悪魔が降りて、種を蒔く【完結】
作品タイトル:悪魔が降りて、種を蒔く
作者:赤井"CRUX"錠之介さん
悪も善も金も思想も宗教も力無き人間が社会を築くために生み出した『嘘』であり、『皆がその価値を信じている』から成り立つのは語る必要はない。
私事だが語らせてほしい。筆者は昨今のコロナ騒動で『正義』ということに疑いを覚えた。正義という名前で誰かを打たねば気が済まぬ心理を他人に、自分に見出したからだ。筆者はSNSという存在に疑問を感じた。確かに『今の気分』が伝播していく姿はなかなか有用なツールだが皆が皆てんで勝手に主観を述べて責任を取らない。報道機関にしても似たものだがまだ形として残るので『少しマシ』程度には読む価値がある。
筆者はSNSを辞め、小説を書くことを諦め、もう少し本を読むことにしようと誓った。筆者のような愚か者は余計な情報を得ると余計混乱すると再認識したのだ。
しかしだ。
あらゆる暴力も、国からすらも自由なほど強く。
あらゆる情報を精査し、処理できる知性を持ち。
よってあらゆる思想や善悪に縛られないなら。
その者は幸せといえるのであろうか。
多分、孤独であっても孤高でいることはできる。それは社会があればこそだが。
翻して孤高でありながら孤独であることは、たぶん成立しない。
本作はそのような『怪物』が自らを倒すために行う戯れの犠牲者を描く物語である。
黙っていれば、そして自分の強さを妄信していれば。きっと幸せ。愚かだからこその人生もある。だが主人公たちはそれを踏み誤ったのだ。
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悪魔は悪『人』ではない。
投稿日:2020年10月20日 00時55分
人間は150人以上の集団を作ることができないらしい。だから神を作り思想を作り善悪を考え宗教を生み出し天国と地獄を唱えだした。
では悪魔は? 多くの学説では敵対宗派や部族であったとされる。例えばヘラクレスから親友であるヒドラを守るために踏み潰されたカニのように。これは残虐な怪物とされるヒドラを命懸けで守らんとした者がいたことを示しヒドラの真相を後世に伝えている。
だが。神でもなく、人の身体を持ち、人の心を理解せずともただ存在できるものはなんと呼ぶべきか。
国家も宗教もなくただ生き死にできる強きにして弱きもの。善も悪も超越したものが戯れに自らに歯向かうものを生み出さんとするなら。
それは。悪魔を超えた『怪物』である。
日常に潜む恐怖を知りたくないならば、そっとこの先から目を閉じてください。きっと自分の強さを妄信したままでいられるはずです。
作品タイトル:悪魔が降りて、種を蒔く
作者:赤井"CRUX"錠之介
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