僕は婚約破棄なんてしませんからね【完結】【書籍化】
僕は婚約破棄なんてしませんからね
作 : ジュピタースタジオ 絵 : Nardack
2020年4月2日/ISBN 9784758092562/四六判 本体1,200円+税
「き……、きゃああああ───!」
第一王子の僕の婚約者になる、公爵令嬢のセレアさん。十歳の初顔合わせで、悲鳴を上げて倒れちゃいました! ええええ!?
なになに、思い出した? 君が悪役令嬢? 僕の浮気のせいで君が破滅する? ひどいなその設定の僕。
でもね、そんな『イベント』とか『設定』なんて関係ないって。
一緒にいるうちに、控えめで優しい君が、どんどん好きになってきているんだから!
でも、ヒロインだという女の子に会ったとき、強烈な胸のドキドキと、運命の鐘が頭で鳴り響いて……。
これが”強制力”?
それでも僕は、絶対に婚約破棄なんてしませんからね!!
これは、乙女ゲーのストーリーという過酷な運命にラブラブしながら抗い、ゲームの強制力とイチャイチャしながら戦う、十歳から始まる王子と悪役令嬢の物語。
(一迅社ホームページより)
僕は婚約破棄なんてしませんからね
作者:ジュピタースタジオさん
悪役令嬢、婚約破棄はたくさん描かれた結果完璧なテンプレが出来ている稀なジャンルらしい。誰でもかけてそこそこ面白いのだそうで。
本作は毎回設定上は『身分にこだわらず(※だいたいのヒロインさんは平民)文武両道(※毎回毎回悪役令嬢が主役なら作劇上バカにせざるを得ない)かつ美形な理想の王子様』が悪役令嬢に幼少時に引き合わされたらどうなるかの矛盾を華麗に書いている。
まず、王様って大変だぞ。今と違ってパソコンとかないし記録もあんまりないし。ソ連は中央集権をやろうとして失敗している。今は逆に簡単らしいので民主主義が揺らいでいるらしいが。
そういうワケで王様とか王妃とかは産まれた時から教育が必要で、婚約って真面目に重要である。これを破棄して王妃教育を受けていない『天真爛漫で誰にでも愛想がいい』平民を妻に迎えるのは正気の沙汰ではない。国が、国民の生命に直結する問題だからだ。
まず、婚約者が目の前でぶっ倒れた。
そんなに自分の顔が不味いのかって思う。
プライドだって傷つくだろう。
しかしここは理想の王子様。傷つき謎の妄想にかられる婚約者の話を真摯に聞いて攻略本を自作し(!)未来のよくわからない凶事に備える。
何故なら自らの行いが国を、国民の生命と直結しているからである。
そうやって悪役令嬢を名乗る全然悪役でない婚約者と共に国を正しく導こうとする。
これが理想の王子様ってものである。
反して、某人気作品の御姫様は主人公に糞とかビッチとか言われているが鴉野的には『民を守る義務を生まれながらに持つ人間ならば異世界人一人程度はだましだまされ利用しは普通の行動範囲じゃね』なのである。
理想の王子が最高の王になった時、どれだけ苛烈な決断を下せるかは王道にない自分には想像もつかないが、少なくともこの二人は幸せであってほしいと感じる良作です。
しかし、行きつく時まで行ったなあこのジャンル。
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ジャンルが円熟して行きつくところまできた悪役令嬢物語
投稿日:2019年09月16日 22時10分 編集
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王子が主役である。転生って何さ婚約者さん。
初対面の婚約者(※幼女)曰く、自分は将来家や国民の都合や幸せを無視し私情に走って婚約者を捨てて王妃教育もしていない平民を王妃に迎えようとするらしい。
冷静に考えてメッチャクチャ無礼である。
子供の頃に可愛い女の子に顔をみられただけで倒れられたら普通にトラウマになる。
奮起する王子はゲームとやらの攻略本を作り、怯える自称悪役令嬢を励まし、少女と未来をすくうために奔走する。
こんな舐められたままじゃ男じゃない。
ここで愛せないなら人じゃねえ。
婚約者も愛せないのにモテメンになれるはずがない。
泣いている子供をすくえないなら大人じゃねえ。
転生知識はないけど婚約者直伝ムーンウォークすーいすい。
これが、これこそが本来の設定上の『文武両道身分を問わず気さくで好かれる王子』の再現である。
是非ご一読を。
作品タイトル:僕は婚約破棄なんてしませんからね
作者:ジュピタースタジオ
【書籍化】
https://book1.adouzi.eu.org/n3708fp/




