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いつもスクロールで帰還するので魔法による移動は初めてで。
ダーツとギュッと手を強く握りあった。
「参ります」
一瞬だった。スクロールは浮遊感があったのだけれど一瞬で目の前にどでかい城が現れた。
そしてたくさんの兵士たち…なんか捕まったみたいでこわい。
「帰還した。シュバは送り届けるためのMPの回復をして休みなさい。みなさま立ち話もなんですのでこちらへどうぞ」
大きな城の中へと、集団の前を通って堂々と歩くドロワ様。
視線がめっちゃ刺さる気がする。と思ったらガンツさんとエレーヌさんが私の両サイドを歩いてあからさまな視線から隠してくれた。
城の中を歩いていくと、いつの間にか庭園に出て。
さらに庭園の先に城とは別の大きな建物があった。
その建物に入って、会議室のような大きなテーブルとたくさんの椅子のある部屋に通されて椅子に座るように促される。
私とダーツを挟む形で大人たちが周囲に座り、ドロワ様が向かいに座った。
「現在この隣の部屋にとりあえず積み込んでいただきたい道具や食材などを集めていますので、先に宿泊予定の設備について確認をさせていただいてもいいですか」
「あ、はい」
と返事をした瞬間、バンッ!と部屋の扉が開かれた。
さっと私を守る体制になったポールさんたちをさすが!と思いつつ入り口を覗くとそこには筋骨隆々なアイズさんみたいな人と、頭がよさそうな人が立っていた。
「乱暴な入室になってしまいすまない」
「よお!俺たちにも確認させろや」
「そういったことは事前に申請をしてくださいと何度も申し上げたはずですが」
「はっ、情報を秘匿しといて何言ってんだ」
偉そうな人と、偉そうな人と、偉そうなドロワさんだ。
「初めましてだな!第一軍団の団長をしているライゼンだ。来月俺の部下が世話になる」
「第二軍団の団長ゼクト・リュシィだ。同じく私の部下が世話になる。精鋭を付けさせて貰う予定だから迷惑はかけないと思うがね」
「ラクーンの冒険者ギルドの責任者をしているガンツと申します。こちらが今回任務に同行予定で当ギルドの職員のマリーロズとダーツになります」
高貴な情報過多で頭が真っ白になっているとガンツさんが率先して頭を下げて、私にも促してくれたので慌てて頭を下げる。
二人の団長さんは私たちの近くまで来るとマジマジと私を見てきた。ので視線を俯かせて逃げるように縮こまる。
「なんだ、迷宮の奥地で宿を経営するって聞くからどんな豪傑かと思ったらただの町娘だな!」
「君の立場は理解しているつもりだ。突然こんな事に巻き込まれて大変だろうが出来る限りの努力をしてくれればそれでいい。ああ、私も貴族だが第二軍団の団員の前でマナーや礼儀なども出来る限りのものをしてくれればいい。君は民間人で巻き込まれた人間だ。団員にはそう話しておこう」
「お、そうだな!第一の奴らにもマナーだ何だ言うんじゃねえって言っとくぞ!」




