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日本刀 〜メイリルダの様子〜


 メイリルダを呼びに行った受付嬢が奥のドアに消えてから、ジューネスティーンは、待たされることを想定したのかロビーの壁際に用意してある長椅子に移動した。


 そして、その長椅子に座ろうとすると、受付カウンターの向こう側のドアが、音を立てて乱暴に開いたので、何事かと確認をすると、そのドアには慌てた様子のメイリルダが居た。


 ジューネスティーンは何だと思ったようだがメイリルダと目が合うと、メイリルダは、開けたドアをバタンと閉めるとカウンターからロビーに出る所から出てくるとズカズカとジューネスティーンに迫ってきた。


 それは、少しでも早く何が有ったのか確認しようと。


 そして、ジューネスティーンの目の前に来ると、真剣な表情を向けた。


「ちょっと、こっちに来て!」


 そう言うと、ジューネスティーンの手を取ってロビーから玄関に向かった。


 どうも、周りには聞かれたく無いといった様子で、ジューネスティーンの手を強引に引っ張って歩いていた。




 玄関を出ると、メイリルダは鋭い視線をジューネスティーンに向けた。


「ねえ! 今日は、何があったの!」


 その様子に、ジューネスティーンは、思い当たる事が無いので驚いたようにメイリルダを見た。


「えっ! いえ、また、購入申請に来ただけだけど」


 何があったのかを伝えただけだが、メイリルダは、まだ、腑に落ちないというような表情をしている。


「それだけなの!」


 メイリルダは、険しい表情でジューネスティーンを見ていた。


 その様子をジューネスティーンは、少し怖いと思った様子で頷いた。


 メイリルダは、そんなジューネスティーンを探るような目で見ていたが、大丈夫そうだと思うとホッとした。


 そして、ジューネスティーンは、今日、ギルド支部に来た事を詳しく話した。


 話が終わるとメイリルダは、ギルドの玄関のドアの向こう側を、睨みつけるように見ると舌打ちをした。


「だまされた!」


 メイリルダは、それ以上の事を言う事はなく愚痴を漏らしたそうな表情だったがグッと堪えたようだ。


 メイリルダは、迎えに来た受付嬢に、何か重大事項が発生したようなことを言われた為、慌ててジューネスティーンの元に来たのだ。


 その様子から、ジューネスティーンに何か良からぬ事が有ったように話を伝えられたらしい事は、ジューネスティーンにも分かったのか苦笑いをした。


 ただ、今の様子から悪意があって言われたのではなく、揶揄われただけだったようだ。


「あのー?」


 そんなメイリルダにジューネスティーンは、自分の目的もあるので話しかけた。


「あ、ああ、ごめん。ちょっと、イラっとしただけだから、気にしないで」


 ジューネスティーンに話しかけられた事で、メイリルダも気持ちが落ち着き出したようだ。


「それで、何か、用事があったの?」


 メイリルダはジューネスティーンの話を聞いていた途中で、呼びに来た受付嬢の嘘に気がつくと話の内容が頭に入らなかったのか、購入申請の職員に言われた内容が頭に入っていなかった。


 ジューネスティーンは苦笑いをすると、購入申請に行った時の事を、もう一度伝えた。


 その話を聞いて、メイリルダも納得した。


「ああ、そうね。ギルドのツケで購入するとなったら、ジュネスだけで行ったら断られそうね」


 その言葉に、ジューネスティーンは、なんとも言えない表情をしたが、メイリルダには、ジューネスティーンが考える以外の思惑があったようだ。




 11歳のジューネスティーンでは、お店側も、ギルドのツケでと言われて、はい、そうですかと言って商品を渡すとは限らない。


 それなら、受付嬢であるメイリルダが一緒なら、お店としても納得してツケ払いで商品を渡してくれると思うと、メイリルダに付き合ってもらう方が、余計な説明をする必要が無くなるので、作業に取り掛かる時間も早くなるだろうとジューネスティーンは考えていた。


「分かったわ。それじゃあ、今から、お店に行こうか」


 メイリルダの動きが早い事に、ジューネスティーンは少し驚いたようだ。


「でも、ちょっと待ってね。ジュネスと一緒にお買い物に行くって、伝えてくるから」


 そう言うと、玄関のドアに手をかけたが、直ぐに何か思いついた様子で、ジューネスティーンに顔を向けた。


「ああ、だったら、一緒に、シュレも連れて行きましょう」


 それには、ジューネスティーンも納得したような表情をした。


「はい」


「そうよね。私とジュネスの2人だけで行くと、絶対にシュレが、ヤキモチを妬くから、ちゃんと誘うのよ」


 そう言うと、ギルドの玄関のドアを開けた。


 もし、ジューネスティーンとメイリルダだけで買い物に行ったと分かった時、シュレイノリアが、どう思うか考えると、機嫌が悪いことになるだろうと2人は理解していたので、買い物には常にシュレイノリアを連れていく必要がると思っていた。


「ああ、寮の入り口で待っててね。私も直ぐに行くから」


 それだけ言うと、メイリルダは入り口のドアを閉めてギルド支部の中に入っていった。


 それを見て、ジューネスティーンも、その場を離れてシュレイノリアが居るであろう縫製工房に向かった。


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