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「この一番下のやつって何に使ってるんだ?」
「あー…多分レベル上げに作っただけ、かな…?本当はもうちょいあったんですけどそれを成長させて素材とかを作ったような気がします」
「…なあ、マリィ。空間って二つ同時に開いたらMP消費も増えるのか?」
「いいえ?そんなんだったら宿屋できませんよ。水は蛇口、食材は食堂、素材は買取所に基本的に扉だけ作ってあとはみんなに任せてますし」
ギルマス何を企んでるんだろうなあ。
そんな疑問を抱くも彼の質問は続いているのでとりあえずおとなしく聞いてみる。
「扉は固定したら動けないのか?例えばこの紙に扉を付けたら紙を動かせば、動くのか」
「動きますよ。マジックバッグと同じ感じで、ただ私の意思で扉を消せるような感じです」
論より証拠、とばかりに紙に扉を設置する。入口が普通の紙なため小さめだが扉に触れて念じれば、入口より大きなものでも収納は可能だ。
「じゃあ扉とマリィが離れても扉は出しっぱなしにできるか?」
「やったことがないのでわかりません」
「そうか、トールちょっと迷宮の3階くらいまでこれ持って行ってくれ」
ガンツさんがそう言うと私の背後にゆらっとトールさんが現れた。まあ居るのは知っていたけれど気配もなく後ろに立たれるとさすがに驚く。
「……護衛から外れるのでマリィを部屋の外には出さないでくださいね」
「おう」
トールさんは小さくため息をつくと鎧も着ない私服のまま、紙を持ってふらっと出ていこうとするので慌てて引き止める。
「マリィ?どうした?」
「どうしたじゃありませんよ!装備つけていかないと危ないですよ!?」
慌てて寝室に戻って、とりあえず立てかけられていた剣を握るがーーーおもっ!!
え、トールさんこれ片手で振り回してるの!?と思いつつずるずる引きずって行くと、ぽかーんと私を見ていたトールさんが急に笑った。
「ありがとうマリィ。じゃあこれは持っていくね」
「防具も着ないと危ないでしょう!」
「3階程度なら大丈夫だよ」
楽しそうに笑ってトールさんは剣と紙を持って出ていった。
「この使ってない8m空間だが、今日中に…三つほど同じだけ拡張するとしたらいくつまで伸ばせる?」
「んー……均等に伸ばすなら11x10x10?を3空間ですかねえ。そろそろ何でこんなに質問攻めなのか教えてくれても良いんじゃないんですか?」
なんでこんな空間について質問攻めを受けているのか。
単純に疑問で首を傾げると、ガンツさんはため息を吐きながら口を開いたーーーー。




