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VR世界は問題だらけ  作者: たてみん
最終章:世界は問題だらけ
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最終問題「みんなで歩む為に」

よろしくお願いします。

今回は最終話と合わせて2話連続で投稿しています。

強制ログアウトによる酩酊感に襲われつつ、状況を確認する。

身体は両手両足共に問題なく動く。気分は最悪だけど、思考ははっきりしているし、記憶も問題なさそうだ。

続いてVRマシンの状況を確認する。電源装置は問題なさそうだ。次にセルフスキャンを走らせる。すると、


【AOFのシステムデータに深刻な破損が認められた為、起動出来ません。管理会社に連絡してください。

なお、これにより、ユーザ情報なども破損している可能性があります。その場合、既存のデータはご使用になれません。

ご迷惑をおかけしますが、ご理解のほど、なにとぞよろしくお願いいたします】


あー、そうか。じゃあ、サラ達には会いに行けなくなったのか。もしくは行っても別人になるわけか。

まあ、最後のあの瞬間、みんなの事は無事に助けた確信はあるから、そこだけは安心かな。ダスターもどうにかなるだろうし、向こうで出来ることは一通りやり遂げたはずだ。

ならシステムの修復が終わってから、ゆっくり探しに行けばいいだろう。

そう自分を納得させると、気分の悪さも相まって、再び眠りに着いた。



そして翌朝。僕はいつもの公園でふたりが来るのを待っていた。色々と解決したお陰で、大分スッキリした気分だ。とは言っても夏も本番なので、立っているだけで大分汗だくになるんだけどね。そう思ってたら、ふたりが着いたみたいだ。っと、ふたりの様子がちょっといつもと違う。慌ててる?どうしたんだろう。

「天道くん。昨日の最後の瞬間、凄い爆発が起きたと思ったら強制ログアウトになったんだけど、大丈夫だったの!?」

「お兄さん。無事だったのならちゃんとそう伝えてください。電話繋がらないし、メールしても返信無いから心配したんですよ!!」

言われて携帯を確認すると電源が落ちていた。

「心配掛けてごめん、ふたりとも。僕の方は無事にダスターにお説教も済んで丸く収まったはず。まあ、最後に向こうの樹聖が自爆魔法を仕掛けてきたから、僕も強制ログアウトされちゃったけど、サラ達も無事助けられたと思うよ」

そうやって謝っていると、何とか許してもらえた。


ただ、次はふたりで目配せし合ってると思ったら、真っ赤な顔で詰め寄って来た。

「天道くん。昨日の最後の瞬間、天道くんたちが爆発に巻き込まれるのを見て、もう現実世界でも会えなくなるんじゃないかって凄く不安になったの。もしそうなったら、この気持ちも言えずに終わっちゃうのかなって。そんなの絶対に嫌だったから今言っちゃうね。

あの、わたしね、あなたの事が好き。初めて会ったときからずっと好きだったの。ずっとどうやって伝えようかとか、断られたらどうしようかとか、悩んでたんだけどね。もう伝えずには居られないくらい好きなの。だから私のことを彼女にしてください!」

「あの、お兄さん。わたしもお兄さんの事が好きです。コキさんから教わりました。素敵な男性を複数人の女性が囲うのは当たり前なんだそうですよ。それにお兄さんだったら年齢とか気にせずに愛してくれますよね。だから私のことも2人目ってことで良いのでよろしくお願いします。

あ、さすがに生理がまだですので、あれは少しだけ待ってもらう事になりますけど、この調子なら2年もあればお姉さんに負けないくらい立派な女性になりますから、期待しててくださいね♪」

そう言いながら抱き着いてくるほのかと水菜ちゃん。突然のことで僕も驚いたけど、勇気を出して伝えてくれたふたりに、ちゃんと応えないと。

「えっと。僕もふたりの事は好きだから、告白されて凄く嬉しいよ。でも、これってふたりともと付き合うって話になってるよね。確かにどちらかだけを選べって言われたら困るし、ふたりを愛するのは望むところなんだけど、ふたりともそれで良いの?」

そう聞くと、ほのかと水菜ちゃんが一瞬目を合わせてから、笑いあってる。

「まぁ、前々から、そうなるんじゃないかって思ってたし、実は昨日の一件の前に二人で話し合ってたの。お互いに遠慮は無しにしようねって。だから天道くんも遠慮せずに私達の事を好きになってくれれば良いんだよ」

「それに、きっとあともう一人くらい増えるんじゃないかなって思ってますし、お兄さんなら、わたしたち全員をきちんと愛してくれるって信じてます。あ、でも。不特定の人との浮気は絶対にダメですからね」

そういって更にぎゅっとしてくるふたり。

そっか。まあ、みんな好きで納得してるんだから、これでいいよね。

人によっては二股か、とか、優柔不断かって怒りそうだけど、誰か一人しか好きになっちゃいけないっていうのは無理な話だ。幸い収入の目途も立ってるし望んだ道を自由に進んでも良いだろう。


「じゃあ、3人が恋人になった記念にファミーユで乾杯しようか」

「はい、行きましょう。まずはお父さんたちに報告ですね」

「じゃあ、今夜はわたしの家で一緒にご飯にしましょう♪」

あ、あはは。いきなりご両親に挨拶ってことだね。うん、まぁ幸い顔見知りではあるし、腹を括ろう。



そうして僕達3人は仲良く寄り添って喫茶店へ向かうのだった。


書き始めた時は、ハーレムどころか彼女も出てくる予定は無かったのですが、

人生は数奇なものですね。


次回作はこちら!!!(と書いてる時点で、まだ構想も何もないですが)

良かったらブックマーク付けておいてください!

https://book1.adouzi.eu.org/n8388ez/

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