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ありそうでなかった! 三〇〇回以上 #小説家になろう に #レビュー した記事をコピペでまとめ!  作者: 鴉野 兄貴
16-20

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#大鉄人17 #特撮

大鉄人17

ジャンル特撮テレビドラマ

原作石森章太郎

脚本伊上勝

上原正三

江連卓

熊谷節

安斉あゆ子

監督山田稔

若林幹

内田一作

出演者神谷政浩

竹井みどり

中丸忠雄

小林恭治(声)

ナレーター小林恭治(本編・次回予告)

小林恭治・神谷政浩ほか番組出演者ものしりコーナー

オープニング「オー!!大鉄人ワンセブン」

エンディング「ワンセブン讃歌」

(wikipediaより)

 筆者は古い特撮作品の大味さが好きだがこの作品は二時間くらい語れる自信がある。

 それが『大鉄人17』(※17でワンセブンと読む)である。



 どんな話か。



 昭和50年代。とある田舎の村にてトラックでお輿入れをする姉を見守る少年。

 戦後の悪夢が晴れ、未来に希望を抱きだしたころその悲劇は起きた。


 突如起きた地割れで親は死に姉も死ぬ。

 悲劇の源は地中に潜む巨大電脳知性ブレイン。


 とある科学者が生み出したブレインは地球上の命を守るために人類を絶滅すると結論した。

 強大なロボット群と世界征服の野望を胸に出奔する科学者。ブレインは科学者を『君』をつけて呼ぶようになった……。



 少年はとある巨大ロボットと出会う。

 ブレインの生み出す扇風機型、ローラー型、冷凍攻撃能力と多彩な人型に留まらないロボット。

 その中でも際立った彼の個性は『自分の意思と心を持つ』という事。彼は人類の存在こそが必要と結論しブレインと対決することを選んだ。


 そのために選んだ選択とは奇しくも復讐に燃える少年と友情を育み、共に歩むこと。それは悲喜劇の始まりであった。


『大鉄人17』


 この物語はハードで優しく悲しい、昭和の時代でなければ生まれなかったSFである。


 やべえとか作戦失敗だと思ったら速攻引く敵味方!

 一般人に避難誘導を試みつつ率先して闘い、味方の損害を可能な限り抑えようとする両陣営!


 大鉄人17に指示を与えることができると判明したら速攻狙撃部隊を派遣する敵陣営!


 ロボットいなくても戦闘が成立!

 エンディングは陸上自衛隊の映像の流用!

 特撮でありながらミリタリー! 熱い!



 敵陣営のボス、ブレインさんがとってもホワイトで悪に見えない。


 人類を滅ぼすと結論しているが無限の超生産能力持っているのでその気になりゃいくらでも待てる。

 犯罪者やはみ出し者を積極的に雇い入れたり拉致したりして役割と無限の供給支援と個室まで与えてくれる。

 ただし『質問は許さない』『人間に答える必要は無い』『ワンセブンは破壊しない』などのニンゲン側の都合は無視する。



 この物語は人工知性を生み出しつつ翻弄される人の物語であるとともに人に翻弄されてしまう新たな種族の物語である。


 人間のうつくしさ。みにくさ、情けなさに触れ、彼らはそれぞれ異なる結論を出すのだ。



 敵味方共に捕らえた敵に『こいつはプロだ。拷問しても無駄だ』とか『レッドマフラー隊に裏切者になる人間などいるわけがない』とか双方敵に対する評価が絶大でかっこいい。


 基本この世界の人間はすぐ撤退すぐ和平交渉を素早くまとめまともに軍人しているのだがオフも楽しむ。


 敵幹部が釣り姿で現れる。意味わかんない? 俺もわかんねえ。彼が亡くなるときはあれだけ闘った相手なのにレッドマフラー隊に庇われている。命を懸けて殺し合い騙し合うが、それは職業軍人としての戦いであり、和平交渉もすれば形勢が不利になる前に逃げるなど行いあった仲である。


 そんな人間たちはまだインターネットなどもない時代。偏見が支配し、経験が全てで、あくまで個人単位の利害等から逃げられないのに対してワンセブンやブレインはそういうのに縛られていない。前半は敵ロボットを直接電脳知性が操るが中盤で反射神経の優れた人間を採用し、人質兼コントローラーとして使う等の作戦を採る。直接電脳知性が操った方がスピードや機動に優れるのは当たり前なのだが、『人間を洗脳(専門化を含めたデチューン)して人質兼端末として使う』発想が出るということは暗に『電脳知性自体が、専門化を求めて自身を分割デチューンし生命多様化を図る』発想につながる。


 やがて転機が訪れる。ワンセブンの『弟』が登場する。


 片言のワンセブンと比べて人間と遜色のない会話が可能でそれだけでもう性能で勝っているのがわかる。『良心は無い』のだが、ちゃんと兄に転向を促すし、交渉に頭も使うし、実力行使もいとわない。良心がないというより任務優先や論理的思考を持つのほうが正しい。ワンエイトは味方をも欺いて敵を討つけど、親友の非難に耐えながらその親友を守るためあえて逆らい敵を討つ非常に高度な判断を行っている。

 ワンエイトに限らない。基本必殺のグラビトン攻撃を受けたら大抵の敵は滅ぶので、最初なすすべもなく倒されていたブレイン側ロボットも対策を取り、弱点を突き、さまざまなアプローチを試み、人質を取りと攻撃を防いでくるので飽きない。


 そして戦闘機タイプや新幹線タイプの敵まで登場する。手段を選ばないブレイン軍団。



 旅客機型戦闘機ロボット内部では人質となった皆を助けるため息子の前で金庫破りのスキルを発揮するか悩む男が居た。

 事件後、ガンテツさんが『俺が開けました』とさくっと大ウソで庇う。過去の事情を語ろうとする父に息子は如何な理由でも父を誇りに思うとやめさせる。


 Uミサイル(周辺の酸素を消費して火災を止める)編では『ものは使うものの心次第』という話だけど、ハスラー教授、敵方に新兵器を見せてくれたりするのでなかなか愛すべき敵役である。



 そんな人間の愛しさ愚かさに触れ、悲しさに触れ、人工知性たちは進化していく。



 その後、人間たちの何気ない致命的な失言に触れ。

 人間は全て殺さないとしていたものは人を殺すことを覚え人を殺しても目的を為すことを考えていたものは神と思いあがる。


 可愛そうなのだ。

 誰がお前たちを生んだのだ。

 人間か。神なのか。


 キミたちにとって人間は神と呼べるのか。

 自ら神になって何故悪いのか。誰も答えられまい。


 ロボットとめっちゃ仲良し、敵同士でありながら相手を知り尽くし一定の敬意を払いあっているのにガチで戦い、時代背景的に人間が信念や差別や偏見から自由になれず、お前は血のない機械だとか言ってしまって謝ることもできないまま命がけで共に戦った友達と今生の別れになる。



 ブレインさんやビッグエンゼルや17、18が可愛そうで可哀そうで辛い。



 そんな悲喜劇とまだインターネットによる集合知もなく、本を読むことが軟弱とされ、人に寄り添うことが難しかった時代の人々とそんな時代に生まれてしまった作り物の純粋な心達。



 最後の戦いが始まる。


 一人は自分の存在をすべてたった一人の親友に託し、一人は無限に蘇るその身を亡ぼす。さらに一人は静かに、人格すら口に出さず死んだ。


 誰も救われないが、人類だけは存続した。

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