アシュリー・バークレーは告白が伝わらない!【短編】
作品タイトル:アシュリー・バークレーは告白が伝わらない!
作者:紫陽花さん
子供のころから夢見あったり遊んだりしていた幼馴染。
冷静に考えたらお互いの良さを近すぎる故に見えていなかった。かなりよくある。
加えて自分のことをよく知る相手には気恥ずかしいことがかえってある。
あるいはツンデレは創作の世界では可愛いが実際にいたら息をつくように愛する人を傷つける性格破綻者もしくは人生経験拗らせすぎタイプであり、よくて共依存にしかなりようがない。
ありがたいことにアシュリー嬢の幼馴染は極めてマトモだった。
もちろんアシュリーもまともな性格のまともな令嬢である。
お互いをよく知っていて、お互いに好意を持っている。
なのに、何故婚約が成立しないのか!!!?
単純に家格で劣る男を迎えると家が乗っ取られる可能性があるので彼には出世してもらわねばならないが、何故武官として出世しようとするのか。待つ女の身からすれば心配で仕方ない!
加えて彼と彼女はお互いをよく知っている。
知りすぎている。
あーといえばやーと意思疎通するレベルで知っている。
なのに改めて言葉をしたためて文にしてラブレターにし、いざ婚約成立を目指そうとすると。
通じない!
こっちの思いが通じない!
通じない!
あちらの好意に気づけない!
地球の表面に太陽からホームランボール投げても距離的には届いても大暴投になるわ。それくらい届かないこの想いを如何にしよう!? とりあえず出世とか良いからケガとかしないでお願い大好きこの想いだけは気付いて無事でいて!
この物語ははたから見るとこれ以上はないほどお似合いなのに、本人からすればそれどころじゃないラブコメディである。
============
幼馴染が倒せない
投稿日:2020年11月27日 04時15分
幼馴染への愛に気づいた主人公。文をしたため改めて彼に告白することにした。思ひでは億千万。
「え、なに俺やられるの」
「はい?!」
幼馴染曰く。
「ほら、縦読みしたら呪い」
「そんな意図はありませんわ!」
仕方ないから縦読みを仕込むと普通に買い物をされてしまう。これでは『剣の訓練後に毎日温かいスープを差し入れてあげたい』とか書いたら絶対別の意味で喜ばれる。この世界にはおそらくみそ汁はない。
家督相続できず剣士として大成を目指す幼馴染は彼女に家格にて劣る。貴族の義務としてこのままでは別の男のもとに嫁がねばならない。それは嫌だ!
都では武術大会が開かれ、幼馴染はそこに参加する。彼の身を案じて彼女はハラハラ。周囲は彼の心配より恋文を出しては爆死する彼女にドキドキ。さてその末は。
あなたの拙くても誠実な恋文をお待ちしています。ちょっと遅くてもかまいません。
作品タイトル:アシュリー・バークレーは告白が伝わらない!
作者:紫陽花
https://book1.adouzi.eu.org/n1069gq/




