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Universe Create Online  作者: 星長晶人
第二章

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クノと~墓場迷路で~

今日はオールです……orz

執筆作業じゃないのがまた辛い(笑)


あと、途中でカタラの話が出てきて混乱するかもしれません、すみません

 クノ、テーア、クーア、子供の俺(と背後霊と化した俺)の四人(五人)が来たのは墓場迷路だった。


「……みんないっしょ」


 テーアをクーアが抱え、テーアを抱えたクーアを子供の俺が抱え、テーアを抱えたクーアを抱えた子供の俺をクノが抱えている。……なんとややこしい状況だろうか。

 こんな状態でどうやって戦うのかと言えば、子供の俺が四本腕にして二本の腕でクノに掴まり、残る二本の腕で烈火と閃光を手繰り銃弾で戦っている。あとクノが『投擲』で攻撃している。

 そうやって進んでいくのだが、ほのぼのした空気は消せない。ここでもやはり二回の遭遇戦があるのだが、相手がポカンとしていた。


 どうやらそれも子供の俺の作戦だったようで、三人を抱えて突っ込んでくるクノは遅く相手が油断する。そこで子供の俺がテーアを抱えて跳び、二挺の銃を乱射して敵を倒すのだ。……不意打ちの使い方がユイにとても似ている。やはりユイの影響を受けていると考えるのが妥当なようだ。


 敵が出現しても四人の格好は変わらない。……俺も飽きて空中に頭の後ろで手を組み寝転んでついていく。

 クノの心の声が「……可愛い」や「……守る」ばかりなのでどうしようもない。どうやらテーア、クーア、子供の俺の心の声が聞こえないのでAIには効果がないらしい。

 『心意』も使えないスキルだ。俺としてはテーアとクーアの心を読み取って望むことを出来るだけさせてやろう、と思っているというのに。というかそれでは仲間の心を読み取って仲間が望む連携を行うことにしか使えないのではないだろうか。仲間での連携はギルドチャットでも出来る。それに『心意』は常時発動スキルなのでレベルが順調に上がっていくのだが、ギルドメンバーの次はパーティメンバーだった。……これがもっと早く入手出来ていればアカリとの初対面ももっと上手くやれていた気がする。今更後悔しても後の祭りだが。


 『心意』のスキルレベルが上がってもAIの心が読めなければボスモンスターの心を読んで戦うことなど出来ない。『心意』のスキルレベルが上がって出来るようになったことは仲間の心を読むことで、更に上がると感情が強さになるというよく分からない効果が追加された。

 つまり俺が幼虫に殺意を持って戦うと攻撃力が上がるとかそういうことだろうか? 実際に試せる訳ではないので分からないが。


 因みにカタラとのペアで貰えた報酬(またスキルの書だが)は、『王子の口づけ(プリンス・キッス)』という謎のスキルだった。……正直よく分からないのでいらなかったのだが、子供の俺が宝箱を開けてさっさと習得してしまったので仕方がない。使わなければ良いだけの話だからな。

 効果を見てみると、かなり良いスキルではある。


 異性の身体のどこかにキスをすることでどんな状態異常でも治してしまう。ディープキスをするとHPの回復まで行えるようだ。だがキスしすぎると魅了状態になってしまう。アビリティにも【王子の魅了(プリンス・チャーム)】などというモノがあるので余程だろう。口づけすると無条件に魅了状態にしてしまう恐ろしいスキルだ。俺以外の手に渡らなくて良かったとも思うが、他にこれを手に入れたプレイヤーがいたら女性プレイヤーが全てそいつのモノになってしまうということも考えられる。末恐ろしいスキルである。【王子の投げキッス】というアビリティは当たれば強い魅了状態になってしまうようだ。

 おそらく悪用する者が現れれば修正が加わるだろう。


 ……カタラもこんなスキルはいらなかっただろう。というか男性プレイヤー専用スキルだ。使い勝手が悪い上に魅了状態にする対象が女性プレイヤーだけとなると使うことはないだろう。


 因みにだが、カタラが貰った報酬のレアアイテムは成功確率上昇の効果を持つ『鍛冶』用の鎚だ。カタラが珍しく嬉しそうにしていたので欲しかったアイテムなのだろう。


 難なくボスまで辿り着く四人と背後霊。


 カタラは結局最後まで見せることはなかったが、俺が渡したオリジナルスキルは『劫火無双』。戦国武将を模した劫火を身に纏って戦うスキルだが、その姿を俺は運営に任せているので知らない。

 因みに、これに伴って新たな属性攻撃スキル、『無双』シリーズが追加された。……ティアーノはすでに『氷晶無双』を習得していて、カタラから「……私だけ皆持てる」と不満を言われてしまったので今また新たなオリジナルスキルを考えているところだ。


 クノには『影の暗殺者(シャドウ・アサシン)』と言う召喚魔法に見せかけたスキルを渡している。その効果は影で出来た暗殺者を召喚する――ように見せかけて影から暗殺者を作り出す。何故召喚魔法にしないかというと、召喚魔法とはモンスターや従者を召喚する魔法だ。難易度は高くなるが、従者として召喚するよりも自分の意思で操った方が強い。召喚された従者はAIとなっているが、そこまで高度なAIではないので応用が利かない。それだったら自分の意思で動かした方が強いと思ったのだ。

 クノがかなり練習したことは見て窺える。何故ならスキルレベルが上がって三体の影で出来た暗殺者を操りながら、自身も自由に行動しているからだ。テーアとクーアを抱えての行動なので少し制限されているが、自在に動いて動かせているのはクノの練習の賜物だろう。

 クノ達四人がいるおかげで、子供の俺はボスに集中出来ている。キングネス・ゴーストと対峙する子供の俺は時折ゾンビを踏みつけて空中戦を繰り広げていた。


 『跳躍』、『空中跳躍』、『一旦停止』、『不可視の壁インビジブル・ウォール』、そして『空中殺法』。


 それらの空中戦用スキルを駆使しながら、『見切り』で相手の動きを読み、『変幻弾丸(プロティン・ブレット)』を放ってボスを圧倒している。

 ……俺が目を見張ったのは『見切り』と『一旦停止』のコンボだ。

 まず『空中跳躍』でボスに向かって跳ぶ。そこに攻撃されれば受けてしまう可能性があり、HPも三割減している今の俺ではかなりの大ダメージになってしまうだろう。だが『見切り』によって相手の動きが読めている子供の俺にはその攻撃が来ることが分かる。そこで、『一旦停止』を使う。もちろん最大限に使うのではなく、攻撃が過ぎるまでの数秒だ。すると『一旦停止』が解けた後に攻撃は去っていて、更に『空中跳躍』の勢いを殺すことなくボスに再突進出来るのだ。流石はAI。スキルの使い方が上手いな。


 程なくしてボスと周囲の敵が全滅し、見事クリアしてみせた。


 ここで俺が手に入れたスキルは『ゴースト・ハンド』というモノだった。……またスキルの書か。仕方がないのかもしれないが、そろそろ俺もレアアイテムが欲しい。今回はクノが欲しそうな高級研磨セットだったから仕方がないのかもしれないが。

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