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I See All 英語圏生活文化情報辞典
出版社:学研
編:堀内 克明
ISBN 9784051043216
ページ数:1008ページ
定価:5340円(本体)
発行年月日1990年
(https://www.books.or.jp/books/detail/92099 より)
猫だけでページが埋め尽くされる辞書がある。
それが学研の『英語圏生活文化情報辞典 I SEE ALL 』だ。
用法としては普通の英和辞典だが、全ての項目にオールカラーの写真と英語圏の文化背景の簡単な解説があり、簡易Wikiとして機能する。
一応逆引きすることで和英辞典にもなる。
例。
Walnut くるみ
クルミ科で外見的特長、食用部位、なんに使うか(樹木部分含む)。原産地、由来(古英語での表現)を網羅。
以下引用。
(4)クルミは隠れた知恵を表すほか、長寿、多産の象徴とされ、ギリシアやローマの結婚式で出された。Black walnautはジュピター(Jupiter)の木とされ、威厳、力強さ、粘り強さを表す。中世には其の木下に魔女が集まったとされる。
クルミの項目一つでファンタジーの短編かける。
小説を書く人は結構勉強する人が多い。多いというか学校の授業や体験はそのまま小説のネタになる。
学校をとうに卒業している人でも色々勉強していたりする。とりあえず自分の現状に不満爆発で愚痴と嫉妬のツイートを延々と繰り返し他人を貶めているよりは何か学んでアウトプットしている方が精神衛生上良い。小説を書く人ならウィキペディアだけではなく辞書を持っていてもいいと思う。『空の名前』とか『チョコレート語辞典』などがあると知るとときめかないだろうか。料理用語辞典とか警備法の基本知識みたいなマニアな本もある。新しい世界に誘い、今までの自分を再定義する羅針盤。それが辞書なのだ。
例えば類語辞典をご存知だろうか。
小説では一文の中に無駄な繰り返し表現は使わない。
Web小説でもテンポが悪くなる多重表現は避ける。
例。
鴉野は『言う』を多用する癖があるが。
『言う』『喋る』『話す』『語る』『述べる』『申す』『仰る』の、使い分け例、実際の文章での禁止表現が表になって乗っている。
文字打ち込んで調べるWeb辞書より確実で速く、片手間に直しが出来る。
さて。かつて偉大なるアメリカを作った男がいた。
大逆罪を犯して呑気に乾杯していた連中ではない。
文化や思想が統一されていない混沌の国。
移民の国であった以上、思想や文化が違う親子たち。
牧師は教師の訓練を受けておらず、教室はひとつ。七〇人くらいの子供たちが年齢を問わずに授業を受ける。それもイギリスの英語の本で。
その教育状況を憂慮した偉大な人が、のちの辞書の代名詞を作ったノア・ウェブスター。
あまりにも売れすぎて著作権制度の整備までした偉人の中の偉人である。
「ウェブスターの著書は『スペラー(綴字法)』『グラマー(文法)』『リーダー(読本)』。
この三つをアメリカ式思想とキリスト教の一貫した思想で描いた。この教科書は五世代に渡って愛用され、アメリカ人の精神の指針となった。思想でアメリカ大陸を統一したのだ。ちょうど戦乱の世の中を茶の湯で自分の都合の良い世界にせんとし志半ばにして豊臣秀吉に殺された千利休のように。また彼は『アメリカ英語』の祖となった。
さて、『英語圏生活文化情報辞典 I SEE ALL 』に話を戻そう。あなたが誰かの知識を使うときは注意しなくてはいけない。知識は危険な刃物である。使いこなしているか他人を傷つけていないか実は情報が古いか自問し続けて欲しい。例えば『スニーカーは日本人の発明』と辞書に書いていることもあるが現在では俗説と思われている。エアーズロックに登れるのは今年まで(2019年10月26日以降は登山禁止)だ。この本は版を重ね副題もよく変わっている。『英語圏生活文化情報辞典』(私が手に入れたもの)、『カラー図解英語』などサブタイトルも変わる。世界情勢も変わるので再定義が行われる。
仏教でも夫に従えとか死んで男になり救われるみたいな現在ではあれな記述があるため議論が始まっているしキリスト教も意外と最近公式に地動説を認めた。世界認識を示す羅針盤は揺れ動く。それほど恐ろしいものなのだ。
可能なら最新版と言いたいが変わらない事実もある。例えばマザーグースは彼らの文化ではわかっていて当然であり実に4ページもの文章と図説がついている。言葉がわかるのに話が通じない事態を防ぐために大変有効なのだ。逆を考えてみれば『そのように読者になって欲しい』という編纂者の思惑がわかるはずだ。
言葉がわかるのに思いがわからない文化が理解できないなら。ただ著者の意思に呑まれない心があるなら。あなただけの心の旅のためこの辞書を手にとって欲しい。あなたの旅の軌跡が織りなす物語、もしよければ聞かせて欲しい。場合によってはレビューします(おい




