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「ご注文頂いた商品はこちらで全てになります」


「そうですね。全部揃えて頂きありがとうございます」


「いえいえ、こちらこそお買い上げ頂きありがとうございます。では、素材の買取は如何しましょうか?」


「今すぐでも大丈夫です。マリィ、とりあえず順番に100体ほど出していってください。種類は問いません」


「え、此処でですか?」


「何か問題でもございますか?」


いや、問題しかないだろう。

ここ、調度品がすごい豪華な部屋。

こんな所で魔物の素材を出して血で汚れてみ……か、買い取れ…るかも…。

そういえば高給取りだった。いやでも、血塗れのカーペットはいらない。


「素材をここで出したら血で汚れちゃいますよ」


だから、出せない。

そう言うとおじいさんは楽しげに目を細めて笑いだした。


「大丈夫ですよ。出してみて下さいませ」


わ、私は止めたからね!?

ニコニコ笑って勧めてくる空間師のおじいさんに根負けして素材を出す。出てきたのは頭と胴体に別れた大きなトカゲだった。


真っ二つ。というわけで当たり前だがびちゃっと血がカーペットに広がった。

ほら言わんこっちゃない。


「おお、ブラッドリザードか。この個体ならば150でどうだ?」


「良いですよ」


そう思っていたけれど、おじいさんが手を軽く振るとーーーーー素材も、カーペットに付いた血も消えた。


びっくりして、しゃがんでカーペットを触ってみるが、血は付かない。


「血液もまたアイテムですよお嬢さん。収納したいものを具体的に思えばお嬢さんも出来ると思いますよ」


「凄い!!」


おじいさんと会話をしながらも次の素材を出して、おじいさんが回収して。


「……血液が取れると言うことはそれ即ち汗や汚れも取れるって事ですかね!?」


「……え、ええ、まあそうですかね」


「これで洗濯が楽になりますね!」


水も結構使うし、シーツの枚数は多いしで大変だったんだ。絶対に練習して出来るようになろう。そう燃えていると、おじいさんは声を出して楽しげに笑った。


「ははは、空間を洗濯代わりにするとは初めて聞きましたよ。発想が自由で素晴らしいですね。改めまして、ラクザルバで働いている空間師のエラと申します」


「あ、ギルド所属の空間師のマリーロズです。色々と教えて下さりありがとうございます」


「いえいえ、こちらこそ新しい発想をありがとうございます」


マイクさん&ダーツと商会の偉そうな人が嬉々として値上げ&値下げバトルをする横でエラさんとほのぼのと空間師トークにふける。


「マリィ様は『触れる』ことで認識してらっしゃるのですね。ですが『触れる』ことも『見る』ことも同じなのです。空間から出す時は『触れる』ことも『見る』ことも無いでしょう?要は認識の問題なのです」


「つまり、触らないと収納出来ないのは私の頭が固いってことですね」


「固いとは申しませんが固定観念に囚われてはおいでですね」


認識力をあげれば見ただけで入れられる。

認識力をあげれば汚れだけ取り除ける。

認識、認識、認識。

じぃーーーーっと出した素材をよーく見ているとぽすっとトールさんに頭を撫でられた。


「無理はしないように」


「してません。余裕です」


「程々にな」


「はーい」


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