10日後に婚約破棄される公爵令嬢【完結】
作品タイトル:10日後に婚約破棄される公爵令嬢
作者:雨野六月さん
100日後に死ぬワニだの1000文字で死ぬ主人公だの期限限定の物語が流行っているのか最近はこの期限を区切ったお話がジャンルとして確立されているようで大変良質な話が読める。
この物語は10日後には婚約破棄されてしまう令嬢のお話なのだがどう考えてもそりゃ面白いだろという設定の秀逸さが光る。期限が限られているため多くの小説家になろう作品における悪役令嬢ものとして破滅に抗うストーリーを期待してみたらそうでもないのも良い。人間は数日で高潔にも慈悲深くもなれない。
嫉妬に狂い、暴食を貪り、肉欲に惑わされ、敵の敵は味方という。まず敵を殲滅してからことに当たるべきだ。あるいはしっぺがえしの法則が示唆することは必ず一回は反撃を行うことを学習させなければいけない。
主人公はこの原則に基づき、婚約者に近づく愚か者に忠言を与え、剃奴が多くの男に粉をかけていると知ればその裏どりをするのだが……なぜか微妙に人が良い主人公はことごとく裏目に出てしまい、卒業単位すらおぼつかない羽目に陥る。
そしてその愚痴だかボケだかに付き合わされる教師との関係を邪推する者がいるとは露にも思わない。そんな悪役になれない女の子のお話にあなたは共感を禁じ得ないはずである。
悪役令嬢は嫌でも王妃になれなくても。
破滅回避のために努力をしなくても幸せにはなることを諦められない。愛する人や家族を大事にしたい。
そんな女の子たちのお話に興味はありませんか。
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悪役令嬢と呼ばないで
投稿日:2020年08月12日 12時34分 編集
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大好きな婚約者に平民の愛人ができたらしい。
破廉恥極まりないので注意し警告する。最近は身分を問わず重用するがそれとは別物だ。
恋のライバルを追い落とすために裏どりも万全だ。あっちこっちで貴族の子弟に粉をかけているらしい。
「あの娘が誘うのです! 僕に微笑んできたらこりゃ行けると」
「女性をなんだと。大問題なので後で沙汰を下しますから覚悟しなさい!」
敵の敵を減らしてどうする。
婚約者を愛しているから、愛妾も認めねばならないのだろうか。
「ねーねー先生先生」
恋より立場より先生に落第しそうな単位を強請る方が先ではどう転んでも国母にはなれない。だけどだからこそ彼女は魅力的なのだ。
打算で愛するもの。妥協を探るもの。立場をわきまえてしまうもの。全てをひっくるめて意地悪しつつもお人好し。
彼女は悪役じゃない。この後発表される幸せな卒業単位の行方をご覧ください。
作品タイトル:10日後に婚約破棄される公爵令嬢
作者:雨野六月
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