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VR世界は問題だらけ  作者: たてみん
第4章:野盗と戦争
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第四十一問「イベントの準備」

よろしくお願いします。

主人公視点に戻ります。時間はそのまま流れます。

領主様に計画中の企画を伝えると二つ返事で協力してくれることになった。期待して貰ってるのが有り難くもあり、頑張り甲斐があるね。

さて、これで地元の人達に事情を周知した上で、プレイヤーの、特に盗賊行為をしている奴らは、動員出来る見込みは出来た。

あとは企画の肝となる交渉を纏めるだけだ。まあ、とは言っても、相手はダスターだから心配はしていない。

ただダスターに会いに行くのにみんなは連れて行けないので、領主館前で別れる。


っ!!


って、別れ際に一瞬寒気が走ったのは何!?

みんなの方を振り返ると、普通に笑顔で手を振ってくれてる。……気のせいだったのかな。

気を取り直して街の外に出て、周囲に誰も居ないことを確認してから門を開いてダンジョンに移動する。あ、流石に街中にダンジョンへの門は作れないらしい。

途中、隠れ里フィールドで寝転がっていた師匠に追いかけ回され(じゃれつかれ)つつ、ダスターのダンジョンに到着する。


「ダスター、遊びに来たよ~」


しーーーん。


あれ?居ないのかな。


「ダスター!儲けばな」

ドドドドッゴン!

「あいった~」


うん、居たみたい。そしてお約束のように壁に激突したみたいだ。


「お久しぶりっす、兄貴」

「うん、久しぶり。元気そうだね」

「もう元気満々っすよ。それで兄貴、儲けばなしっすか!??」

だんだん金の亡者感が強くなってきた気がする。多分どこかのマンガよろしく目が¥マークになってるんじゃないかな。大丈夫かな。ん~まぁ、何とかなるか。


「えと、一言で言うと、要塞争奪戦イベントを僕らで立ち上げようって話だよ」

「はあ。要塞争奪戦っすか。それと僕とどんな関係があるんすか?」

「以前も一部のダンジョンでやってたのを、特典てんこ盛りにして、今参加してない人達も参加したくなるようにするんだ」

「要塞型ダンジョンすか。あれ確かに一時期盛り上がったんすけど、今はもう下火っすよ。Gの流行の波は早いって聞いてたから仕方ないかなって思ったんすけど、兄貴には打開策があるんすか」

Gの流行って。まぁ、間違ってはいないけど、誰に聞いたんだろう。

「あることはあるよ。ただ今回の案も2か月くらいしか続かない、とうか2か月で一区切りつけて、これを年1回とかの数年1回に頻度で開催するようにするんだよ」

「なるほど、定期開催すれば良かったんすね!」

「もちろん、ただ繰り返すだけじゃダメさ。内容は毎回同じじゃなく、参加者の声を取り入れて少しずつ変えていくんだよ」

「ははぁ。流石兄貴っすね。それで、今回はどんな内容でいくんすか?」

「うん、今考えているのは……」

纏めるとこんな感じだ。


・要塞を占拠しているグループは樹聖の経験値にボーナスがつく。

・樹聖が居ない場合は、魔石のような状態でエネルギーを確保できること。

・樹聖を保有しているプレイヤーは樹聖も参加すること。

・参加している樹聖が死亡した場合、1段階弱体化した状態で復活する。

・参加している樹聖の保有者を倒すことで、樹聖を確率で奪取出来る。

・奪取に失敗すれば樹聖は保有者の元に戻る。

・奪取できる確率は保有者と樹聖との信頼関係に依存する。

・奪取した樹聖は卵の状態に戻り、今回のイベントには参加出来なくなる。

・高成績で樹聖を保有しているプレイヤーは、その樹聖を進化させられる。

・高成績で樹聖を保有していないプレイヤーは、世界樹の卵を手に入れられる。

・高成績で卵を保有しているプレイヤーは、孵化する姿を選択出来る。

・一人のプレイヤーが保有できる世界樹の卵または樹聖は1つのみなので、複数の卵を所持した場合は他者へ譲渡が可能。


とこんな所だ。

大切なのは樹聖が居るプレイヤーもいないプレイヤーも分け隔てなく参加したくなる内容であることだ。

これで樹聖を保有していないプレイヤーは卵をある程度の確率で手に入れることが出来るはずだし、既に保有しているプレイヤーは樹聖が死ぬデメリットを心配することなく、上手くいけば成長させられる事になる。また、複数の卵を手に入れることで販売したり友人に譲渡することも出来るだろう。


「今、僕が思いついたのはこんな所だけど、これにダスターの意見も載せて、より良いものにしていってほしい。どう?イメージ付いたかな」

「……」

そう声を掛けるも返事がない。

「ダスター?」

「…………すげぇ。すげぇっすよ、兄貴。やっぱ兄貴は天才っすよ!!」

あ、どうやら感極まってたみたいだ。

「それで、お願いできるかな?」

「任せてくださいっす!ん~そうっすね。1か月準備時間を下さいっす。そうしたらイベント会場となる要塞群の準備と内容のブラッシュアップと告知、全部行けるっすよ!!」

そう鼻息荒くしているダスターの声が聞こえる。この調子なら大丈夫そうだね。

「じゃあ、僕は僕でやることがあるから、後はお願いね」

「はい、こちらは任せて、行ってください!!」


そういうダスターに後を任せて、僕はみんなの元に戻るのだった。



ポンッ!!

【イベント告知:現地時間で1か月後、要塞争奪戦を開催致します。

今回のイベントは2つの陣営に分かれて競い合うことになります。ルール等、詳細は以下の通りです。

………………】

不穏な1文を追加しつつ争奪イベントが開催されます。

好感度の低い樹聖は奪取されやすく、カルマ値が高い(低い)と奪取しにくくなります。


なお、本編でイベントの様子は……書かないつもりでしたが、そうすると4章が内容薄くなるので、番外編でお送りする予定です。


そして、次回はリアルに戻ります。つまり海だ!!

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