歌う暖炉【短編】
作品タイトル:歌う暖炉
作者: 黒森 冬炎さん
冬童話企画投稿作品のファンタジーです。
作者さんの「魔法召しませ」シリーズの一つでもあります。
短編の魅力は身近な、短い文章で全く違う世界にあなたをいざなってくれることではないでしょうか。
甘い甘い物語、ぽかぼか暖かい気持ち、優しい歌声。
そして遥かな回想と魔法。全てがここにあります。
ちょっと休んでこの炎のやさしさに包まれてみてはいかがでしょうか。
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この歌う暖炉がある森小屋を見つけたあなたへ
[2020年 12月 31日 00時 04分 (改)]
古の蜘蛛たちが遺した巣がキラキラふんわり守るヴツブルクの森。
人々の祝福記した石碑は今や礫になり川の枕と成り果てました。
この森の奥にある番小屋で、今も芝は弾け薪が心地よい音を立て甘くにがい香りと共に暖炉の炎は燃えています。
煙が目に染みることはあり得ません。炎はあなたの瞼を重くしてくれます。
人の記憶にも神の記録にも儚くなった今も暖炉さんは歌います。
忘れた母の歌。古の英雄の歌。滅びた村や町の祭り歌。
ひょっとしたら最近のVtuberやヴォーカロイドも教えれば歌ってくれるかもしれません。
ちょっと休んでもいいでしょう。急ぎの旅ですか。
1400を数えて眠りにつくくらい許されるでしょう。
あなたの来訪をずっとずっと前から待っていました。
凍える身体を癒し震える心を温めて、旅に出ましょう。
あるいはずっとここにいるのもいいかもしれません。
作品タイトル:歌う暖炉
作者: 黒森 冬炎
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