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天気晴朗ナレドモ水ノ月  作者: 伏見 七尾
五.振りさけみれば
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四.

 途端、青い瞳が一瞬見開かれた。そして、今度はスワロフが視線を泳がせる。

「や……やっぱり、いいわ」

 うわずった声で言いながら、スワロフは逃げるように身をひいた。雪のように白い肌が、今にも湯気が上がりそうなほどに紅潮している。

「しっかり見ろと言ったじゃないか」

「う、うるさい!」

 スワロフは激しく首を振ると、ぐびぐびと酒を呑んだ。

 三笠は眉をひそめつつ、たどたどしい手つきで盃に酔い覚ましの水を注いだ。

 夜はゆっくりと更けていく。


 河内が訪れたのは、その翌日の事だった。

「こんにちはキャバレー先輩!」

「……うむ」

 元気よく片手をあげる河内に対し、三笠はげっそりとした顔でうなずいた。

 河内はそろそろと手を下ろし、首をかしげた。

「……どうしたの? なんか顔色が死にたての死体みたいな感じだけど」

「いや……なんでもない。気にするな」

 三笠はゆるゆると首を振った。河内の声が頭に響き、重い痛みをかき立てる。

 河内は首をひねりつつ、家の中に上がった。


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