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VR世界は問題だらけ  作者: たてみん
第2章:過保護な子育てとスパルタ教育
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閑話「ゲーム会社っていうのはどこもブラックです」

第2章が無事に終わりましたので、コーヒーブレイク。

3章のプロット考える前に時系列を整理したおまけ。

なんとほぼ全てが会話です。


またこれに伴い、卵イベントの開催を10日→1日に変更しています。

6月2日

「部長~。都市開発における仕様の告知および、細部の設定、終わりました~」

「お疲れ様です。桜さん。では、こちら。限定フィールドの機能追加に関する不具合報告です」


それを聞いて机に倒れ込む桜。


「あの~もしかして、今日中とか言いませんよね」

「もちろんです。私もそこまで無理をしろとは言いませんよ。来週の月曜の朝礼までで大丈夫です」

「えっと。今日金曜日なんですけど」

「そうですね。まだ2日半もあります。あと、一部の魔物が進化、増殖しているという報告が上がってきています。そちらも併せて調査をお願いします」

「併せてっすか~」


6月5日

「部長~。魔物の好感度設定および、友情システムの導入に関する承認依頼っていうのが来てますが、いつの間にそんな機能実装したんですか?」

「私ではありませんよ。どうせまた社長が独断で告知したから、その尻ぬぐいが来たんじゃないですか?」

「そういうのって何とかならないんですか」

「無理ですね。社長に直談判するしかないでしょうが、そもそも社長が捕まる事がありませんから」


6月9日

「部長~」

「頑張ってください」

「いや、まだ何も言ってないんですけど。聞かないと後悔しますよ~」

「聞いても後悔する気がしますが。わかりました、聞きましょう」

「例の魔物の増殖問題が無事に終息しました。何でもプレイヤーが協力して対応したそうですよ」

「なるほど。久々に聞く朗報ですね。ありがとうございます。お陰で胃薬の数が一つ減りそうです」


6月10日

「あの、部長」

「何ですか。いつもの明るさが無いところを見ると、随分悪い知らせのようですね」

「はい。例のプレイヤーのマーカーをロストしてしまいました」

「ふむ。そうですか」

「あ、あれ?怒らないんですか?」

「えぇ。その様子ですと、桜さんの所為ではないのですよね。であればあなたに怒るのは筋違いでしょう。もともと保険のようなものです。それで、ロストした原因は分かっているのですか?」

「正確な所は分かりませんが、考えられるのはアカウント自体が抹消されたか、未実装領域に飛ばされたかのどちらかくらいです」

「ふむ。アカウントは健在のようですね。であれば後者でしょう。なら今はこちらの作業をしながら反応が戻るのを待っていてください」

「あの~この世界樹の卵育成計画って何ですか?都市開発の次はペットですか。ってもしかしてこれも例のプレイヤー絡みだったりしませんか?」

「そうかも知れませんね。世界樹フィールドは未実装ですし。辻褄が合います。良かったですね。謎が解決して」

「ぜんぜん良くないです~。これじゃ、また今月も休みなしじゃないですか」


7月1日

「桜さん。おめでとうございます。無事に世界樹の卵イベントは無事にスタートしたようですよ」

「そ~ですか~。徹夜で対応したかいがありました~。ですが珍しいですね。部長がそんな声を掛けてくれるなんて。何か良いことあったんですか?」

「ええ。良くお分かりですね。良いこととは決して言えませんが(むしろ困ったことですが)……魔王軍なるものが出現したそうです」

「はぁ、まおうぐん、ですか。って、魔王軍!?それって先日の会議で冬の目玉イベントにしようって決定ましたよね!?」

「そうです。ですが、事実として魔王軍は出現し、一瞬で撃退されたそうです。それについての問い合わせがひっきりなしに来ていますので、対応をお願いします」

「あの、さっぱり意味が分からないのですが」

「大丈夫、私も分かりません。ただ分かっていることは」

「分かっていることは?」

「私たちは今月も、休日返上でここに缶詰だということです。夏休みもお盆も無いと思っておいてください」

「そんなぁ~~。今年の夏こそビキニで湘南のビーチを満喫するって決めてたのに!!」

「……ビキニ、ですか。その……いえ、何でもありません」

「部長!! 悲しそうな目で私の胸とお腹を見ないでください!!」

知ってる限り、一番残業が厳しい会社で月平均残業時間200時間。会社に寝袋持ち込み推奨。なんて会社に出会ったことがあります。


そして3章からはリアルパート多めでちょっと毛色が変わるかも。

そうしないとイベントの詰め込み過ぎで部長と桜さんが死ぬ。

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