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一応年長者達が救出しようと奮闘をしている様子だったが、院の子供達は信用出来る大人には非常に懐っこい。全然効果が出ていないみたいだった。
「ハイハイみんな、お客さんにそんな風に群がっちゃダメよ」
「バカマリィの話も終わったし、念願の昼食よ!今日は神様と大地のめぐみと、出店の物を買ってくれたネロ、衣類を買ってくれたリリエラ、お肉を買ってくれたダーツ、バカをしたマリィに感謝をするわよ、早く席に着きなさい」
バカって言った。しかも二回も言った。
黄昏つつ、トールさんとエストラさんの間に置かれた席に移動をしていると……弟の一人が手を挙げた。
「どうかしましたかレオ」
「シスター、僕はマリィ姉ちゃんに一番美味しい食べ物を教える約束をしました。行儀が悪くなりますが半分マリィ姉ちゃんにあげてもいいでしょうか」
「構わないわレオ。分け合いは慈善の心だもの」
「ありがとうございます。はい、姉ちゃん。ちょっと冷えちゃったけど美味しかったんだこれ」
「姉ちゃん俺のも」
「ねえちゃ、まおのもはんぶんこ」
「ねえちゃー」
弟妹が可愛くて愛しい。うるっとしつつ群がってきたみんなを抱きしめてその頬にキスをする。
「こんないっぱい食べきれないわ。半分じゃなくてひと口ずつで良いわ……すごい豪華なご飯になっちゃったわね」
結果的に食べきれないくらいのお裾分けが来た。腹がはち切れても全部食べる!と意気込み食前の感謝の祈りをみんなで行うと……騒がしく賑やかで、とても楽しい食事が始まった。
「ところで姉ちゃん。シスターのおたまってなんで木製なのにあんなに頑丈なのかな」
「本当よね。これ絶対にたんこぶになってるわ…」
ふいにネロとリリエラがそんなことを言った。殴られたんだね、君たちも。
私も真顔で二人に混ざる。
「耐久性も突っ込みたいけれど、木とは思えないダメージも突っ込みたいわね。あれ絶対鉄並みの強度あるわよ…」
ダーツはまだ帰ってきてないので、年長故席が近い三人で真顔で頷き合う。
「ちなみに二人はなにをしたの」
「…お給料全部使っていいよって言って下の子たちに渡した」
ああ、そりゃ怒られるわ。弟妹は大喜びだろうが全部はさすがに多すぎる。
「布が安かったから5巻き買ってきただけよ。ちなみにダーツはオークを一匹丸ごと買ってきたそうよ」
うん、それも怒られるわな。なんでみんなしてお金の使い方に問題があるんだろう…
「ちなみにマリィねえちゃんは?」
「孤児院の土地を買ってきた」
言った瞬間うわーという顔をした弟妹。きっと私たち今同じ顔をしていると思った。




