虐待を受けていた後輩が一皮むけるまでの備忘録【完結】
作品タイトル:虐待を受けていた後輩が一皮むけるまでの備忘録
作者:ドロセラ さん
虐待や差別を鴉野は否定していない。
むしろそういう事があるのは人間の本質だし、逆に身内に優しい人ほどそういう事をすると考えている。尤もその『身内』がどれ程広いかは個人による。
忘恩も悪事も、それを行う際に自分こそが正義だと考えるのも『自由』だと思っている。
ゆえに感じる。『自由ってめんどくせえ』。
自由というか、粗暴で、悪意に満ちていて、それしか知らない人間も鴉野は知っているが、そいつらに言われるまま善意を示すと大いに奪われるだけ奪われることも鴉野は知っている。
だから、ある程度の損切りは必要だ。
『お断りします』
自由には己の傷と向かい合う勇気が必要で、それは支えあう愛が力となる。
尤もその二つを持ち得るには、成功経験が必要であり、大変難しいのも理解している。
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君は読書の好きなシンデレラ
投稿日:2020年11月12日 21時02分
後輩は今日も無口に読書に励む。彼はぐーたら眠る。お互い好きに生きる。相手を気にしない。
可愛いけどどっか見窄らしい女の子。テキトーな先輩。このままでは会話のない部活でギネスブック認定間違いなし。
ホコリだらけの放送部室は天国だ。なんと放送しなくていいし話をせずに済む。講義の合間を寝て過ごし物資を溜め込みゴミ箱の如く私物を溜め込んで悠々自適。
そんな一人部室はいつしか二人部室になってしまった。
後輩は今日も無口に読書に励む。彼はぐーたら眠る。お互い好きに生きる。相手の嫌なことは気にしない。相手の悩みは共有する。
可愛い後輩。そっぽ向きつつ小指を絡めて微笑む彼。
そこにはただ父のように、母のように、兄や姉が年下を想うような優しさがあった。
このまま平和に会話のない部活動も悪くはない。
ここに至る経緯をあなたの旅立ちのきっかけにご覧ください。
作品タイトル:虐待を受けていた後輩が一皮むけるまでの備忘録
作者:ドロセラ
https://book1.adouzi.eu.org/n1332gp/




