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ありそうでなかった! 三〇〇回以上 #小説家になろう に #レビュー した記事をコピペでまとめ!  作者: 鴉野 兄貴
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#ファンタジーが生まれるとき #魔女の宅急便 とわたし #角野栄子 #書籍

角野 栄子 著

岩波ジュニア新書

刊行日:2004/12/21

184ページ

内容説明

「想像力」,それは人であればだれでも持っている魔法だ.ご存じ『魔女の宅急便』の作者が,幼いころからの体験と重ねながら,みずからの童話作家としての歩みと創作のひみつを語ります.水平線という一本の線の魔法,主人公の名前のちから,物語のとびらが開く瞬間のこと…….あなたのすぐ隣にある不思議に気づかせてくれます.



■内容紹介

 アニメ映画化され大ヒットした『魔女の宅急便』.角野栄子さんが描く原作の方では,すでに四冊目までが刊行され,あのかわいい魔女のキキは17歳になりました.空を飛べる,というたった一つの魔法で,いろいろな体験を積みかさね成長していくキキ.『ファンタジーが生まれるとき』は,そんなすてきな物語をつむぎだす童話作家の自伝的エッセイです.

 幼い頃にお母さんを亡くしてから「むこうの世界」を強く意識するようになったこと.ブラジルへの船旅で毎日毎日水平線のかなたに目をこらし何かが現れるのを待っていたこと.そして窓をあけたその瞬間に吹き込んだ風の魔法…….そんな体験のひとつひとつが,どんなふうに角野さんの物語に入り込んでいるのか,創作の秘密も語られます.

 いま世の中は,きらびやかな魔法がつぎつぎ飛び出す大仕掛けなファンタジーが大流行.「そんな作品も,いつかは書いてみたい.だけど……」という角野さん.「だけど……」のつづきにある角野さんのファンタジーへの思いを,この本を通して感じとってください.

 あなたの日常のなかにも,「不思議」のとびらが開けられるのを待っているかもしれません.ちょっと目をこらしてみれば,ほんのちょっとの想像力を働かせてみれば,あなたにもきっと見えるはずです.


*角野栄子さんの公式ホームページは、

 http://home4.highway.ne.jp/kiki/ です。



目次

1空想の世界

  自分を救う力/人さらい

2私の本棚

  父のひざのゆらぎの中で/私だけの本/「いい気持ちライン」

3むこうの世界

  宇宙船になった帽子/大きな力/壁族と柱族

4「はじめまして」と自分にいう

  効率の悪い人生/声にのって物語がたちあがる/自分のために書き続けて

5魔 女

  旅立ち/記憶の宝箱/魔女をたずねて

6物語の生まれるところ

  扉が開く瞬間/主人公の魔力

7魔女キキと私

  名前はだいじ/わけのわからない自分/不思議が動き出す

8音とことば

  窓をあけて/ルイジンニョ先生/風景のあることば


本書で紹介されたおもな本



著者略歴

角野栄子かどの・えいこ

1935年東京に生まれる.1957年早稲田大学卒業.出版社に勤務した後,1960年からブラジルに2年間滞在.1970年頃より絵本,童話の創作をはじめる.『ズボン船長さんの話』で旺文社児童文学賞,『大どろぼうプラプラ氏』で産経児童出版文化賞大賞,『魔女の宅急便』で野間児童文芸賞,小学館文学賞などを受賞している.このほか「(アッチ・コッチ・ソッチの)小さなおばけシリーズ」『なぞなぞあそびうた』『新魔女図鑑』『かいじゅうトゲトゲ』などの作品,翻訳『ねむれないの,ほんとだよ』(ガブリエラ・ケセルマン文/ノエミ・ビリャムーサ絵)などがある。

(※岩波書店さんのホームページより)

 魔女の宅急便自体はスタジオジブリからアニメ映画になっているので作品をご存じの皆様は多いのではないだろうか。


 しかし筆者(鴉野)に関してのみ述べれば原作を読んだ覚えはない。

 余談だが2014年にも『魔女の宅急便』実写版映画が制作されている。


 なので創作論とか作者の自伝から先に読むのは珍しいケースである。

 だって図書館入り口のお勧め児童書コーナーに置いてあった。いわゆるひとめぼれ系の選書である。


 著者、角野栄子(かどのえいこ)氏は五歳で母を亡くし、戦乱の影響を受けつつ成長する。

 デビューしたのは遅咲きの35歳。


「300ページ書いてきたよ!」

「え。70ページなのですが」


 そこには『オパ。どうしよう』『チャオー』『オー・メオ・ディオス』と羅列されており町の通りの名前等などは正確なブラジル語で描かれていた。対象読者は日本の子供なのだが。


 これは25歳でブラジルに実費移民した彼女の語学における師匠である少年がスーツを着て踊りながら実際の買い物などを通した形でブラジル語を叩き込む方式をとったことに由来する。


 このように本書は作者の人生を通して『魔女の宅急便』を書くに至るまでの自伝であり、読書遍歴であり、また器用に生きるとは無縁の生活を通して生みだされた『ファンタジー』の力を教えてくれる物語となる。



 見えないものは存在しない。

 科学で測れないものを信じるのは馬鹿らしい。


 彼女自身も幼少期はそう考えていた。

 物語好きのお父さんと盆の日に帰ってくる母達を迎える。人さらいに遭うなどの体験を経てついには、弟と喧嘩をして帽子を汽車の外に投げ捨てられた際、『あの帽子はいまだ宇宙船として旅をしている』と空想できる子供に成長していく。



 既知は既知以上のことを教えない。

 想像力があればない世界も作り出せる。

 予想外のことが起きても笑って新しい世界に旅立てる。


 ゼロか1かの世界より、マイナスの世界があるとしたほうが世界が広がるように。



 日本人としての価値観を論じたり本当に魔女に会ったり。子供を育てるために胸に画板がばんを吊り下げて幼女の隙を伺い一文字だけでも書く人生が始まる。

 読者はよくわからないが自分が読者になって声に出して読む。重複や言いにくい部分は清書する。子供の書いた絵の中に理外の世界におけるオシャレを見出す。


 ほら、黒いローブにマントの魔法使いが座るほうきが髪の毛のようにたなびいて三つ編みが少ししてあるってかっこよくないかしら。それにラジオがついていたらゴキゲンじゃないか。


 飛び立つ思いを少しづつ形にしていこう。

 世知辛い世を外からみたら案外きれいかもしれない。


 苦しくて悲しくてそんな時に、何気なく窓を開けたら異国の風と共に『なんとかなるさ』と思う時が来る時があるかもしれない。


 とびらをあけて。


 今日のファンタジーを生きるのだ。


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