最終問題裏「VR世界の問題はまだ続く」
ここまでお付き合いありがとうございました。
これにてVR問題は最終回です。
今日は2話連続投稿していますので、最後見落としの無いようにお気を付けください。
そして!!
こっそり次作品書き始めました。まだ内容全然考えてないので毎日連載までは時間かかるかもですが、
良かったらブックマーク付けておいてください!
https://book1.adouzi.eu.org/n8388ez/
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樹聖が自爆魔法を展開したあの時。
僕はダンジョンへの門をみんなの気配を頼りに展開した。
そのお陰で無事にみんな、ダンジョン内に避難出来たようだ。
そんな僕の直ぐ横には、ダスターが尻餅をついたまま、辺りを見回している。
「兄貴、ここはどこっすか?めっちゃ気持ちいい風が吹いてるっすね」
「僕の作ったダンジョンだよ。これが最高だ、なんて言わないけど、僕の理想を詰め込んであるから参考にして欲しい。どうせ時間もあることだし、色々と見て回っておいでよ」
「いいんすか!? じゃあ、ちょっと行ってくるっす」
そう言うや否や、元気に飛び出していってしまった。さっきまで悩んでたのに、子供の変わり身はすごいな。
そんなことを思ってると、僕のそばにサラがやってきた。
「おつかれさま、サラ。無事に何とかなったね」
「ええ。お兄ちゃんのとっさの機転のお陰で助かったわ。あの規模の爆発だと多分、地上の世界樹の森はただの荒涼とした大地になっちゃってると思うわ」
「そっか、じゃあ、また一から作り直しだね」
そう僕が言うと、サラは一瞬目を丸くして、くすくす笑っている。
「さすがお兄ちゃんね。その前向きなところは見習わないとね」
サラがひとしきり笑い終わったところで疑問に思っていたことを聞いてみる。
「今回の件もだけど、樹聖が闇に囚われてしまうのを防ぐ方法って何かないのかな」
「あるわよ。闇って、人間で言ってしまえばストレスみたいなものなのよ。人間だってストレスが溜まれば病気になったりするでしょ。そういう時ってぱーっと騒いだりとか、別のことに力を使ったりすればいいの。昔の私だったら枝という枝に花を咲かせることで、花びらっていう形にストレスを昇華させていたわ。まあこれからは、お兄ちゃんに色々と協力してもらえれば私は大丈夫よ」
そう言って、僕の胸に抱きついてくる。上目遣いの顔が赤く染まってるけど。……えっと、協力ってもしかしてそっちの意味ですか?ってそれはまた後で話し合うことにしようね。
「そうやって聞くと簡単そうだけど、他の樹聖が今回、ストレスを溜め込んでしまったのはなんでだろう」
「あー、多分みんな知らないのよ。本来なら本能的に理解できるはずなんだけど、急激に成長しすぎた弊害ね。言ってしまえば生まれたての子供に、毎日休むまもなく重労働させているような状態なの。もう少し位ゆとりを持たせてあげれば、ミーナやホノカの樹聖みたいに何の問題もなく伸び伸びと成長できたはずなのよ」
確かに、言われてみれば、強制的に強くした樹聖ほど、闇に囚われている印象があった。
「それと、お兄ちゃん、その手に持っているのって、世界樹の卵よね。いつの間に手に入れたの?」
そう言われて、初めて自分の手の中に野球ボールくらいの小さな卵があることに気付いた。
「いつだろう。僕も今言われて気付いたし。・・・・・・って。これってさっきの樹聖が卵になった姿じゃないかな。この前の要塞攻略戦のときみたいに倒した相手を確率で卵の状態で手に入れられるっていう、あれと同じことが起きたんだと思う」
そう考えれば辻褄は合う気がする。さっきの自爆でほとんどのエネルギーを消費したと思えばこのサイズの卵になっても不思議はないし。
「ふぅん、あの樹聖の卵ね。どうする?育てたらあの時の記憶も蘇って私たちの敵になっちゃうかもしれないけど」
「育ててあげようか。ちゃんと愛情を注いで育てれば大丈夫なんだって証明したいしね」
「わかったわ。じゃあ、この子が私たちの初めての子供ってことね」
そういってウィンクしてくるサラ。って、それはいくらなんでも飛躍しすぎじゃないかな。
それとサラってもしかして卵生、なのかな。って、ストップ。生まれるところを想像するのは危険だ。
ふぅ~~。気を取り直して。
実を言うと、もう一つ大問題があったりする。
地上で自爆魔法が展開されて、僕がダンジョンに飛び込んだ瞬間のことだ。
強制ログアウト警告の代わりに別のメッセージが流れていた。
【システムエラー:
深刻なシステムエラーが発生しました。
これにより、一部の機能が破損し、正常な挙動を行えなくなりました。
その結果、どのようなことが起こるかわかりません。
今すぐログアウトを実施し、システム管理者に連絡を取ってください】
問題はこの『一部の機能』だ。色々調べた結果、ログアウトが出来なくなっていることが分かった。
・・・・・・えっと。この場合、どうすれば良いんだろう。まぁ、連続ログインによる強制ログアウトもあるはずだし、何とかなるよね。他にも何かありそうだけど、まあ大丈夫だろう。
そうして僕はこの大問題を忘れて、みんなと勝利の喜びを分かち合うのだった。
これにてVR問題は完結となります。
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。
もしよろしければ、一言感想など頂けると嬉しいです。
後日、外伝として、主人公が活動する前の、本当はこんなに問題だらけだったんだ集を出すかも。
そして!!次回作は……
・本作を元にした、バトルものを書こうかと思いつつ(戦闘描写が……)
・恋愛ものは多分無理で(恋愛じゃなく偏愛になりそう)
・知識チート系は作者が馬鹿なものでorz
・歴史ものも同様。
と悩み中です。頑張って予約投稿が残っているうちに考えます。




