誰も知らない勇者の去る日【完結】
誰も知らない勇者の去る日
作者:紫生サラさん
八方よし。楽してズルして褒められたい。
叶うことなら働かずして讃えられたい。
そんな気持ちはないだろうか。鴉野は不労所得欲しい。宝くじ十一億あたらないかな~。
しかし宝くじは買わねば当たらぬように万事代償というものはあるものだ。
なんの冒険もなく、苦労もなく、誰かを救うことができる本がある。ただ名前を書き込むだけという簡単仕様である。
反面、その本に名を刻んだ人間は消える。
死ぬというが消えるのである。あらゆる記憶が、生きた痕跡が世界から消える。
それによって世界は人間にとって都合のよいなにかの恩恵を与えるとしたら。
その本に名を刻めるだろうか。
愛する人がいるならなおさら躊躇するだろう。
誰かが止めてくれるなら辞めるだろう。
この物語の登場人物たちは誰かが止めることもできないまま、本と関わり、人知れず消えていく。
あなたが忘れた勇者をあなたの魂は忘れていない。
あふれる謎の涙はそんな奇蹟の証明かもしれない。
※なろうリーディングシアターで朗読候補に選ばれたらしい。
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理由もわからず涙があふれたその理由を
投稿日:2015年12月17日 22時56分 編集
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街角で。知らない部屋で。行ったことのない場所で。
ふと足が足が止まる。
涙が溢れだして聞こえない声を求めて耳を澄ます。
記憶にない香りを求めて、懐かしい味を探っても涙と鼻水でなにも感じることはできない。
あなたは盲目になる。
勇者になれる方法がある。
世界を救うために大冒険をする必要はない。
ただ名前を書くだけで人類は救われる。
そして、その名を刻んだ人間の存在は消滅する。
記憶の隅にすら、彼や彼女が刻んだ痕跡を残すことはできない。
あるものは自棄になって。
あるものは愛するモノのために。
あるものはすべてを満たしたがゆえに。
あるものはただそのままに。
誰かが勇者になる。
誰もが勇者になれる。
誰も勇者になることはかなわない。
この物語を読み終えたあと、流れる涙はあなたのために勇者となった方の残した痕跡なのかもしれない。
作品タイトル:誰も知らない勇者の去る日
作者:葦原佳明
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