フェンダー・ストラトキャスター【削除】【旧版あり】
作品タイトル:フェンダー・ストラトキャスター
作者:水卜みう さん
初恋はひとを狂わせる。
こころを曇らせ、あるいは掻き立てる。
呆然とここにあらずとさったこころをもとめ、怒り狂うかの如く激しく我々の胸を掻き立てる。
少女たちにとって其れは音楽の響きがそれに相当したのだろう。
場所は北国北海道。
各地より集まった少年少女たちは大学生となり大人の仲間入りを果たす。いや、大人でも子供でもないモラトリアム期間を学業と音楽の間で過ごす。
北海道の珍味に舌を喜ばせ、雪の音に耳を澄ます。
振るえる寒さに寄り添う温もりと爆発するかのようなbeatに身を任せ、青春のさけびを鼻腔に溜めて。歌う。
うっとおしい男たちを回避し、歌いたい歌いたいと集まった少女たちは、ひとりまたひとりと集い、その情熱を声にして放つ。
それは生きる事。LIVE。
それは愛すること。LOVE。
きっとこの歌声は、北海の氷をも焦がす。
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北雪をも溶かすほど音に焦がれた少女たちの歌声に震えろ
投稿日:2020年11月16日 22時27分
北海道に集うなら夏はビールフェス冬は雪まつり。奇しくも軽音楽に魅せられ集う女の子たち。
女の軽音楽は仲間づくりで挫折するらしい。よしんばメンバー募集の段階に進んでも嫌な目に遭う、アルバイトは怪しいものばかり、怪しい大人やナンパ男やキャッチに捕まる。
しかし、万難を排して同士を得たならそれは一生の宝となるだろう。サークル仲間。同期の男性バンド。小さなライブハウスのスタッフ。ときめきが形になった楽器たち。
うまくいかないときは基本練習。一周回って勉強したり友達と遊んだり妙な配信バイトをこなしたりで音楽漬けの気分転換。
北海道の観光名所をめぐり北の味覚を満喫し恋に背を向けおしゃれどころじゃない。
少女たちは情熱を全てライブに注ぐ。
不細工だって売れなくたってそんなものは私たちの音楽を奪えやしない。
一般チケット千五百円。読者無料席確保済。どうぞ特等席にてご覧ください。
作品タイトル:
作者:
【本編削除】
【旧版】https://book1.adouzi.eu.org/n6524go/




