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「うん、その言葉だけでありがたいよ。ごめんね、これうちのギルマスの指名依頼なんだ。ダメ元でも勧誘はして来いって」


「大丈夫ですよ、他にも結構言われてますから」


「そうなのか?」


「はい。でもアイズさんの前で言わなくて良かったですね」


アイズさんの護衛中に勧誘を口にした人は即座に首を持たれて壁ドンされてたから。

「うちの娘を口説くたぁ良い度胸だなおい」って殺気撒き散らして言っててあれはすごく怖かった。


「俺だって最小限の被害で収まりそうな時ですませるよ。これでも身体が資本の冒険者だからね」


その理屈で言うと壁ドンされた人は…と思いつつ茶化したエストラさんに合わせるように笑うと気まずい雰囲気は霧散した。


「ところでラクザルバ商会に何しに行くんだ?」


「えっと、魔物の素材の販売と次の開店準備のための食料確保だそうです。と言っても売買自体はもう終わっててあとは商会で物を交換するだけだそうです」


「なるほど」


と、話しているとラクザルバ商会が見えてきた。

うちの宿屋よりも大きくて豪勢な建物。その玄関にはマイクさんとダーツが立っていた。


「お待たせしました」


「いえ、時間外なのに呼びつけて申し訳無いです。本日の業務はこれだけですのでこれが終わったら好きにしていいので少しお付き合いをお願いします」


「大丈夫ですよ」


合流したことで、五人で店の中に入る。

受付の横には白髪の紳士が私たちを見て頭を下げた。


「ようこそいらっしゃいました。こちらへどうぞ」


紳士のあとをついて行く。

絨毯はふわふわ。金の額に入れられた大きな絵が飾られた廊下を歩いていく。


照明のランタンひとつも、すごいお洒落だ。

なんだか別世界観が凄すぎて気が引けてくる。しばらく歩いていくと大きな部屋に通された。

その部屋もまた豪華な調度品だらけで固まっているとーーーすぐに人が入ってきた。


「やあ!朝早くから呼びつけてしまってすまないね」


「構いませんが、あとが押していますので早速取引を始めても?」


「ああ、構わないよ。エラ、頼む」


「かしこまりました」


多分商会の偉そうな人が老紳士に頼むと、老紳士は手を軽く振りかぶるとーーー豪華な部屋に似合わない、私が数人入れそうな大きな木箱が部屋に突如出現した。

中には芋が詰まっている。

芋をダーツが確認すると「姉ちゃんしまって」と言われたので慌てて木箱に触れて、食料庫に入れる。


その後も老紳士は葉物野菜、果実、小麦粉、精肉など次から次へと大きな木箱に入った物を取り出してはダーツが品質確認を行って収納して行く。


その次には調味料、酒、果実を絞ったジュース、クッキーにケーキなど、まるで街の全てで買い物をしたかのようにありとあらゆる物が出てくる。


このおじいさん、中々すごい空間を持っているな。

それがわかるくらいの大量の荷物だった。



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