸ごとの全裸が見えたからだ。……目を逸らすことは許されないので必然的に凝視することになるのだが。というか瞬きぐらい解禁してくれても良いと思う。視線を逸らしたくても逸らせない引力にも似た力が俺に働いているようだ。リリスに魅了された時よりも魅了されていた。

 ……というか俺はいつの間に裸になったのだろうか。服を脱いだ覚えはないのだが。


 俺はそこで気づいた。子供の俺が全裸だ。何だか恥ずかしい。子供にしては少し引き締まった身体をしているが、色々とあどけない部分があって恥ずかしい。と言うかモザイクをかけてくれ。子供時代とは言え俺の裸体を凝視されるのは羞恥心を煽る。


(((……ちょっと、大きい)))


 どこを見ているのだ、お前達は。

 メンバー達の視線と心の声に、俺は恥ずかしさと呆れが半々であった。嬉しい訳がない。誰か弟か兄がいて男の裸に耐性があるヤツはいないのか。大体そんなマジマジ見つめるモノではない。せめて視線を逸らしてくれ。


(((……記憶が曖昧だけど、お父さん(親父)のより大きい?)))


 誰と比べているのだ、止めなさい。父が可哀想だろう。こんな年端もいかない少年に超えられてしまったとあれば。……大体本当に「了少年」がその大きさだったのかは謎だからな。性に興味があるらしい諸君よ。リリスは結婚して旦那のを見れば良いと思う。というか恋人を作ってそれを見なさい。俺が恥ずかしいから。

 少なくとも子供の頃より大きくはなっていると思われるので父の股間--ではなく沽券に関わる問題だ。止めてあげなさい。


「お姉ちゃん達、そんなにジロジロ見られたら恥ずかしいよぅ」


 だが流石はユイの兄。両手で股間を隠すとモジモジしながら、恥ずかしそうに顔を真っ赤にして上目遣いをした。


「ブフッ」


 ルインがあまりの可愛さ故か鼻血を噴いて倒れた。……お前は苛められそうな男に弱すぎる。それがすでに手中だとも知らずに。


「「「お姉ちゃん達が、身体を綺麗にしてあげるからね~」」」


 そしてメンバー達が怖い笑みを浮かべて手をワキワキさせながら子供の俺に近づいていく。……何をする気だ、お前達。まさか十八禁指定されるようなことをするのではないだろうな。


「うん!」


 子供の俺は分かっているのかいないのか、無邪気に頷いた。メンバー達は何かに取り憑かれたように身体(特に胸)にボディソープを垂らしていく。そしてそのまま子供の俺に近づき、一斉にくっついてきた。……ヌルヌルで柔らかい感触が感覚リンクのおかげ--ではなくせいで全身に感じた。

 ……流石にこれはマズい。俺の理性が飛びそうだ。俺に耐性があるのは妹が中学の時まで(つまりほんの数ヶ月前まで)一緒に風呂へ入ることがあったからで、妹以上のスタイルの女性の感触を知ってしまうのはマズいのだ。


 ……そうして俺は、何とか理性を制御しつつ浴場で欲情などという洒落にならないダジャレにならないよう注意を払いながらも耐えて、ビーチバレー大会も無事優勝し第二回イベントを終えた。

 俺にとっては精神的に疲れる期間だった。もう少し短くても良かったと思う。今回は緊急イベントがないようで、すぐに結果発表へ移った。

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