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VR世界は問題だらけ  作者: たてみん
第3章:夏とダンジョン問題
36/56

第三十五問「バブル到来」

よろしくお願いします。

第3章はこれにて閉じます。

続いてお蔵入りになる予定だった4章に入ります。

あの後、結局師匠に捕まった僕はホノカに2時間ほどお説教を受けることになった。

というか、ホノカはいつの間に師匠を手懐けたのか。そう師匠に聞くと、

「ああいう時の女に逆らうのは危険なんだ」

って妙に達観した目をしていた。昔何かあったんだろう。


それはともかく。これで2つの極地フィールドについては目途が立った。

そういえば何日か前に、ダンジョンイベントの告知が流れていたのを思い出した。確か今日からイベントスタートだったかな。

うちのダンジョンはひと段落したし、どんな感じなのか一度ダスターの様子を見に行ってみよう。


そう思って、隠れ里フィールドの自分の家(というか屋敷)の地下に設置しているゲートから、ダスターのダンジョンに移動する。

ダスターのダンジョンは相変わらずで、神社の本殿から外に出ても何も変わっていなかった。


「ウヒヒッ。いやぁもう凄いっすね。もう順調すぎて笑いが止まらないっす。イヒヒヒヒヒッ」


あ、いや。社務所の方から聞こえて来る声が気持ち悪くなってる。

以前来たときはお通夜みたいな感じだったし、少なくとも元気にはなってるから、それに比べたら良くなってるの、かな。自信ないけど。まぁこうしてても仕方ないし、声かけてみようかな。


「こんにちはー。ダスター居るー??」

まぁ居るのは分かってるんだけど。そうすると「ヒグッ」って笑い声が詰まってから、ドドドドって玄関の方に走ってくる音が聞こえると、相変わらず壁の向こうからダスターの声が聞こえてきた。

「その声は兄貴っすね!お久しぶりっす」

あ、そうか。僕からしたら10日ぶりくらいだけど、ダスターからすると1か月以上になるんだよね。

「うん、お久しぶり。元気にしてた?ってその感じだとだいぶ調子いいみたいだね」

「元気も元気、もう絶好調っすよ。兄貴のアドバイスのお陰でどこのダンジョンも満員御礼の大賑わいっすよ」

「そっか、良かったね。そういえば、今日からダンジョンイベントを開催してるんだよね。どんなことをしてるの?」

「はい。新しいダンジョンのお披露目って事で、基本的にはダンジョンでドロップするアイテムを収集して、装備やポーションを作るクエストの発行っすね。また初心者ダンジョンでは経験値率をこの期間だけ上げたり、上級ダンジョンには期間限定のボスを配置したりしてるっす」

なるほどね。確かに最初のころは早く強くなって色んなスキルを試してみたいだろうし、「期間限定」って言われると頑張りたくなるのは日本人のサガなんだろうね。

「あとは建物型ダンジョンでダンジョンキーパーを募集してたりもしてるっす」

「そういえばダンジョンキーパーっていうのは、オーナーとは違うの?」

「えぇ。キーパーはあくまで占有権を主張出来るだけで、兄貴みたいにダンジョンの仕様を変更したりは出来ないっす。あと、占有されたダンジョンはそのダンジョンキーパーが占有権を放棄するまで魔物は出現しないようになるっす」

つまり、ダンジョンとして要塞なんかを作ってプレイヤーに占領させながら他のプレイヤーと奪い合わせて、疑似攻城戦が楽しめるようにしたらしい。確かにクランにとって要塞とかを占有しているって大きなステータスになるだろうしね。それに魔物を出さずにプレイヤー同士で争わせることで、支出を抑えて収入ばかりが増えるから、一石二鳥だね。

「いやぁこれで今まで散々馬鹿にしてきたやつらを見返せるっすよ」

「そっか。これで前に話してくれた目的の達成の為に大きく前進出来たんだね」

「前進どころか飛び越えれるっすよ。もう最強の魔物でもなんでも召喚し放題っすよ。ウヒヒッ」

「あ~……、ダスター。突然収入が増えて気が大きくなってるのは分かるけど、溺れないように注意しなよ」

なんというか宝くじが当たって突然億万長者になって身を持ち崩した人みたいになってるのは気のせいかな。

「大丈夫だいじょうぶ。心配ご無用っすよ」

本当かなぁ。かなり心配だけど。でもま、僕がとやかく言うことではないし、もし道を誤ったら、その時は兄貴分として落とし前を付けてあげればいいか。


「そういえば兄貴。さっきの最強の魔物で思い出しましたが、最近、通常よりも強い魔物を頻繁に見かけるようになったっすよ。ダンジョンの中の魔物なら、あっしがまとめて管理しておきますが、外までは手が回らないので気を付けてほしいっす」

「うん、ありがとう。確かにそういう魔物に以前2回会ったけど、かなり強くなっていたね」

たぶん、エリアボスとか、もっと強くなるとレイドボスとかになって討伐イベントなんかが組まれるようになったりするんだろう。その辺りは他のプレイヤーに任せればいいな。

「兄貴の場合、もしもの場合は自分のダンジョンに避難するといいっすよ。門の設定さえすれば早々入ってはこれないし、兄貴のことだからダンジョンの方もだいぶ作り込んでるんですよね」

「まあね。最近では極地フィールドなんてのを増やしてるよ」

「極地フィールドっすか!?それは面白そうっす」

「でしょ!次は水中か砂漠のフィールドなんかも考えてるんだ。他にも……」

「えぇ!!さすが兄貴、それは考えてなかったっす。あっしだったら……」


そうして僕とダスターはダンジョン談義に花を咲かせるのだった。

という事で色々と次章への布石を残したところで3章終了です。

元々はみんなでダンジョン攻略もしてみようか♪という話もあったのですが、バトル小説に転向しそうだったので没になりました。


4章は起承転結の転に相当しますので、そうとうバタバタする見込みです。

そのまま最終章まで駆け込みたい。

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